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2005年4月12日

段階的に発展するモデル。

映像関連のニュースに注目しました。けれども記事を取り上げて考えているうちに、ビジネスモデルの方が気になりました。

■goo、Webサイトの閲覧とビデオチャットを同時利用できる技術の実証実験

NTTレゾナントは、ポータルサイト「goo」内の公開実験サイト「gooラボ」において、Webサイトを閲覧しながらビデオチャットができる技術「Webビジュアルコミュニケーションサービス」の実証実験を4月11日に開始した。

完全にサービス開始というわけではなくて、実験という位置づけであり、ユーザーの感想をもとに展開の可能性を探るというスタンスです。テストマーケティング的な考え方かもしれませんが、ユーザーのヒアリングによってサービスを改善して、段階的な発展をめざすビジネスモデルです。

NTTレゾナントでは、実験の成果とユーザーからの意見を踏まえて、サービス展開の可能性を検討するとしている。

一方で、携帯電話から動画をブログに投稿できる「モビゾー」のサービスは、段階的という意味では同じですが、際限なくユーザーを増やすのではなく登録者に制限を設けます。

■カヤック、携帯電話で撮影した動画をブログで公開できる「モビゾー」

モビゾーは、携帯電話などで撮影した動画をFlash形式に変換し、ホームページやブログで公開できるサービス。投稿できる動画ファイルはNTTドコモ、au、ボーダフォンに対応し、携帯電話以外にPCのメールアドレスからも投稿できる。ただし、登録したメールアドレス以外からの動画投稿はできない。

現在は無料でサービス提供していますが、ユーザーが一定量を超えたところで新規登録を終了させるとのこと。この記事だけでは、新規登録終了後に有料化するのか、付加価値サービスを利用するときに有料になるのか、わかりませんが、ソーシャルネットワークやブログなどでも、最初は無料でユーザー数を増やしておいて、一定数に達したところで新規登録を打ち切って、有料化するところがあります。

モビゾーは現在のところ無料で利用できるが、登録ユーザー数が一定を超えた段階で新規登録を終了する予定という。今後は大手サイトとのOEM提供によりサービスの収益化を目指すほか、自社のネットワーク環境に動画サーバーを設置したいという要望に答えるためのサーバー構築サポートも行なっていく方針。

登録者数の制限を設ける背景には、あらかじめハードウェアの仕様があって、負荷や容量を考慮して決めている、ということもあると思います。

ただ、ユーザー側からみると「激安ノートパソコン残り10台!」と言われたときに、ついつい買いたくなってしまうように、制限を設けることで登録や購入が動機づけられる。店頭で品切れの商品は、余計に欲しくなるものです。

戦略的に登録者の制限を展開するのか、予想外のアクセスであわてて制限を設けるのか、結果は同じでもまったく違うと思うのですが、段階的に発展させていく(つまり発展しない場合には縮小や撤退も考える)ようなビジネスの組み立て方には、学ぶべきものがあります。

投稿者 birdwing : 2005年4月12日 00:00

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