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2006年3月23日

ななめ読みの春。

長男は終業式でした。通知表はいまひとつですが、まあよかろう。頑張ったんじゃないかな。そして、喘息の次男が退院できました。朝には曇り空だった天気も晴れて、彼の退院を祝ってくれたようです。けれども、ちょっと歩いてはぺたんとしりもちをついたり、また歩いてはぱたんと倒れたり、さすがに1週間の入院は彼の体力を奪っていたようです。とはいえ、しおしおになって寂しさを埋めるために未来探偵コナンを全巻読破しようとしていた長男にも、やっと笑顔が出ました。

というぼくにもやっと余裕が生まれはじめています。フリーペーパー2冊と雑誌1冊をゲットして、ななめ読みできる余裕もできました。ななめ読みして、これはと思ったことをピックアップしてみます。

まずは地下鉄の駅に置かれている「metro min.」。実はぼくはこのフリーペーパーをずっとストックしているのですが、No.41は、春らしいピンク色の表紙に木村カエラさんが黒板に書かれたおだんごを口を開けて食べようとしている写真があって楽しい。特集のなかにも教室でお弁当を食べる木村カエラさんの写真もノスタルジックでよいです。あらためて思ったのですが、このフリーペーパー、レイアウトのセンスがよくなっているような気がしました。前からこうでしたっけ?この冊子が無料と言うのはうれしい。お花見特集ということで、「花見を読むという方法(P.12 )」では、花見に関係する小説などが紹介されていて、川上弘美さんの「神様」と「センセイの鞄」があって、そういえばこの小説のなかで、お花見のシーンは印象的だったな、と思いました。それから藤原新也さんの「月の裏側で歌っています」では、デヴィッド・シルビアンの新譜を紹介しているのですが、思わず聴きたくなりました。デヴィッド・シルビアンの歌について「耳元一センチぐらいのところで聞こえるような気がしたの」という印象を述べる女の子が登場するのですが、この表現はうますぎです。デヴィッド・シルビアンでよく聴くのは(というか実はいまそれしか持っていないのだけど)「EVRYTHING AND NOTHING」という2枚組みの輸入版CDなのですが、まゆげをぐりっと描かれたイヌのジャケットなど、写真をみていても面白い。このCDは気だるさがよいです。でも、新譜を聴きたい。

次に「R25」。こちらはサクラ色のmetro min.と対比するかのように、今回のNo.86は若草色の表紙です。そのなかで注目したのは、「はてな」と「新会社法」の記事でした。「「へんな会社」の作り方」という本が出ているのですが、ぼくがこのブログを書いているはてなはとてもユニークな会社です。そもそも自分の机が決まっていなくて、出社したら好きな場所に座る。これはすごいな、と思ったのですが、海外にはそういうスタイルも多いということをどこかで読みました(どこで読んだのか失念)。「新会社法」については、LLPという形態がなかなか面白いと思いました。経済産業省のページでいろいろと資料を読んだのですが、やはり海外ではさまざまな事例が出てきているようですが、想定例としては、インテルやIBM、AMDなどの半導体メーカーが共同開発する例がなかなか興味深いものがありました。

ここまではフリーペーパーですが、久し振りに購入したのが「ダカーポ」です。これは学生時代によく読んでいたような気がします。No.580は「2006年版 絶対必要な常識の3大特集」で、新社会人などに向けた企画のようです。「新入社員の基礎常識」というのはもはや読んでいても遅すぎる(泣)という感じなのですが、冒頭のところで、宮崎学さんという作家が「相反する常識が併存し、バランスを取るのが成熟社会だ」という提言をされていることに注目しました。金がすべて/金がすべてではない、という複数の常識が成立するのが社会であり、ライブドア事件を例に挙げている。なにが正義か、ということも常識と同様、複数あるわけで、あるものにとっての正義が別のものには悪であることもあるし、その逆もあり得る。権威的なものからみると、その権威に対抗するものはすべてが悪なわけです。抹殺すべき邪悪なウィルスにすぎない。しかしながら確かにウィルスかもしれないが、正義をもって権威に対抗するものもある。

ところで駅や街のなかで、はかま姿や着物姿の学生が目立ちました。卒業式、謝恩会の季節です。子供たちは明日から春休み。寒いことは寒いのですが、久し振りに家族が揃って気持ちがぽかぽかしています。この陽だまりのような時間が、長くつづきますように。開花宣言も過ぎて、サクラもそろそろ咲き始めるのでしょうか。

投稿者 birdwing : 2006年3月23日 00:00

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