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2005年2月18日
広告からコミュニケーションデザインへ
IT業界の歴史をまとめるとともに、メディアはどうなっているんだろう、ということを考えています。マス媒体によるコミュニケーションは、業務としてはあまり関わりがないのですが、企業と企業のコミュニケーションを考えるときに、やはり広告という手法は無視できません。広告も含めて、企業におけるコミュニケーションの手法全体を把握しておく必要があります。
ちょうど昨日、電通から「2004年(平成16年)日本の広告費」が発表されました。昨年もインターネット広告の伸びが大きいことがコメントされていましたが、今年はラジオの広告費を抜いたとのことです。
ただ、問題はラジオを抜いたかどうか、ということではないような気がします。もちろん広告代理店さんにとっては重要なことかもしれませんが。
■2004年(平成16年)の日本の広告費は5兆8,571億円、前年比103.0%
http://www.dentsu.co.jp/news_release_frm.html?p=t&i=891
株式会社電通(俣木盾夫社長)は2月17日、わが国の総広告費と、媒体別・業種別広告費を推定した「2004年(平成16年)日本の広告費」を発表した。 これによると、昨年2004年(1~12月)の日本の総広告費は5兆8,571億円、前年比103.0%であった。総広告費は、2000年に日本経済の回復傾向とIT(情報技術)ブームを背景に広告活動が活発に行われて3年ぶりに増加した後、2001年以降は減少が続いたが、2003年の後半になってブロードバンドやデジタル家電が牽引して増加に転じ、2004年は年間を通して前年実績を上回り、4年ぶりの増加となった。 また、本年2005年(1~12月)の総広告費の見通しは前年比101.4%程度としている。
CNETにも記事がありました。
■インターネット広告費が前年比153%の1814億円--ついにラジオ広告を上回る
インターネット広告が好調な理由を電通では、「インターネットの一般化が進み、ユーザーのインターネット接触時間がテレビに次いで長くなっていることなどを受け、広告主がインターネットを重要な役割を担うメディアとして位置づける流れが加速したため」としている。
媒体としての価値をクライアント企業が認めてきた、ということですね。接触時間は単体よりも、メディア×メディアという時間でも考えるべきかもしれません。
たとえば、個人的な感覚ではテレビをみながらインターネットもする、という状況はいまひとつないのですが(ラジオを聴きながらインターネットならある)、テレビで気になった情報をインターネットで調べるということは多い。特に意識することなく普通の行動になっています。番組の終わりに、ホームページのコンテンツを紹介することも当たり前になってきました。つまりテレビとインターネットが連動している。
ただ、これは以前から言われていた見解であって、いまひとつ新しさに欠ける気もします。何か新しい動向は考えられないのでしょうか。
電通ではさらに、インターネット上でテレビコマーシャルや動画広告を流すネットCMが一般化しつつあること、2002年12月に日本でサービスが開始されたSEM(サーチエンジンマーケティング)が新たな広告手法として定着しつつあることなども、市場の伸びに貢献していると分析する。
表現力が高くなったこと、リッチメディア化していることも要因として挙げられています。確かにブランデッドエンターテイメントとして、ショートフィルムのような動画も多くなりました。集客のためのSEMはもちろん、集客した訪問者に対する効果測定に関しては、これから手法などを検討すべきかもしれません。
なるほど。でも、やっぱり何か足りない。もうひとつ何か新しい視点がほしい。。。
ブログの活用なども考えると、広告自体の位置づけも変わってくる。「広告からコミュニケーションデザインへ」というのは2月の宣伝会議の特集タイトルですが、IMC(統合型のマーケティングコミュニケーション)という発想は以前からあったもので新しくはないにしても、コミュニケーション全体から広告を考える必要性、もしくは重要性が高まっていくのでしょう。
うーむ。もう一声、という感じです。新しいコンセプトを考えるのは、難しい。やっぱり従来の枠組みにとらわれてしまいますね。アタマをリセットする、思考のフレームを取り外すことができるといいんですけど。
投稿者 birdwing : 2005年2月18日 00:00
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