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2006年7月13日

自分2.0という進化。

Web2.0という言葉が生まれ、かなり一般的にも浸透してきたようです。関連書籍も多くなりました。また、2.0という言葉を流用して、販促会議の表4広告にはトランスコスモスが「Marketing2.0」などというキャッチコピーもあったりしたのですが、本日、R25を読んでいたところ、タウンページとの連動記事で「自分2.0」という言葉があってちょっと面白かった。

2.0の上に「進化系」というルビがふられていて、なるほどなと思いました。1.0に対してバージョンアップした2.0というのは確かに進化系というと納得するものがある。さらにこの特集では、「2.0的」現象を列記している。冷蔵庫2.0(光パワー野菜室)、博物館2.0(山梨県立博物館)、素材2.0(ダイヤモンド)、病院2.0(外来の混雑度予測システム)、車2.0(クラウンマジェスタ)、日本料理2.0(龍吟)、旅館2.0(ゆ森野お宿いぶすき悠簸離庵)といった感じです。

>R25の定義によると「2.0=人に優しく進化したもの」だそうです。Web2.0の定義よりも、こちらの方がコンセプト的によろしいのではないでしょうか。ぼくは最近、Web2.0という言葉にあまり興味を失いつつあるのだけれど、AjaxだとかSNS、Wikiという技術的な何かよりも、技術を使うひとの意識であったりコミュニケーションの方法の進化こそが2.0なのであり、そちらを考えた方がよいのではないかと思っています。それはぼくが技術系ではないということもあるのだけれど、技術先行型のサービスは、どうしても点で何かを考えがちな気がしていて、技術を知っておくことは大事だけれど技術にとらわれずに、社会の進化を考えた方がよいのではないかと思ったりしているわけです。

ということを考えると、ばかばかしいほど単純だけど「自分2.0」というコピーが気に入っていて、もちろんインターネットによるコミュニケーションもあるのだけれど、ロハス的な思考だとか、スローライフだとか、創造性、全体思考、個のエンパワーメント、格差社会からの脱出、認知科学、脳科学、比喩、デザイン、コーチングなどなど、いままで考えてきたことは、2.0的なものだったからかもしれないと思いました。と書きつつ、じゃあどこまでもバージョンアップするのか、というとやはり直線的な方向性の回避というテーマから、違和感があるような気もします。ぼくが求めているのは上昇志向ではなくなりつつあり、というのは上や下、左や右というのは外部に対する位置づけの話であって、自分の内部においては上も下もないだろう、という気がするからです。

書き散らかしてきたぼくのブログですが、じっくりといままでの断片をまとめる必要を感じています。と、同時にそれをどのように表現するかという問題もある。仕事をしたい、と思います。しかも、よい仕事をしたい。会社に勤めているから仕事はしているじゃないか、ともいえるのだけど、右から左へ何かを動かすようなものは作業であって仕事といえるのかどうか、と思う。文化的雪かきと表現したのは村上春樹さんだったかと思うのだけど、たとえ文章を書いていても(それが収入に換わったとしても)、自虐的に自分を痛めつける作業ではないかどうか、右のものを左に移しているだけではないか、ということを見極めて、いい仕事かどうかということにこだわりたい。

抽象的なことを書いてしまいました。うまく言述できないのですが、また別のテーマを経由しつつ、自分なりのまとめをしてみたいと考えています。

投稿者 birdwing : 2006年7月13日 00:00

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