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2005年12月20日

成功者になること。

まず自分に対する戒めですが、俺様が、と奢っているとそこで成長が止まってしまうものです。他人を批判したところで、自分が変わっていなければ、少しも偉いことではない。批判や評論することで自己満足するひとたちも多いのですが(またそういうブログが人気があったりもしますが)、そんなものはただの傍観者に過ぎません。偉そうなこと言っているけど、じゃあいったいあなたは何をしたんですか?ということになる。

井のなかの蛙でいること、限られた信奉者にちやほやされることは気持ちがいい。でも、そこに安穏とすると、いつの間にか世のなかに取り残されてしまう。常に意識を外に向けておかなければいけない。内輪で評価されることはもちろんですが、外部のひとに評価される方が大事です。その外部のひと、というのは、仕事の世界であればお客様ということになる。ブログであれば検索などをして訪問いただいた方、趣味の音楽であればリンクを辿って5分なりの時間を費やして(ぼくはFTTH環境に変えたのでもう気にしていなかったのですが、4MBのファイルを落とすのは結構時間がかかる。プロの曲ならともかく、アマチュアの曲にそれだけの時間をかけてダウンロードいただくのは非常にありがたいことです)聴いていただいた方です。

という考え方をベースに、いまの自分から未来の自分に向けて、きちんとベクトルの強さを鍛えておくこと。揺らぎながらも、堅実に、誠実に、けれども大胆に、生きていきたいものです。

なぜこんな風に熱くなっているかというと、ここ数週間、セミナーなどを通して、すごいひとたちの話を聞く機会にたくさん恵まれました。できるひとというのは、やっぱりオーラが違う。他者をぐぐっとひきつける魅力がある。だからといって自分を比較して卑下するつもりはなくて、これまでの自分もよしとしましょう。よしとした上で、すばらしいものをどんどん吸収したい。気持ちは前向きです。というか前しか見ていません。

昨日は「デジタルコンテンツ2006」というセミナーに参加しました。年末の忙しい時期にセミナーに参加してばかりですが、その時間にやっておかなければならない仕事はそのまま残っているので(小人が夜中にこつこつ靴を作ってくれるように、企画書や分析報告書を作ってくれる小人がいるといいのに)、結局、自分の首をしめているような気もします。しかしながら、昨日は出てよかったという満足感がありました。

このセミナーでは、昨日の日記で取り上げさせていただいた、情報考学 Passion For The Futureのブログを書いている橋本大也さんがモデレーターをつとめて、百式の田口元さん、ビデオジャーナリストの神田敏晶さんなどがディスカッションをするというおいしい企画でした。

読売新聞の方からも、新聞とネットの融合というお話がありました。あらためてですが、新聞は読むべきだとぼくは感じました。学生の活字ばなれはどうも厳しい状況にあるようですが、やはり子供の頃の勉強って辛いけど、面白いことだけやっていたらバランスのいい力がつかないじゃないですか。そこでプロのジャーナリストが書いた文章を読むこと、という必要性を感じました。そのためには読ませる(一般のブロガーとはレベルがまったく違う)ジャーナリストも必要ですね。日本ではものすごく弱い部分のような気がしています。ある意味、鎖国状態のように、SNSのような仲間うちだけの日記で満足していることが多い。それがダメだとは言いませんが(というよりもSNS大好きなのですが。もう誰かの日記にコメントするのが楽しくてしょうがない)、一方で力のある文章を書ける次世代のブログジャーナリストが出てきてほしいものです。アルファブロガー2.0って感じでしょうか。日本を背負って経つアルファブロガーのようなひとたちがいてほしい。

橋本大也さんのお話では、映像メディアの視聴の変化について、データベース化されたあとで「いじる」ということが重要になってきた、という視点が面白かったです。確かに、そもそもデジタルではなくても最近家を掃除しているのですが、レイアウトを変更したり本棚の本を並べ替えたり、いじるのは楽しい。iPodに関しても、シャッフルモードでザッピングしたり、自分なりの選曲リストを作るのが面白い。

田口元さんのお話では「Blog Creative」という視点に注目しました。つまりマスメディアではなく、アルファブロガーが企業を代弁して、さらにブロガーを通じて消費者に伝えていく。ぼくは音楽制作を趣味としているので、YAMAHAのプレイヤーズ王国は知っていたのですが、その仕掛け人が田口さんであり、あらためて田口さんの背景にある考え方について知ることができました。かなり辛辣な言葉もありましたが、ブログマーケティングをやるべきではない企業として「すぐ囲い込みたがる」「決定に時間がかかる」「プロセスを理解していない」「リスクばかり重視する」というのは耳が痛い言葉でした。

神田敏晶さんのお話では、横軸に趣味と企業、縦軸にプロとアマチュアというマトリックスを作って、4つの象限それぞれが「アマチュアの趣味」「趣味を極めてプロになる」「アマチュアなんだけどお金を稼ぐ」「プロでお金を稼ぐ」ということになり、それぞれが成立したり移行する、という図式に興味を持ちました。アマチュアで稼ぐ方法は、アフィリエイトというのがわかりやすいのですが、たとえば映像や音楽などの作品をインディーズ的に売る、という方法がもっと出てきてもいいかもしれません。

セミナー終了後にみなさんと名刺交換をさせていただきました。ついでに「次のアルファブロガーは誰か」ということを、田口さんに聞いてみたのですが「それは、ぼくです」とのこと。ブログの学校なども考えられていたそうですが、学校として教えるよりも、カリスマとなるような成功者が表れることがいちばんの動機づけになるそうです。同様に神田さんからも、ビデオブログやPodcastingは普及するのか、そのためにはどうすればいいのかという質問をしてみたのですが「それでがっぽがっぽ儲けているひとが登場すること」という答えをいただきました。それにしてもテンガロンハットがこれほど似合うひとは日本にはいないのでは?

タマゴとニワトリ論的に陥ることにもなりそうですが、成功者になること、事例をつくること、が重要。子供に対する教育でもそうでしょう。子供は父親の背中をみて育つ。よい子供を育てるためには、子供に何かを言う前に、まず父親である自分が人生を誠実に生きる必要があります。

さて、それ以外に今日刺激を受けたことは、あとふたつあります。

ひとつめは、マーケティングディレクターとしてマーケティングに関する企画なども仕事にしているのですが、仕事関係で、すごい企画書をいただいた。まだまだぼくは企画に対する取り組みが甘いな、知識も含めて企画のスキルアップをすべきだな、と思いました。

ふたつめは、藤田麻衣子さんというインディーズで活動されている方からCDが届きました。シンプルなのですが、じーんと心に染みる。よいです。これからもいい曲を作ってほしい。ものすごく刺激になります。

あとは、ボーナスが出たっ!ということもあるのですが、なんとなくやるぞっ!という気持ちになっています。さて何をやるか。。。です。

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■藤田麻衣子さんの「恋に落ちて」が使われているFlashサイト。アマチュアの方の音楽をいろいろと聴いていて偶然にみつけたのですが、深夜にアクセスしてぼろぼろ泣きました。どんな分野であっても、いい仕事は、気持ちを前向きにさせてくれます。そしてCGM(消費者生成メディア)の最終形は、究極としてはメディアだけでなく消費者がプロダクト(製品)を創り出すことになるかもしれません。
※ページを開くと音楽が流れるのでご注意ください。
http://goboy.sakura.ne.jp/page003.html

投稿者 birdwing : 2005年12月20日 00:00

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