2006年7月 8日
きみに読む物語
▽cinema06-041:現実の物語と書かれた物語。
きみに読む物語 スタンダード・エディション [DVD] ニコラス・スパークス ハピネット 2006-10-27 by G-Tools |
「私の頭の中の消しゴム」にも似たテーマで、最近、記憶や脳に関することを主題として作られている映画や小説が多いような気がしました。それは流行のようなものかもしれないし、ぼく自身が興味を持っているから自然と引き寄せてしまうのかもしれません。介護施設で、年老いた男性がある認知症(老人性痴呆症)の女性に本(原題はTHE NOTEBOOK。ノートに書かれた物語)を読み聞かせます。読み聞かせる内容は、裕福な家に生れたアリーと、カーニバルの夜に彼女にひとめぼれしてしまったノアという男性の物語です。
ノアは肉体労働者で、彼女とはまったく育った環境が違う。フラッシュバックしてしまったのは、かつて学生時代にぼくもお嬢様的な女性を好きになってしまったことがあり、デートするためにアルバイトをして、デートが終わると江戸川区の風呂なし四畳半のアパートに帰ってカップ麺をすすっていました。毎年のように海外に旅行していて知的にも洗練されていた彼女と、地方から出てきたばかりで金もなければ自分らしい何かを持っているわけでもなかったぼくは、喧嘩することも多く、ぜったいにうまくいかないなと思っていたのですが(その通り、結局のところ別れてしまったのですが)、もしノアのように長い時間をかけても再会できることを信じて生きていくことができていれば何かが変わっただろうか、そんなことを考えました。こんな風に、もし・・・を思いめぐらせてしまうのも、物語として優れた映画のよさではあります。
なんとなく演出過多という印象もありました。いまぼくが求めている映画は、創られた演出がなく、静かに淡々と進行しながらそれでいて心に染みるような映画です。そんなわけで大袈裟な演出には少しひいてしまうのだけど、そうはいってもやはり感動しました。7月8日鑑賞。
公式サイト
http://kimiyomu.jp/
*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(50/100冊+41/100本)
投稿者 birdwing : 2006年7月 8日 00:00
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