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2005年4月 4日
単なるテクノロジー企業ではない
言霊、というと古臭く聞こえますが、宣言することによってポジションや目指す方向性が明らかになることがあります。
方向性が見えてきたから言葉にするのか、言葉にすると方向性が明らかになるのか、タマゴとニワトリの理屈のようなところもあります。あえて言葉にしないこともある。政治家は自分の身を守るために証拠となる言葉を残さない。あいまいな表現を使って、煙にまくわけです。
自分のことを考えてみても、きちんと目標の数字や具体的な計画を立てないと、いつまでも夢は夢であって実現することがない。ものすごく基本的なことですが、いつまでに何をする、という具体的な方針がないと、リスクはない変わりに何も始まらない。
だから、言葉や数字にすることで、はじめていまいる場所やこれからめざす場所が明確になることが多い。ブログなんかを書いていても、あ、自分ってそういうひとだったんだ、とあらためて気づくことがある。アイデンティティを確立するためには、言葉にすることがいちばんです。
Googleが、3月31日に米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書の中で、自社のことを定義している記事がありました。テクノロジー企業を超えたものである、というようにも読み取りました。
■我々はもはや単なるテクノロジー企業ではない~米Googleが自社を定義
報告書の中でGoogleは、自社の定義として「我々はテクノロジー企業として始まり、ソフトウェア、テクノロジー、インターネット、広告、メディアが全て1つにまとまった会社へと進化した」と説明している。この業態を実現するためのテクノロジーとして、高度な検索技術、Google AdWordsとAdSenseに見られる広告技術、そして大規模なサービスを実現するためのインフラストラクチャー技術を保有するとしている。
検索という機能と、検索のための技術が核だったと思うのですが、それを超えるキーワードのひとつが「メディア」かもしれません。
Googleは人工知能技術を使ってニュースを自動的に収集表示する「Google News」を公開し、すでに人気のある「ニュースサイト」の1つとなっている。さらに出版社や大学と提携し、入手しうる限りの書籍を検索できるようにする「Google Print」プロジェクトを進めている。また、多くの書き込みがあるニュースグループの「Google Groups」も保有している。その意味で確かにGoogleは「メディア企業」であると言えるだろう。
自社の業務案内を改定していて、3月末にやっと完成したのですが、5年後にも通用する事業領域の「定義」というのはかなり難しい。あまりにもかけ離れた理想の絵ばかり描きすぎると、現場から乖離してしまう。かといって、現状の等身大では広がりがない。発展性に欠けるわけです。
自分たちがどこから来て、どこへ向かおうとしているのか。
ちょっと哲学的ですが、なんのためにわれわれが存在しているのか、という定義は必要ではないでしょうか。企業においても、プライベートにおいても。
数字を達成できれば哲学は不要である、というドライな考え方もあるかもしれませんが、哲学に裏づけされた数字は強い、という気がします。
投稿者 birdwing : 2005年4月 4日 00:00
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