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2006年4月26日

デザインも企画書も。

以前にも書いたのですがぼくはフリーペーパー愛好家で、無料配布されている情報誌の収集癖があるのですが、地下鉄の駅で配布している今回のmetoro min.にはなんとなく注目しました。表紙がまっくろです。おまけに薄い。どうしちゃったんだろうと思ったのですが、アサヒの無糖ブラック・コーヒーとのタイアップらしい。よくみると「増刊号」という文字もあります。なかをめくると、「100年BLACK」というキャッチコピーがあって、「100年、愛しつづけた。」「100年、夢をみた。」というサブキャッチもある。なかなか、かっこいい。しかしながら、この黒いのが果たしでどうなんだろう、と思い、会社でロゴのデザインやブランディングに強い優秀なデザイナーさんに訊いてみると、「いいじゃないですか。それにこれ黒だけど、これ3色つかってますよ」とのこと。なるほど、そうですか。

100年というキーワードで、いまから100年前のこと、100年後のことなどが雑誌全体を貫かれた記事になっています。そもそも日本とブラジルには100年の友好関係があったらしい。知らなかった。R25でもタイアップの編集が多いのですが、雑誌全体をひとつのテーマで構成してしまうような大胆なことができるのもフリーペーパーだからこそかもしれません。フリーペーパージャック、という感じでしょうか。いっそのこと交通広告も使って、赤い丸ノ内線を真っ黒にしちゃったら面白いのに。既にやろうとしているのかもしれませんが。

しかしながら、ぼくは最近、フリーペーパーだけでなく雑誌も頑張っているなあ、という気がしています。雑誌や書籍は市場的には厳しい状況に置かれていると思うのですが、フリーペーパーだけでなくよい雑誌もあると思うし、特集記事もなかなか興味深いものがあります。今朝、電車を待つ間に「週間東洋経済」を購入しました。というのも、「企画書超入門」という特集に惹かれたからですが、どこか東洋経済っぽくない感じもしつつ、読んでみるとなかなか楽しかった。

まだ若い頃には、ノウハウ的な本ばかりを読んでいたのですが、最近はノウハウには物足りなさを感じます。方法論ではなく考え方の方が気になってしまう。マニュアル的なものよりも、テツガク的なものを読みたい。けれども、たまに基本的なノウハウを読むのもいいものです。もちろん確認しながら読みとばす感じですが、こんなのわかっているよ、ふん、という感じで読むのではなく、もういちど初心に戻って読む。すると、これが結構、新人に戻ったようなフレッシュな気持ちになれる。謙虚さと情熱を取り戻せるような気がします。

いろんなプロの方が企画書作成のコツを書かれているのですが、全体を通して言えるのは「読み手のことを考えなさい」ということのように思えました。マーケティングも顧客志向になっていて、インターネットもCGMなどということが言われています。クリエイターやプランナーも自分の感性はもちろん、心理学やいろんな分野の学問を総動員して他者を理解する必要があるようです。

山田ズーニーさんもご自身の経験から、「相手の心に届く文章を書こう」という記事を書かれているのですが(はじめて写真を拝見してしまった。なかなか素敵だ)、ずばりと斬られたすがしさがあったのが、ピーチ・ジョン代表の野口美佳さんの指摘でした。ページ数が多いと紙がもったいないなと感じること、見た目だとか無駄な分量ではないこと、使い回されたニオイがいやだということです。男性的なロジック中心の企画書術がつづくなかで、これは新鮮だった。もちろん論理も大事なのだけど、これを言われちゃうと、全部がひっくり返される気がしますね。短い記事ですが、ほかにも、なるほどと思う視点がありました。

結局のところ、デザインも企画書も届けるひとのことを考えて作るのが大事ではないか、と思います。当たり前のことであり、基本の「キ」なんですが、これもまたどういうわけかすぐに忘れてしまうことなんです。

ところで、日曜日にプレイヤーズ王国に投稿&コンテスト応募した作品が、まだ公開されません。コンテストにエントリーされた作品を調べてみると、とっくに公開されている作品もあります。不安です。なんかまずかったんだろうか?明日公開されなかったら、問い合わせてみようかと思いつつ、それにしても待つのは苦手です。慣れたmuzieであれば問題ないんですけどね。

投稿者 birdwing : 2006年4月26日 00:00

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