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2005年12月14日

発明家スピリッツ。

少年の頃には、さまざまな夢があったのですが、そのひとつに「発明家になりたい」というのがありました。何を発明するんだ、と言われても少年ぼくは困ってしまったと思うのですが、とにかく白衣を着てメガネをかけて、フラスコとかビーカーから煙のもくもく出てくる液体をかざしながら、頭はぼさぼさなんだけど世の中があっと驚くような何かを創り出す、そんなひとに憧れていたものです。いわゆる「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクなわけです。内容はともかく、白衣が着たかったのかもしれません。となると、単なるコスプレイヤーかもしれないし、医者でもいいわけですが、とにかく医者嫌いだったので、痛そうなことをしない発明家ということになったのでしょう。目立ちたかっただけかもしれない。子供の発想なんてそんなものです。

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その後、授業が算数から数学に変わったところですっかり挫折した少年ぼくは、消去法によってブンガクへの道を歩んでしまったのですが、技術者や開発者に対する憧れというのはいまでもあります。ASIMOやAIBOなどのロボットの話はやっぱり好きだし、ちょっと古いのですが、島津製作所の田中耕一さんの生き方には感銘するものがありました。しかしながら、研究者として生きるのも大変だと思います。特に企業のなかで研究をしていくには、いろいろと軋轢もある。職務発明に対する対価というのが、問題でもあります。青色ダイオードに関する訴訟なども記憶にあります。

本日も午前中、知的財産に関するセミナーに参加しましたが、今回は特許と商標に関するテーマでした。商標に関してはネーミングやブランディングの観点からかなり現在の仕事に近い部分もあるのですが、特許はあまり関係のない分野です。とはいえ、ビジネスモデル関連の事例で、ソフトウェアによるビジネスモデルを申請するときに、ハードウェア資源をからめないと「発明」とはならない、というお話は面白いものがありました。そもそもマイコン時代にはハードとソフトは一体化していたわけで、その時代の名残というか、いかにもお役所的な感じがします。また、特許権と著作権の比較も、アルゴリズムやサービスモデル自体まで保護する特許権に対して、プログラムだけを保護する著作権という分類がわかりやすかった。特許の申請には手続きには時間もコストもかかりそうなのですが、競合他社への牽制も含めて、大企業が知財に対しての取り組みを強化していくのは当然だろうという印象を受けました。とはいえ、ぼくは法務部ではないので、なんとも実感がないというか中途半端な気がしました。

商標の方のお話では「プラモデル」が商標というのが、へえと思いました。ということは正式にはプラモデル(TM)なんでしょうか。「セロテープ」「味の素」「ジッパー」「チキンラーメン」が商標というのはわかります。あと思い出したのですが確か「デジカメ」は三洋電機さんの商標だったかと思います。三洋電機さん以外が使うときには注意が必要です。

普通名称化すると商標としては登録できないようです。つまり、法務の担当者としては、辞書などに製品名が掲載されるときには注意が必要であるとのこと。これは微妙ですね。みんなに使われるぐらいに浸透した方が、企業としてもうれしいと思うのですが。

日本では認められていないようですが、海外ではキャッチコピーも商標登録できるところもあるとのこと。発明家にはなれないかもしれないけど発明に対する気持ちだけは持ちつつ、ちょっとしたひらめきを大事にしたいものです。

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■特許電子図書館のホームページ。あれこれ商標の検索をしてみると楽しい。
http://www.ipdl.ncipi.go.jp/homepg.ipdl

投稿者 birdwing : 2005年12月14日 00:00

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