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2007年1月23日

考える時代。

スタートしたばかりの頃には、ブログで何を書いてよいのか当初はわからず、いつか書きたいものが決まるまでは、取り合えず備忘録という形で書き進めていました。2時間という枠を自分で決めて、その時間を考えて書く時間としていたような気がします。しかしながらその時間のなかで、考えることの重要さ、楽しさを知った。そこで、それではブログを通じて徹底的に考えてみよう、いままでの自分にない発想ができるようにしようと思いました。

この「考える」ということは、どうやらこれからの世界において重要な視点らしい。イノベーションというキーワードともつながるのですが、「新しい考え方で作る」ということが、経済産業省の新経済成長戦略の支柱だそうです。これは、いま読んでいる前野拓道さんの「イノベーションの軸」という本で触れられています。

4806527599イノベーションの軸
前野 拓道
経済産業調査会 2006-11

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この本は、司馬遼太郎からドラッカー、あるいは映画「ホワイトプラネット」まで、さまざまな作品を網羅しながら「考え方」について考察していきます。こういう本を書きたかった!(あるいは、こういうブログを書きたかった!)と思わせるような内容で、そうそう!という引用したい部分がたくさんあります。いま、まだまとまっていないのですが、いままで読んできた他の本にも通じるところもあり、落ち着いて考察しようと思います。

まず第1章「イノベートジャパン」から、次の文章を引用します(P.25)。

日本の将来のためにいま、もっとも重要なことは何か――それは「新しい考え方でつくる」ということにつきる。経済産業省はイノベーションとは何かを真剣に考えた。東芝の元社長である西室氏ら企業のキーマンと討議して結論を出した。イノベーションとは「新しい考え方でつくる」ことだと。

ここで重要になるのは「新しい」とはどういうことか、「考え方」とは何か、ということですが、その前に、イノベーションというのは世界的なキーワードのようです。第2章で、IBM会長のパルミザーノ氏がまとめたアメリカの成長戦略が「イノベートアメリカ」であり、中国の第十一次五ヵ年計画が「自主創新」であることが書かれています。そして、イノベーションについて次のように書かれています(P.32)。
ここでいうイノベーションとは「いわゆる技術革新だけではなく、たとえば、仕事のやり方であったり、在庫管理であったり」と広い意味での新しい考え方に基づく創造力でありやり方である。

この言葉で思い出すのは、ジェフリー・ムーアの「ライフサイクル・イノベーション」という本に書かれていたコアとコンテキストの考え方ですが、決して精神技術による新製品だけがイノベーションではなく、作業効率化というイノベーションもあり得るということです。

479811121Xライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーション
栗原 潔
翔泳社 2006-05-16

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そして日本においては、次のようであると書かれています(P.33)。


日本の「新経済成長戦略」の全体を貫くキーコンテクストは、「新しい考え方でつくる」につきる。そして推進するための思考軸の縦軸は「国際化」と「地域」の二つ、横軸の架け橋は「ひと」「もの」「かね」「わざ」「ちえ」の五つを置いた。

これだけでは何ともいえないですね。ただ「つくる」という言葉にもの作り的な発想もみえるような気がします。まだ引用ばかりで自分の考えがみえてこないのですが、ちょっと今日は疲れてしまったので、また後日思考を進めることにしたいと思います。

投稿者 birdwing : 2007年1月23日 00:00

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