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2006年4月 7日
「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」黒川伊保子
▼book06‐025:生活知としての音のクオリア。
怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか (新潮新書) 黒川 伊保子 新潮社 2004-07 by G-Tools |
冒頭で著者の黒川さんは自分の息子さんがおっぱい(という言葉はなんだか書いていて照れくさいのですが)にしゃぶりついたときの状況を正確にとらえて、haMという言葉について分析されています。このときのMを「お、なんて美しいMだろう」と書いている。概念的な知から分析するのはなく、みずから母として息子と接したときの経験を踏まえながら言語についての知を述べる姿勢に共感を得ました。学術的な言葉に傾倒せずに、どこかブログ的とさえ感じられるような文章なのですが、それも好感です。Mの音が女性的であり、一方で破裂音が男性的な音感であることが書かれているですが、その最もベーシックなものものが、パパ(papa:破裂音の繰り返し)、ママ(mama)であることにも納得します。そしてママは、食べ物という栄養(マンマ)をあげる存在である、という事実にもあらためて頷ける。
どちらかというと左脳的に言葉の意味ばかりを考えていたのですが、マントラのように音が意識に影響を与えるということに、あらためてすごいと思いました。「a」という母音を語として認識するのは日本人だけである、というようなことも書かれています。つまり欧米人にとっては認識されない語もあるということです。
マーケティングとしてネーミングのような分野に活用できる知でもあるし、何よりも子供の命名にも活用できる。正直なところ息子たちの名前を決めるときには、画数ばかりに注目していて音感などは考えていませんでした。もし女の子にモテなかったら、命名した父の責任です。ごめん。情報に対する感度という意味で、語感に対する知識や認識も重要であると思いました。4月7日読了。
*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(25/100冊+26/100本)
投稿者 birdwing : 2006年4月 7日 00:00
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