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2006年3月 3日

引用から離れて。

目がまわりそうな数日間でした。何かに追い立てられるようにして、とにかく目の前の仕事を片付ける。片付けると次がある。といっても、時間的にはそれほど長い時間を拘束されているわけではありません。ただ、とにかく慌しい。忙しすぎるのも問題だな、と思いました。何よりも気持ちが殺伐とします。といっても、以前に比べるとそんなにハードというわけではありません。要するに、2月の中旬あたりにはあまりにも平穏な日々がつづいていたので、身体がなまっていたのかもしれません。平穏な日々が懐かしい。

ところで、「経営の構想力」という本を半分まで読みました。最初のうちはなんとなく惹かれるキーワードもあって面白そうだ、と思っていたのですが、読み進めるうちに、うーん、どうだろう?という気持ちになってきました。何かを言っているようで何も言っていない。そんな印象です。なぜかというと、引用があまりにも多すぎる。以前、「EQマネージャー」という本を読んでいてやはり同じような気持ちになったのですが、引用ばかりの本というのは、著者は何が言いたいのか、みえなくなってしまいます。さらに、この「経営の構想力」には著者の個人的な経験まで引用されている。もちろんその引用が効いていればいいのですが、コーヒーブレーク的な挿話だったりするので、読んでいて拍子抜けする。ちょっと物足りない本でした。

同様にブログもそうかもしれないなあ、と思いました。引用すること、リンクをはることが、ブログの大きな特長でもあると思うのですが、あまりにも引用に頼りすぎると、できの悪い大学生の論文のようになってしまう。

全文引用はできないので、どうしても部分を切り抜くわけですが、まったく違う文脈になってしまうこともあります。それが面白い効果を生んでくれるといいのですが、自分の意見を正当化するための強引な引用になることもある。批判することは簡単でつまらない、ということを先日書いたのですが、引用することも簡単かもしれません。ぼくも書くことに困るとブログなので引用するネタを探す。ブログやインターネットをうろうろしていると、何かしら引っかかってくるネタはあるもので、そうすると一日を埋めることができるわけです。埋めればいいってものなのか、とも思うのですが。

そこで、ぼくは考えました。しばらく他人のブログを読まない。そして引用することをやめてみよう、と。

期間限定。試験的に、です。読んじゃダメといっても、そんなに意思が強い方ではないので、読んでしまうかもしれない。禁煙みたいなものです。禁断症状が出たら1本だけ読んでみる。でも、1本で我慢しておく。そして何も引用しないで、ブログを書いてみる*1。

なんとなく不安です。いや、ものすごく不安かもしれない。いま息子が自転車の補助輪を外して、うまく乗れるように練習しているのですが、そんなぐらぐらとした感じがする。今日はこんなことがありました、というプレーンな日記になってしまいそうです。それもいいか。いや、だめか?

立体的な思考のために、という目標を掲げているので、一日ごとにテーマを設定して、そのテーマについて自分が考えることと深く向いあってみようと思います。そんなわけで、ものすごくつまらない日記が来週いっぱいぐらいまでつづくかもしれません。どこか他の楽しい日記をおすすめします。たぶん来週ぐらいまで、抽象的なものすごくどよーんとした話題がつづく予定。

ぼくがこのブログを再スタートしたとき、谷川俊太郎さんの詩をベースにしていたものの、限りなく自分の内面的な何かを拠り所にして動き出していた気がしました。試行錯誤しているうちに見失ってしまったものもあります。方向がずいぶんそれてきちゃった感じもする。原点に戻ってみようと思います。

パソコンの画面が深い底なしの穴のようにも思えてきた。この試みがぼくをどこに運ぶのか、まったくわかりませんが、いい機会かもしれません。ネットの引きこもりみたいなものかもしれませんが、暗闇から光が見出せることを祈りつつ。

明日から1週間ばかり、いままでと違ったスタイルで書きます。コメントいただいてもレスはないかもしれません。ご了承ください。

あ、そういえば今日は桃の節句です。うちの子は男ばかりで関係ないんです。

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*1:本100冊+映画100本プロジェクトは継続しますので、この期間に読んだ本や映画については引用する部分もあるかもしれません。

投稿者 birdwing : 2006年3月 3日 00:00

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