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2006年5月14日

インターフェースの進化。

体調を崩して倒れました。来週はいろいろと忙しいので倒れているわけにもいかないのですが、そんなわけで以前に書いてボツにしかけた補欠のエントリーをアップしておきます。

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インターネットの黎明期には情報はテキスト中心だったかと思うのですが、次第に写真や鮮やかなデザインのページが多くなり、Flashの登場によってアニメーションなども追加され、現在はストリーミングでビデオなどもみることができるようになりました。一方で、パソコンが登場したばかりにはコマンドによる文字中心のインターフェースだったのですが、まずはマッキントッシュの登場、そしてWindowsの登場により、GUIが進化して現在に至っています。Windows Vistaでは3Dのような形でウィンドウを表示できるようにもなるようで、究極は奥行きのある擬似立体的なインターフェースになるのかもしれません。

音声や動画による情報はかなり前からマルチメディアと言われてきましたが、CD-ROMからDVDへと記録媒体も進化しつつありますが、残るのはなんだろう、とふと考えることがあります。もし、五感に訴えるとしたら、香りや味覚のようなものかもしれません。

ということを考えていたら、映画館で香りを配信するという記事を見つけました。「NTT Com、映画館に香りを「配信」、ハリウッド映画「ニュー・ワールド」で」というニュースです。

4月22日から5月5日まで、同作品が上映される東京と大阪、2つの映画館の中央部3列に香り発生装置「アロマジュール」を設置。「アロマ・プレミアシート」として楽しんでもらう試み。作品の上映中、いくつかの主要なシーンに合わせて、エッセンシャルオイルをブレンドした「旅立ちの香り」や「運命の香り」などをアロマジュールから発生させる。

シーンに合った、銃の硝煙の匂いとか、レストランの匂いというわけではないんですね。「旅立ちの香り」や「運命の香り」というのは、どんな香りでしょう。非常に抽象的ですが、映像と合っていれば、なるほどねと思うものかもしれません。

仕組みは次のようになっているようです。

香り配信の仕組みは、まず制御サーバーからインターネットを経由して、香りのレシピと映画のシーンに合わせた配信スケジュールを送信。映画館に設置した香り配信用ネットワーク接続装置(LAN-BOX)で取り込む。このLAN-BOXから客席に配置した香り発生装置をコントロールするもの。LAN-BOXは、いったん香りのレシピをダウンロードした後は、LAN配線から切り離して自由に持ち運べるため、映画館やイベント会場などで一定期間のみ香り配信を実施する場合などにも利用できる。

LAN-BOXは、特別な装置なので高価だとは思うのですが、一般化すると自宅でブロードバンド回線で映画を観ながら使うこともできるかもしれません。

3Dのメガネで立体映像というのは、いくつかの映画で上演されていて、ディズニーランドのアトラクションではかなり驚いた気もします。また、サラウンドによる音響の立体効果は、自宅でもかなり簡単に再現できるようになりました。となると、次は匂いや味覚などに訴える装置の登場でしょうか。エンターテイメントもかなり違ったものになるかもしれません。

ただ、どうしても考えてしまうのは、そこまでほんとうに必要なのかどうか、ということです。仕掛けだけが立派になっても、物語がお粗末では、あまり効果的ではないような気もします。

立体映像、立体音響、そして匂いなどまで再現する装置というのは21世紀的ではありますが、20世紀的な映画であっても、楽しめることは楽しめるんですよね。ぼくらは、エスカレートして刺激を求め、さらに贅沢を求めるようになるのかもしれません。

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この香り付き映画は上映が終わってしまったのではないでしょうか。どんなだったのでしょう。気になります。

投稿者 birdwing : 2006年5月14日 00:00

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