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2005年11月30日
プレゼンの魅せ方。
IT関連のお仕事をしていますが、仮想化技術(Virtualization)関連のあるプライベートセミナーに参加しました。仮想化というのは、物理的には1台のサーバであっても、論理的に複数台のように動作させる技術のことです。したがって、WindowsとLinuxなど、複数のOSを同時に動かすようなことができるようになります。かなり専門用語が多かったのですが、やさしく解説いただいているせいか、ちんぷんかんぷんということはありませんでした。というよりも、もともと文系とはいえ業界には長いし、理解しようと思う気持ちがあれば理解できるようになるものです。まあいいやと諦めてしまうと、そこで成長が止まってしまうものでもありますが。
この仮想化技術についてもいろいろと思うことがあり書いてみたい気がするのですが、難しくなりそうな気がするので、ちょっと別の視点から考えてみようと思います。「プレゼンテーション」という視点です。
仕事としてぼくは企画書を書くことも多く、プレゼンの機会もあります。もともと編集の仕事をしていて、またDTP以前の遠い昔には簡単なレイアウトなどもやったことがあるため、どうすれば説得力のある企画書が作成できるのか、というのはぼくの永遠のテーマでもあります。そこで今日のセミナーでも、内容はもちろん、スクリーンに映し出された資料のできばえとか、プレゼンをするひとのトークなども注目していました。
今回セミナーに参加して、2つのポイントから、かっこいい(かっこよくみえる)プレゼンについて考えてみました。
第一は、スライド(スクリーンに投影する企画書など)の色とチャートについて。外資系の企業は、やはり上品で洗練されたスライドが多いなあと思いました。日本の企業の場合、年配のプレゼンテーターの方が「これはポンチ絵なんですけどね」と謙遜されてチャートを説明することもあるのですが、内心、いやーこりゃほんとうにポンチだ、とほほ、というイラストも多い。しかしながら、外資系のスライドはかなり上品なイラストを使っています。たぶん、ブランディングの一環として、印刷物やWebサイトはもちろん営業ツールに使うイラストが既に用意されていて(使い方もマニュアル化されていて)、使っているのでしょう。
あと色彩の使い方として、グレーをうまく使うと洗練された資料になる気がしました。また、赤にしても、日本ではいわゆるキンアカ(マゼンタ100%+イエロー100%)が好きなようですが、オレンジ系を使うとぐっと印象が変わる。青にしても、インディゴのような色を使うと知的になる。ただ、あまりおしゃれにしすぎると迫力がなくなるので、赤+黒のような力強い色の合わせ方もありですね。
第二は、トークと話す姿勢について。最初にアジェンダなり、アウトラインを示して、それに沿って話すと、ああ、いまはこの部分であとはこれだけあるな、ということが聞き手にもわかって安心します。逆に、構成を知ってしまったがゆえに、うわーまだこんだけしか話せていないけど時間ないんじゃないかな、あ、あと10分って紙が出されてる、大丈夫かな、と講演者じゃないのにひやひやすることもありますが。今回、これはかっこいいと感激したのは、壇上に上らないで、あえて低い位置から歩きながら説明していく、そして途中で「ここまで理解できたでしょうか。質問がありますか」と、会場の状況をうかがう方式でした。もちろん、うつむかないで、前方ちょっと上あたりを見る感じです。自信ありそうにみえる。
もちろん内容が大事なのですが、内容に合わせた演出や、長時間である場合にはちょっと余談をはさむとか、構成も大事になります。そんなところは、バンドのライブ演奏や、あるいは演劇と似ているのかもしれません。この演出の背景には、テツガクとまではいかなくても自分なりの価値観や考え方があるべきです。それがないと、ほんとうにうわべのみせ方になってしまう。
ITの最新動向はもちろん、法務的なこと、マーケティングのこと、プレゼンの演出の仕方など、仕事上でも、まだまだ学ぶことはたくさんあるようです。
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一時期、それこそ50冊以上の企画書やプレゼンに関する本を購入して読み漁ったのですが、なかなかいい本がありませんでした。代理店のちゃらちゃらしたひとが好きそうな本が多いのですが、うわべの技術じゃないと思うんですよね。
そんななかで、落ち着いて納得できた本が「企画の原典」。プランナーは企画の成果にまで責任を持つべきだ、という主張にうなづけたし、秘密保持契約書のひながたまで掲載されているところに実務者としての誠実な姿勢がうかがえます。企画者は歴史を作れ、というメッセージもいい。
ただ、企画を志望する学生なんかは、おちまさとさんなどの、ちゃらちゃらした本が好きそうだから、この本はきっと売れてないだろうなあ。もちろん、ぼくはおちまさとさんの本も好きですけどね。
■「企画の原典」 淺原雄吉著(下記ページのいちばん下にあります)
http://www.ncosmos.co.jp/mag/index.html
投稿者 birdwing : 2005年11月30日 00:00
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