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2006年5月13日

セルフカバー。

雨降りかつ体調がかなり不調だったので一日を静かに過ごしたのですが、趣味のDTMで、10年以上前に作った曲をもう一度打ち込み直してみることにトライしています。ちょうど社会人のバンドなどをやっていた頃で、そのバンドのメンバーのみんなに、はじめてプレゼンテーションした自分のオリジナル曲だった気がします。

その当時、ぼくが持っていた機材といえば、中古で購入したYAMAHAのカセットテープによる多重録音のMTRとギターやベースだけでした。4トラックにピンポンせずに(ピンポンというのは、ドラムとベースを別々に録音して、その2つのトラックを空いている1つのトラックにミックスダウンすることです)、4つの音だけで作りました。つまり、ドラム(ソニー製のリズムのおもちゃ。リズムマシーンとは言えないようなシロモノでした。)+ベース+ギター+ボーカルという最小の構成です。作ったときに風邪をひいていて、ものすごい鼻声だったんですが、それがかえっていい感じだったかもしれません。とはいえ、ギターは高校時代に友人からもらった通信販売のギターで、ペグがゆるんでチューニングは狂いまくっていて、知っているコードしか弾けないへたくそな演奏だし、ノイズは入るし、いまとなってはローファイでは片付けられないとんでもない音源でした。

いまその演奏を聴くことはできません。というのは、カセットデッキが壊れていて、再生できないからです。カセットデッキというのは、どんどん使わなくなっていきます。壊れてしまってもまったく支障がありません。そもそも、平成生まれの子供たちは、ひょっとするとカセットテープって何?という世代かもしれない。これからはCDって何?ということにもなりそうです。ぼくはやはりプロダクトとしてCDというパッケージを持っていたいタイプであり、ライナーノーツや歌詞や写真などを印刷物できちんと読んだりみたい気がするのですが、ダウンロードによって音源が普及していくと、パッケージの意味はなくなってしまうかもしれません。曲の構成はアーティストやプロデューサーが考えるものではなく、リスナー自体がアレンジするようにもなりそうです。

ところで、いま音源が聞けないのであくまでもイメージに頼りつつ、そんな風に10年以上の前の曲をインスト(歌詞なし)でセルフカバーしているわけですが、その曲の歌詞の趣旨としては「いろんなものに憧れて夢をみてきたけど、結局のところ大事なものは毎日の何気ない生活のなかにあるんじゃないか」ということでした。かつて、ものすごくローファイな機材で作った曲を、いまReal Guitarというバーチャルなギターを再現するソフトウェアを使いながら、PCのDAWで打ち込んでいるのですが、まったく違うものになっていく楽しさもありつつ、そのときの気持ちがなんとなく蜃気楼のように立ち昇ってくるのが、なかなか面白いものです。

その頃、ちょうど学生時代から付き合っていた女性と(まあ、いまの奥さんなんですけど)、結婚などを考えていた時期であり、ひとりではない生活ってどんなもんだろう、と諦めも半分混じりつつ考えていました。しかしながら、そんな想像を超えたところに現実というものはあるもので、いま息子たち2人が加わって4人になった家族のある立場からみると、この歌詞は青いなあ、と恥ずかしくなりつつ、けれども失われてしまった何かも感じられて、せつなくも懐かしいものがあります。

ところで、アンプラグドというギター一本などでアコースティックな雰囲気でセルフカバーすることが流行った時期にリリースされたのですが、高橋幸宏さんの「Heart of Hurt」アルバムが、ものすごく好きでした。何度も聴いて泣けました。そういえば、このアルバムもレンタルショップで借りてきてテープにダビングしたため、いま聴くことができません。ぼくは逆にアナログで創った曲を10年以上たったいま、デジタルで作り直しているのですが、おじいさんになったときにも演奏できるような曲ができると、しあわせだなあと感じたりもしています。

明日は、学生時代の知人の結婚パーティに参加してきます。しあわせな知人を祝福しつつ、もう遠過ぎて曖昧になりつつある自分が結婚した頃のことを思い出したりしながら、体調不調なのにひとりで飲んでしまって、いい気分です(いや、ちょっとまずいかも。若干気持ち悪くなってきた。自粛します)。

++++

■高橋 幸宏さんの「Heart of Hurt」。あらためてCD購入したい気分です。

B001PNVYEMHeart of Hurt【SHM-CD】
高橋幸宏
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) 2009-03-11

by G-Tools

■USENのサイトなどで視聴できるようです(ぼくはなぜか聴くことができません)。しかも1曲ごとに購入できる。便利な世の中になったものです。
http://www.ongen.net/search_detail_album/album_id/al0000003886/
http://listen.jp/store/album_4988006127746.htm

■ひょっとして、廃盤なのかも?
http://music.yahoo.co.jp/shop/c/10/toct9228

投稿者 birdwing : 2006年5月13日 00:00

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