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2006年4月18日

強さとは何だろう。

はじめて幼稚園に行った次男(3歳)に、どうだった?と訊いてみると、「りんごじゅーすのんで、おせんべたべて、ないちゃった」とのこと。やっぱり泣いちゃったか。長男のときには泣きすぎて顔が変わってしまい、奥さんはお迎えに行って自分の子供を判別できなかったようです。さすがに次男は強いもので、そこまで号泣ではなかったらしい。しかしながら、食べたり飲んだりすることと泣いたことしか言っていないのだが、きみは幼稚園で遊んだりしなかったのだろうか?そんな余裕ないか。そうですか。

強さとは何だろうということを考えます。身体を鍛えて喧嘩に勝てることが強いのか、どんな痛みにも耐えられることが強いのか。と、書いていて思い出したのだけど、長男が生まれるときに隣のベッドに寝ていた妊婦さんは、七転八倒&悲鳴だったのですが、それに対してうちの奥さんは、むぎゅーというような声で耐えていました。顔文字にすると、m(≧。≦)mという感じでしょうか。もしかすると激痛すぎて声が出なかったのかもしれません。それにしても、あまのじゃくなぼくは、たいして痛そうじゃないのに叫びまくる状態には冷めてしまうのですが、かなり痛そうなのにじっと耐えている状態というのに弱い。むぎゅーな彼女を見ていたら、不覚にもぼろぼろ涙が出てきてしまったものでした。

時々、電車のなかで喧嘩しているひとをみかけます。たいてい、ちょっと押したとか、濡れた傘から雫がかかったとか、そんなことがきっかけのようです。もちろんコンディションによっては爆発したくなる気持ちもわかる。けれども、そうやって爆発した人間が強いかというとそんなことはなくて、そういうひとたちをみるたびに、ぼくはスピッツという犬を連想します。親戚のおじさんが飼っていたイヌですが、これがまたよく吠える(いま吠えないスピッツもいるようですが)。吠えるから子供の頃には怖かったりしたのですが、要するに臆病だから吠えるわけです。

このスピッツ的な強がりではなくて、立派な強がりというのもあります。いろいろなハンディキャップを抱えながらも、強く生きようとしているひとがいる。そういうひとは明るい。明るいだけでなく、誰かを許容する能力もある。周囲を和ませたり、自分のことは置いて誰かのために一生懸命になったりする。それでいて何も見返りなどは求めないものです。与えつづけるひと、といってもいいかもしれません。一方で奪いつづけるひともいるのですが。

ぼくはといえば、まったく強くなくて、腎臓結石のときには唸り声をあげてのたうちまわったものです。これはぼくではなくても、のたうちまわる痛みなのかもしれませんが、忍耐強いひとには憧れます。

しなやかであること。しなやかなひとがいちばん強いのかもしれません。ゴム人間、というと息子がみていたテレビの「ワンピース」というアニメを思い出してしまったのですが、殴られた力もぐいんと受け止める。ぐぐっと押されても、ふにゃっとやりこなす。そんな軟体動物的に生きていると、そのうち誰も相手にしなくなるかもしれないのですが、ごつごつぶつかりながら生きるよりもはるかに生きやすくなるんじゃないかと思ったりもします。

強いオヤジというのも、絶滅寸前という感じがします。ぶわっかやろーと怒ってちゃぶ台をひっくり返し、あなたやめてくださいっと、かあちゃんに止められつつも、がつんと拳骨を落とす。そんな父親は少なくなったような気もします。もしいま、がつんとやったりしたら、児童虐待と訴えられて離婚されかねない。昭和で終わってしまった父親像かもしれません。そういう強い親父には強い親父の美学があると思うので、ぜひ伝統を継承してほしいと思います。

ぼくの親父もかなり怖かったのですが、ぼくは彼のようにはなれません。しなやかなオヤジでいこう、と考えています。といっても、実は怒りっぽい性格はぼくにも遺伝されていて、その遺伝を引き継いでいるのがうちの次男(3歳)です。遺伝のリレーは知らず知らずつづいているものです。次男は1歳の頃には、とにかくあらゆるものが気に入らなくて、怒っては後頭部をがしゃがしゃ掻きまくっていました。何かの過ちがあり、うちの奥さんはマレーグマを生んじゃったんじゃないか、と思いました(マレーグマは怒ると後頭部を掻きまくります)。ちなみに黄色い服を着せて座らせると、彼はまるでクマのプーさんです。

そのプーさんも幼稚園です。幼稚園には、プーさんのアップリケのついた手提げ袋を持っていっているようです。いやはや自分で泣くのはいいけど、暴れてよそさまの子供にパンチして泣かせたりしなければいいんだけど。

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ところで昨日、酔っ払って日付変更線を越えて日記をアップしてしまったため、日曜日の日記をすっ飛ばしてしまいました。18日に、日曜日の分として何かコラムを書くことにします。ちょっと困惑中。

投稿者 birdwing : 2006年4月18日 00:00

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