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2005年12月29日
新しいものがもたらすもの。
新しいものに出会うと、なんだかわくわくします。新しいひと、新しい技術、新しい小説や音楽や映画、入学など家族が直面する新しいステージ。現状を塗り替えてしまうような新しいものは一方で不安も感じさせる。リスクもあります。でも、そんな不安よりも、新しいものに対する期待感の方が大きいものです。そして、新しいものというのは、意識的に作り出すこともできるような気がします。年齢のせいか(ちょっとかなしいけど)、いままでの古い世界で安穏としがちであり、新しいものを全面的に受け入れるということはできなくなってきました。拒否しがちです。保守的になってきました。けれども、自分のまわりに張りめぐらされたバリアを解いてみること、あるいは自分の方から一歩あゆみ寄ってみることで、新しいものをゲットできるような気もしています。
SONARという音楽制作ソフトのアップグレードを申し込んでいたのですが、昨日やっと家に届きました。FAXで注文して近所のコンビニで代金を支払えば家に届くので、便利な世界になったものです。オンラインでポップアップメニューを表示して「新しいバージョンが出ましたよ」と教えてくれるソフトウェアもあって、こちらも便利です。あまりにも頻繁に表示されるのは逆にうざったいものもありますが。
ダンボールの箱の梱包を開いて、ぷちぷち(エアークッションですね)に包まれたソフトウェアの箱を取り出す。マニュアルとCD-ROMだけが届くのかと思っていたのですが、きちんとパッケージが入っていて、ダウンロード販売よりもパッケージ派のぼくとしては嬉しかった(その処分に困ったりもする)。
SONAR5のパッケージおよびマニュアルは、従来は深い緑と黒を基調としたデザインだったのですが、ブルーグリーン、白、グレイのカラーになっていて、なんとなくさわやかなイメージです。うーん、なんだか新しいぞ、という気持ちがしました。職業柄、こういうデザインに注目してしまう。
ついでにぼくは社会人としての第一歩をテクニカルライターとしてスタートした経緯があります。テクニカルライターというのは何かというと、マニュアルの文章を書く仕事です。コピーライターが感性のライターとすると、テクニカルライターは理性のライターである、なんてことが言われていました。当時は、業務用ワープロの分厚いマニュアルを作っていました。メーカーから開発途中の基板むき出しのマシンと開発者の技術仕様書が届いて、それをもとにランチェック(仕様書通りに動くかどうか、などのチェック)をしながらマニュアルを作っていく。しかしながら、どちらかというと感性の文章の方がいいなあ、と思っていたぼくはテクニカルライターから方向転換するわけですが、企画を組み立てる上のロジックの通し方などで、当時の地味だけど徹底した訓練が役に立っています。
そんなわけで、実はマニュアル大好きなのですが、SONAR5のパッケージにもやっぱり分厚いマニュアルが付属していて、真新しい印刷の匂いといい、なんだか満足でした。ぱらぱらとめくって、章立てがモジュール化されているかどうか、検索は十分か、などなどついついチェックしてしまう。たぶんそんなひとはあまりいないと思うので、マニアックですけど。
機能強化とともに、次第にPCのスペックも高いものが要求されつつあるので、若干不安もあったのですが、現在のノートパソコンにインストール。最近はネットでユーザー登録、アクティベーションというスタイルのものも多くなっていて、こちらも登録完了。
SONAR5、なかなかいいです。仕事があるため、あまり使っていないのですが、ぼくがまずいいなと思ったのは、シンセ・トラックの波形プレビューができること。プレビューをオンにすると、再生にしたがって波形が描かれていく。そして、音量がピークを超えている部分は赤く表示されて、その部分のフラッグのようなものが出てくる。これ、いいです。一方、メーターのデザインが味気なかったり、インラインのピアノロールは逆に見にくいのでは?とか、シンセラックのアイコンが紛らわしい、などちょっと気に入らない部分もあります。
とにかくちょっと新鮮な気持ちになりました。道具を変えてみると、何か新しいものを作ることができそうな錯覚まで生じるのが楽しい。そんなことをやっているうちに、もうすぐ新しい年です。
投稿者 birdwing : 2005年12月29日 00:00
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