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2010年6月28日

iPadの衝撃、ふたたび。

100627_gamen.jpgiPadにつづいてiPhone4が登場して、アップル製品がますます話題を呼ぶようになりましたね。

残念ながらぼくの携帯電話はiPhoneではありません。しかし、わが家のiPadは購入からおよそ1ヶ月が経過して、ファミリーマシンとしての確固としたポジションを築いています。予想以上に利用頻度が高く、使いたいなとおもうと、必ず家族の誰かが使っています。もう1個欲しかったとおもうぐらいです。

ゲームができると知って、子供たちにさっそく奪われました。初期インストールされていたアプリでは「写真」は家族の写真を取り込み、「カレンダー」には家族の予定を記入して情報を共有しています。SafariやYouTubeは延々と「へんないきもの」の動画を探したり、気になったキーワードを検索したり。地図アプリも近所の情報を再確認するなど重宝しています。

仕事系とコミュニケーション系のアプリはまったくなし。仕事に使うならウィンドウズマシンと考えているのでiPadを仕事に使う用途がみつかりません。使いはじめたら有用だとはおもうのですが、とにかくウチではiPadはリビング専用マシンです。ちなみに教育系のアプリとしては「元素図鑑」がずうっと気になっているのだけれど、1,600円は高い。

さて。いままで購入したアプリを整理するとともに、これは!とおもったアプリについて感想を書いてみたいとおもいました。

カテゴリーごと購入したアプリを列記しつつ、無料でダウンロードしたアプリは数え切れないので、厳選してみます。ひじょーに偏った趣味なのですが、iPadユーザーのご参考まで。

※補足ですが、iPadのスクリーンショットは、ホームボタン+電源ボタンです。画像は「写真」(PNGファイル)として保存されます。


■ブック

≪購入≫
・i文庫(HD) ¥700
・数学ガール ¥900
≪無料≫
・「藍色の蟇」大手拓次(i文庫)
・「ガリ版の話」津野海太郎(理想書店)
・「テロメアの帽子HD」
・「志高く 孫正義正伝」

電子書籍リーダーとして期待されるiPad。しかし、実際の感触として、680g(Wi-Fiモデル)はまだリーダーとして重い気がしました。片手で持つには腕力がいる。ちょっとしたダンベルとして腕が鍛えられるのかもしれないけれど率直にいって重いです。また、画面全体が明るい印象なので、すこし輝度を落としたり、背景の色を変えたほうが目にやさしいかもしれません。

以下、紙の本が発行されているものは、紙の本のリンクも貼っておきます。

結城浩さんの「数学ガール」は読みはじめたばかりです。同級生と後輩のふたりの美少女から数学を教えられたり教えたりする主人公が羨ましくもあり、数学の「解くことの楽しさ」をあらためて感じさせる本です。

4797341378数学ガール
結城 浩
ソフトバンククリエイティブ 2007-06-27

by G-Tools

正直なところ高校時代に数学は最も苦手でした。しかし、どちらかといえば無機的に殺伐としたものとして感じていた数学ですが、この本のように物語形式によって対話で解かれていくと親近感をもつことができました。最後まで読み終えられるかどうか不安ですが。

「テロメアの帽子HD」はゲノムについてわかりやすく書かれた絵本。とぼけたキャラクターがいい感じです。電子書籍の絵本らしく、ページをめくる音が出ることはもちろん、アニメーションでイラストが動いたり、日本語だけでなく英語のナレーションも用意されています。サイエンス系の絵本は電子書籍という媒体にぴったりです。増えてほしいですね。

100627_gamen_tero.jpg

「志高く 孫正義正伝」も読書中。ソフトバンクの孫正義さんの起業家としての熱い志に打たれます。これもまたiPadにはぴったりの書籍。

4408107050志高く 孫正義正伝 完全版 (じっぴセレクト)
井上 篤夫
実業之日本社 2007-07-20

by G-Tools

ページをめくる腕を鍛えつつ、電子書籍で上記の本を読んでいます。


■ゲーム

≪購入≫
・10 pinShuffle ¥450
・iFish Pond ¥350
・Labyrinth 2 HD ¥900
・Pinball HD ¥350
≪無料≫
・MultiPong
・DismountLite
・ACrawlerHD
・フーフーミントン
・太鼓の達人
・対極!!将棋

「iFish Pond」は釣りゲーですがリアルな映像が楽しい。アプリを立ち上げると池にさざなみが立ち、鯉のようなサカナが泳いでいます。水面に指をふれると、ちゃぷちゃぷと音がして揺れる。これが気持ちいい。背景も4画面から選ぶことができて、鳥や虫の声の効果音にも和みます。癒されます。

100627_gamen_ifish.jpg

そういえばマイクロソフト社が、かつてサーフェスというインターフェースを開発していたことをおもい出しました(関連記事はこちら)。ガラスのテーブルがタッチパネルになっていて、その上で写真を選んだり、「iFish Pond」と同じように水面の画面に指で触れると波紋ができる。凄いなあ!とおもったのですが、その環境が数年も経たないうちにいまここにあるわけです。時代の急速な変化を感じました。21世紀だ。

加速度センサーによって球を転がす「Labyrinth 2 HD」は子供たちが嵌まっていました。また、ブラックなのだけれども、階段から突き落として骨折の度合いで点数を稼ぐ「DismountLite」もユニークです。さすがに、ちょっとこれは・・・と眉をひそめましたが。


■音楽

≪購入≫
・iELECTRIBE ¥1,200
・ProKeys ¥230
≪無料≫
・Beatwave
・Soundrop Free
・Virtuoso
・JamPad
・SonataNote
・AirGuitar
・GrooveMaker
・iRelax
・Shiny Drum
・digidrummer Lite

KORGの「iELECTRIBE」。いろいろとできそうなのですが、使いこなせていません(涙)。ほかにも有料版の音楽アプリにはシーケンサーや多重録音のHDレコーダーもあるようなので、興味津々です。

「ProKeys」は最初はLite版(無償)を使用。安いので有料版を購入してみました。上下2段の鍵盤が使えるのですが、録音することも可能です。指先によるリアルタイム録音で、試しに音を作ってみました。

※以下はFlashのMP3プレイヤーです。白い棒の左端を押すと音が再生されます。音量は変えられません。お手数ですがPCで調節をお願いします。


○ProKeysデモ(BirdWing作)





まずドラムをパッドで打って録音。指先ドラマーという感じでしょうか。それを再生しながら「Organica」というプリセットでコードを弾きました。なかなか幻想的ないい音です。リバーブのエフェクトもかけられます。鍵盤がちいさいし、そもそもぼくは鍵盤が弾けないので音がびみょうにズレていますが愛嬌ということで。

iPadの大きさとタッチパネルのインターフェースから、ヤマハのTENORI-ONやmonomeのようなシーケンサー(関連記事はこちら)がないかなあ、とおもって探したらやっぱりありました。「Beatwave」です。

100627_gamen_beatwave.jpg

垂直18(うち2つはリズム)×水平16のマトリックスをタップすることで、16ステップのシーケンサーになっています。垂直方向は音程、水平方向は左から右へリズムで、リアルタイムで打ち込みが可能です。

これもちょこっと打ち込んでみました。


○Beatwaveデモ(BirdWing作)





音の位置によって、さまざまな色がディスプレイに表示されます。これは楽しい。音色は有料で追加できるようになっています。シンプルですが、4つのトラックが用意されていて、トラックの音量やパン(定位)など変えられる。細かい配慮がなかなか素敵です。

偶然性の音楽という意味では「Soundrop Free」も楽しめました。

100627_gamen_soundrop.jpg

左端から白い点が落ちてきます。その点の先に指先で線を引くと、その線に点がはねかえって音が出る。はねかえった先にまた線を引くと、それが音になる。マリンバのような音色です。NHKで放映されていた番組「"スコラ" 坂本龍一 音楽の学校」のタイトルミュージックのような感じでしょうか。雨音の滴を音楽にしていくような面白さがあります。

上のシンプルな点と線の画面から、こんな音が出ます。


○Soundrop Freeデモ(BirdWing作)





■ビジュアル・3D

≪無料≫
・Sunny3D

最後にお絵描きソフト。ふつうのドローイングソフトやレタッチソフトでは特に目新しいものはないなあ、とおもっていたところ「おおっ?!」と目を引いたのが3D描画ソフトの「Sunny3D」でした。これは凄い。

やや操作がわかりにくいところはあるのですが、くるっと指先で描いただけで立体ができあがる。この素早さには驚きます。子供たちに使わせてみたところ、あっという間に次のようなみょうな生き物たちを作り出しました。

100627_gamen_3d1.jpg

100627_gamen_3d2.jpg

100627_gamen_3d3.jpg

ギャラリーでは実際に作ったものを、指先でぐりぐり回転させたりズームイン/アウトすることができます。また、iPhone用のアプリもあるようです。

あとはこの3Dの怪獣たちを動かすことができれば、あっという間にアニメーションやゲームなどを作ることができるでしょう。YouTubeでアマチュアの方がアップロードした凝ったアニメーションを観たことがありました。しかし、アプリさえあれば小学生にも3Dが作れます。

次男は怪獣の絵を描くのが好きで、最近では紙を丸めて怪獣を造形するようになりました。その延長線上でコンピュータグラフィックにもすっと入っていくことができるようです。卵が描かれていて、そのなかを拡大すると怪獣がいる、というようなCGも自分で考え出して描いていました。びっくりしました。

*****

iPadの発売以降、テレビでCMも頻繁にみかけるようになりました。

CMのメッセージに頷ける部分が多くあります。たとえばアプリケーションは確実に増えつづけていて、毎日アプリのランキングをみるのが楽しみになっています。いくらポータブルだといっても、さすがにバイクの二人乗りの後ろでiPadを抱えるようなことはできませんが、「世界を変えてしまう革命がいま、はじまった」とナレーションにあるように、わが家のリビングというちいさな世界を起点に、家族の生活を変えつつあります。

変化というものは急激に変わるものではなく、じわじわと変わっていくものなのかもしれません。いちばん身近なところから。

投稿者 birdwing : 2010年6月28日 21:00

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