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2007年3月 5日

グエムル-漢江の怪物-

▼Cinema07-008:怪物もすごいが、人間のドラマもすごい。韓国ってすごい!!

B000JJ5FZWグエムル-漢江の怪物- コレクターズ・エディション
ソン・ガンホ ピョン・ヒョボン パク・ヘイル
ハピネット・ピクチャーズ 2007-01-26

by G-Tools

圧倒されました。びっくりだ。少しくすんだ感じの映像のなかで、CGで描かれた怪物がまるでほんもののように動き回ります。こわー。そもそも韓国映画では、「オールド・ボーイ (HD-DVD)」「親切なクムジャさん プレミアム・エディション」の暴力的かつ耽美的な凄惨な映像、そしてなぜかミスマッチだけれどコミカルな演出に打たれまくったのですが、この映画もその流れを踏襲している気がしました。


漢江に毒薬を流したことにより、サカナが突然変異を起こしてとんでもない怪物になります。漢江のほとりで菓子やラーメンを売っている家族が主人公なのですが、のどかな休日の風景からはじまります。おやー橋のところに何かいるぞ、あれは何かな、あっ水のなかをこっちへやってきた、餌やってみよう、わーい、などという牧歌的な風景から急変して、どっかどっか怪物が堤防を走ってきたかと思うと、ひとを薙ぎ倒し、食らっていく。


逃げ惑うひとたちで一気に川辺はパニックの地獄絵となるのですが、怪物を追いかけて走っていっちゃう主人公に対して、ああ、現実にあんなものが現れたら追いかけちゃうかも、と思いました。ついでに娘の手をつないで逃げていたかと思ったら、人違いだったというとほほな場面もリアル。怪物にさらわれた娘のために、頭の悪い父と親戚一同が奮闘します。怪物との闘いが熱い。


なんというかリアルなんですよ(その一方で、細部はつじつまがあっていないかもしれないのですが、勢いで観てしまう)。トム・クルーズの「宇宙戦争」をみたときにも宇宙人に侵略されるときのリアルさを感じたのですが、怪物があらわれたのに日常的なところに現実感があります。怪物に襲われたひとたちの葬儀が体育館で行われているところとか、アメリカが細菌部隊で介入してくるところとか、それに対してデモが起きるところとか。


そして親戚のつながりもリアルです。年老いた父(妻に逃げられた)、その長男カンドゥ(頭が悪い)と怪物にさらわれる中学生の娘ヒョンソ、大学へ行ってフリーターの叔父、アーチェリー選手の叔母というような構成なのですが、それぞれのキャラクターが立っていて、人間のドラマも深い。


しかしながら、韓国映画は、純愛ものよりもハードなアクションもののほうが絶対的にすごいのではないでしょうか。怪物はもちろんちょっとグロテスクな場面が多くて閉口もしますが、まいりました。降参です。3月5日観賞。


公式サイト
http://www.guemuru.com/


■The Host trailer



*年間映画50本プロジェクト(8/50本)

投稿者 birdwing : 2007年3月 5日 00:00

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