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2007年12月30日

備忘録―music12月。

ブログの更新頻度が落ちております。日記というか週記になりそうな感じですが、とにかく忙しくて。

ただ、忙しさのメリットは2つありますね。ひとつめは、時間がないのでお金を使わなくなること。本屋とかCDショップとか立ち寄っている暇もないので、出て行くものが少なくなります。ふたつめは、痩せること。ダイエットになる。ハードに仕事をすると、昼飯とっている時間もなく行動するので、痩せる。しかしながらコンビ二弁当ばっかりだったり、ストレスのあまりに暴飲暴食に走ることもあるので、結局のところリバウンドするかも(泣)。

という状況ですが、感性の補充をすべくCDや本を購入。

本に関しては、仕事納めの日、会社で隣りの同僚さんがものすごい勢いで机の上をきれいにしていて、ぴっかぴかになっていました。で、一段落したところで「お休みに読みたいんですが、なんかいい本ないですかね」と訊かれたのでした。そこで、うっと詰まった。最近本を読んでいない。

なので、「随分前に読んだんだけど、佐藤可士和 さんの超整理術とかいいんじゃないかな」と言ったところ、鞄から取り出して「いま読んでいるところなんですよ!」とのこと。ああ、それで机の上をきれいにしたのかー。わかりやすい(笑)

しかしながら、本とか音楽を吸収していない自分に気付き、これは何とかしなきゃな、と思ったのでした。忙しいから本を読まない、忙しいから音楽を聴かない、忙しいから勉強をしない、忙しいから子供と遊べない・・・という、言い訳をするのは簡単です。でも、相反する状況を同時に成立させようとするときに創造性が発揮されるもので、忙しいけど本を読む、忙しいけど音楽を聴く、忙しいけど勉強する、忙しいけど子供と遊ぶ・・・というためにはどうしたらいいか。ちょっと考えてみようと思いました。

まずは音楽なのですが、久し振りにCDショップへ。おお、新鮮だ。帰ってきたよう!という感じでした。そんなことショップで叫ばれても困ると思いますが(苦笑)。

今月、購入したのは次の3枚です。

まずは日本のインディーズアーティストでavengers in sci-fi。

avenger strikes backavenger strikes back
avengers in sci-fi 木幡太郎


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これ、結構好みです。ポストロックなんだけど、エレクトロニカの匂いがする。なんと、ギターのエフェクターをめちゃめちゃつなぎまくって、アナログでエフェクトの音を作っている。かっこいいです。YouTubeから映像を。

おお3ピースだ。しかも、ベース弾きながらボーカルだ。こういう甘ったるくて、ちょっと優しくてざらついたボーカルが好きです。コーラスも気持ちいい。ドラムの張りのある音もいい。1st. mini albumのバージョンも。

bounce.comの昨年8月のインタビューを読むと、メロディック・パンクからアンダーワールドなどを経由して辿りついた音のようですね。以下、引用します。

もともとHi-STANDARDなど〈AIR JAM〉周辺のメロディック・パンクにハマり、そこからアンダーワールドなどのダンス&ロックを経て現在のスタイルに辿り着いたという、根っからの現場主義バンド。足元にズラリと並ぶ「公称20個(笑)」(コハタ)というエフェクターが大活躍する、あくまで人力主体のライヴの熱さ&激しさが、CDの中身としっかりシンクロしているのもいい。

アルバムのなかではヴォコーダーなども使われていて、デジタルの無機質さとアナログの激しさが融合した心地よさを感じます。2曲目のアルバムタイトルでもあるavenger stlikes backが、とにかくいいです。以下、myspaceで聴くことができます。ついでにオフィシャルサイトも。

■myspace
http://www.myspace.com/avengersinscifi

■オフィシャルサイト
http://www.shonanfujisawa.com/~avge/

あまりぼくは邦楽のアーティストのフロアに行かないのですが、avengers in sci-fiを手にぶら下げつつ、キリンジの7回連続シングルが置かれている場所で発見したのが、続く2枚目のこれ。

フル・サークルフル・サークル
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ


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うわー。ロジャニコではないですか!!!

ロジャー・二コルス&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズは、社会人バンド時代にバンドの先輩から教えてもらったのですが、ネオアコもしくは渋谷系のひとたちにはバイブル的なアルバムを残したアーティストです。彼等の1stアルバムはソフトロックの名盤中の名盤で、フリッパーズ・ギターなんかも下敷きにしているようです。これなんですけど。

コンプリート・ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズコンプリート・ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ
ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ ロジャー・ニコルズ ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ


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ぼくは1枚目のアルバムのなかでは「Love So Fine」が好きなのですが、どこかの誰かがレコードをかけている映像をYouTubeから(笑)

な、なんとその彼等の40年振りの2ndアルバムとのこと。確かその間にアレンジをし直した非常にイージーリスニング的なアルバムがあった気もしますが、1枚目を出したのは1960年代ですよ。なんという息の長さ(泣)。実は、ロジャー・二コルスはカーペンターズの「雨の日と月曜日は」などの楽曲を作っている偉大なポップスのソングライターさんです。

どきどきしつつ、新しいイマ風の音になっていたら嫌だなあと思って1曲目を試聴したところ、サビの部分で思わず涙が(泣)ああ、ぜんぜん変わっていない、このひとたち(号泣)。もうこれ全部聴かなくていいからくださいっ!!という感じでピックアップ。

キリンジが好きなひとにはきっとはまると思います。やさしい曲の印象が似ている。だから店頭でキリンジのシングルと一緒に置かれていたんですね。マーケティング用語的に言うと、クロスセル(関連性のあるものを購入させる)なのですが、見事にショップの思惑にのってしまいました。ちなみに、好きなアーティストの次のアルバムを買わせるのは、マーケティング用語的ではアップセルでしょうかね。

そして最後はロッキンオンをはじめとして、いまあらゆる雑誌で取り上げられている2007年のベストアルバムであるこれ。

イン・レインボウズイン・レインボウズ
レディオヘッド


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やっぱりすごい。新しい。第一印象では、ちょっとトム・ヨークの繊細すぎるファルセットがどうかな、とも思ったのですが、なんだろう、サイケデリックな感じがして音の粒立ちが美しい。ギターの音もディストーションの効いた音から、アンプに直にプラグを差し込んだような音まであり、ドラムも打ち込みから生まであって、さすがに「虹」とアルバムタイトルに銘打つだけあって多彩です。これは時代を超えて残る名盤なのかもしれないなーと思いました。凄みがある。ロック的な何かを揺さぶられる音があります。神ががり的でもある。

と、久し振りに音楽について語ると止まらなくなっちゃいそうですが、本はこれを買いました。

変人力―人と組織を動かす次世代型リーダーの条件変人力―人と組織を動かす次世代型リーダーの条件
樋口 泰行


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そんなわけで仕事は依然として納まりがたいのですが、時間を作っていろんなことを楽しみたいと思っています。人生は長いようで短い。楽しまなくっちゃ。

投稿者 birdwing : 2007年12月30日 11:01

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2 Comments

ぽろり 2008-01-11T14:02

お久し振りです。キリンジ好きが失礼いたします。いい音楽がいっぱい紹介されていて、嬉しくなりました。年内にできなかったのが残念なのですが、これはコメントしなければっ!!と。
ロジャー・ニコルズ聴きました!!癒されるー。。。フリッパーズが下敷きにしているのですねー。聴いてすぐ、なるほどと思いました。なんだか涙を誘われます。キリンジが好きなひとにはバッチリはまりました!笑
というわけで、「Love So Fine」にはまって、「コンプリート・ロジャー・ニコルズ&ザ・スモール・サークル・オブ・フレンズ」を買っちゃいました。で、今一番はまっているのは「The Drifter」なのですが、私が買ったCDに入っている音源より、ご紹介されているアルバムのバージョンを着うたフルで落としたところ、そちらの方がいいと思いました。素直なリズムと、まっすぐだけど切ないコードから喚起される、純朴な少年のような美しい世界観に心が洗われました。BWさんが涙したという曲も気になりますし、こちらも買ってしまいそうな勢いです。
ご紹介いただいたおかげで素晴らしい音に出会えて、とてもしあわせな気分になりました。これからも素敵なものたちをたくさん教えてくださいね!
長文失礼いたしました。

BirdWing 2008-01-11T21:26

ぽろりさん、コメントありがとうございます。

ブログのレビュー読みました!あの文章はまさにロジャー・二コルズの音楽そのものだと思いました。あったかい春の光のような何かに包まれていて、読んでいて気持ちがよかった。川上弘美さんの「センセイの鞄」の感想にも圧倒されました。偶然にもぼくのフェイバリット続きでやられています。それにしても、せっかくの素敵なレビューに名前を間違えてしまって(苦笑)。ろれったのでしょうか。すみません。

「フリッパーズが下敷きに」というのは実はショップのPOPに書いてあった言葉そのままです。お恥ずかしい。たぶん小西康陽さん(ピチカート・ファイヴ)などにも影響を与えているのではないでしょうか(と、これも書いてあったかも)。そしてキリンジ。ぽろりさんのブログでパワー・プッシュされていたので(笑)、ぼくもキリンジを1枚だけ聴いてみたのですが、楽曲のせつなさとかやさしい感じがロジャニコに近いものがあると感じました。

しかし、このせつなさをコード論で解明しようとした、ぽろりさんはすごい!科学的だ。確かにロジャニコのせつなさは、メロディとコード進行に何か秘密がある。ぼくが単純に思ったのは、サビの転調(ぱぁっと世界が広がる感じ)と随所に入るマイナーコード、コードが変わっても一定の音をキープする進行などですが(なんて言うのかわかりません。苦笑)、その謎を解明してみたいものだなあ、と思いました。

新しいアルバムもいいですよ。おすすめです。2曲目のぽろりさんお気に入りの「The Drifter」前後の曲も最高です。あとぼくは5曲目「I Kept On Loving You」ですかね。タイトルになんだか照れちゃいますけど、これも「純」な感じ。この時代にこんな音を出せるなんて、ほんと奇跡のようなアルバムです。

というぼくもぽろりさんのおすすめする音楽に結構染まっていて、ラーシュ・ヤンソン・トリオはいまでもよく聴きます。またいろいろとよい音楽や本などの情報を交換しましょう。これからもどうぞよろしくね。

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