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2006年1月 9日

東京物語

▽cinema005:静かな、ざわざわ感。

B000VRRD20東京物語
笠智衆, 東山千栄子, 原節子, 杉村春子, 小津安二郎
Cosmo Contents 2007-08-20

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いい映画でした。心に染みた。泣けました。こういう映画を観ていたいです。ただし、いまだからこそ、余計にぼくの心に染みるという気がします。映画のなかと同じ年齢の年老いた母親が田舎にいて、結婚して息子がいるいまだからこそ、モノクロの向こうに描かれた物語の文脈に身を任せることができる。名画というだけで、ちょっと人生をわかったようなふりをして、20代にみていたらきっとまったくその深みをわからなかったかもしれません。上京した親に対して忙しいを繰り返して残酷までのうわべの思いやりと欲をみせる実の息子や娘と、ほんとうに親身に接する次男の嫁さんという人間の心理の深みの描き方が素晴らしいと思いました。成長した息子に期待するのは「世のなかの親の欲」であり、変わってしまった親子について「他人どうしでも、もっとあったかい」「世のなかって嫌」という言葉が痛かった。この老夫婦のように、年を重ねていきたい。書きたいことがたくさんあるのですが、もう一度、じっくりと観たいものです。1月9日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(7/100冊+5/100本)

投稿者 birdwing : 2006年1月 9日 00:00

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