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2004年8月17日

夏の音楽といえば。

街を歩きながら聞こえてきたビーチボーイズ。

10代の頃には、芯がなくて甘ったるい、どうでもいい音楽だなと思っていたのですが、社会人になって、ブライアン・ウィルソン(ベースと曲づくりの担当)の自叙伝を読んで号泣。父親の虐待や、ドラッグ、引きこもり、メンバーとの確執、駄目な自分のことなどが赤裸々に語られていて、えっ?サーフィンやって海ばっかり行ってたひとじゃなかったの?と驚きました(サーフィンできないし、海も嫌いとか)。

ひとは(そして音楽は)表面だけではわかりません。

悲しい経験があるからこそ、明るいメロディが書ける。こころでは泣いているけれど、表現では笑っている。影の部分があるからこそ光の部分が輝いてみえる。マイナー(短調)ではじまって、暗さを吹っ切ってメジャー(長調)に変わる。そんな生き方に共感します。

それ以降、彼とビーチボーイズに関する見方が変わりました。

とはいえ、正直なところアルバムはどうしても全曲聞けません。いい曲と、これは生理的にダメだという曲がある。80年代に出したはじめてのソロアルバムでは、LOVE AND MERCYとMELT AWAYなんてほんとうに名曲だと思う。どうしたらこんな曲が書けるんでしょう。

先々週にふらりとCD屋に立ち寄ったところ、彼の新譜が出ていました。つい購入。エルトン・ジョンが歌のいかにもアメリカな1曲目はどうも力が入りすぎていて困惑してしまうのですが、ポール・マッカートニーと歌っている曲は泣ける。タイトルがA FRIEND LIKE YOUだもの(泣)もはや老人のふたりがデュエットしてる。ボーカルもしおれていて、こんな録音でいいのか、みたいな曲。でも、いい。エレピのイントロで、だーっと泣けました。

シニアの時代といわれますが、これこそシニアの音楽ですな。やっぱり全曲いまだに聞いてませんが。

投稿者 birdwing : 2004年8月17日 00:00

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