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2005年2月 3日
行列のできる法律相談所(技術系)
連日の残業と休日出勤に疲れ果てて、朦朧としたアタマでピックアップした昨日のジャストシステムと松下の争いですが、かなり波紋をよんでいるようです。
世間的には"寝耳に水"といった感が強かったが、ソフトウェアの特許権侵害問題を受けて2月2日には各方面で「一太郎ショック」が走った。
株価も下がって、ストップ安の前日比100円安500円となったとのこと。しかし、2月10日発売予定の「一太郎2005」「花子2005」は予定通り発売されるそうです。
記事によると、ジャストシステムと松下はConceptBaseなどでパートナーシップを結んでいるほか、一太郎の関連製品も発売している。なぜだろう?と思うのですが、次のページを読んでなるほどと思いました。
「たしかに直接収益的なメリットはないかもしれない。しかし、我々は『知財立社』を目指しており、今回の件もその戦略の一環だ」
知財に対する意識が高まり、ビジネスチャンスになるだろう、ということは昨年さまざまな場面で聞いてきたような気がします。松下は全面的にそれを戦略に掲げている。
知財立社については、2005年1月11日に松下の社長である中村邦夫氏が発表した「2005年度経営方針」で説明されている。成長戦略を加速させるために「他社と明確に差別化された強い製品のみが顧客から支持される時代。いくつものブラックボックス技術をもつ技術立社と知財立社を実現していく」と言う。
なるほど。経営戦略の一環として、ジャストシステムに対する訴訟があるわけですね。バルーンヘルプが絵かアイコンか、というレベルで記事を読んでいたときには、あまりぴんとこないというか、言い方は失礼かもしれませんが、重箱の隅をつつくような話というか、そんなネガティブな印象もあったのですが、企業戦略の一環としてある、ということを知って、イメージが変わりました。
松下としては成長戦略を加速させて競争力を向上させる源泉が「技術と知的財産」と考えており、これをないがしろにされては今後の成長は見込めないというわけだ。
CNETの記事の最後にも補足されていますが、オープンソースとは逆の動きかもしれません。一方で、ナレッジを開放する動きがあるとともに、一方では知財を守ろうとする動きもある。これは大丈夫だと思っていると特許をシンガイして、シンガイにも訴えられたりする可能性があります
技術系の「行列ができる法律相談所」みたいなものが必要になるのでは? もう既に有名な方がいるのかもしれませんが、この世界でタレント弁護士が現れたりして。
現在、MOT関連の本なども読んでいる途中なのですが、経営者は技術と法律を横断して考える必要もありそうです。今後の人材育成も必要になる。大学などの教育機関では、理系・文系と分けるのではなくて、ますます学問を横断する実学的な分野が必要になってくる。
単なる訴訟といってしまうとそれまでなのですが、そんなことを考えました。
++++++
さて、仕事が一段落して疲れもたまってきましたので、リフレッシュするために、ブログとお仕事を、金曜日、月曜日とお休みいたします。ちょっとアタマを切り替えて、来週また頑張ります。
投稿者 birdwing : 2005年2月 3日 00:00
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