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2006年11月 5日

草の上の月

▽Cinema06-070:実話に基づいた、古めかしいけれども純粋な物語。

B0009RJENI草の上の月 [DVD]
マイケル・スコット・マイヤーズ
ケイエスエス 2005-07-22

by G-Tools

ものすごく古いスタイルのラブストーリーで、ずいぶん昔に作られたんだろうなと思ったのですが、そうでもなかった(1996年)。冒険小説の作家ボブ(ビンセント・ドノフリオ)と、教師のノーベリン(レニー・ゼルウィガー )の恋愛ドラマです。

ボブは作家だけにちょっと変わっていて、人付き合いが悪く、病弱な母のためにマザコン気味でもある。小説の話ばかりしていて嫉妬深くもあり、どこか子供っぽい。しかしながらさすが小説家だけあって、言葉で場を演出する力はある。夜のドライブで、彼が書いた冒険小説の主人公「コナン」の物語を語る彼には(ビンセント・ドノフリオの演技力もあるかと思うのですが)迫力がありました。一方で、ノーベリンは作家をめざしていて彼に興味を抱くのですが、良識があり、向上心もある。ボブは正反対です。そもそも押し付けがましい。自分の創作方法を彼女に押し付けて、さらに彼女が書こうとしている作品を鼻で笑うボブは、嫌なやつだなと思いました。けれども世のなかには、そういうひとって、かなりの割合でいるものです。

このふたりは強く惹かれあうのですがうまくいくはずもなく、喧嘩ばかりをしている。喧嘩ばかりしているのだけど、そのあとにふわーっというストリングスの明るいメロディが流れて和解してしまう。その単純な展開の繰り返しに、正直なところ、なんだかなーという気がしたのですが、あまり盛り上がりもしないもの、こういう伝統的な恋愛もあるだろうな、という世界がつづいていきます。そして最後。こう終わっちゃうのか、と思いましたが、これもまたそうだろうな、という感じです。ぼくはとりあえず最後に泣けましたが、「その日のまえに」ほどではないですね。11月4日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(75/100冊+70/100本)

投稿者 birdwing : 2006年11月 5日 00:00

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