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2007年3月18日

スイミング・プール

▼Cinema07-010:なんとなく盛り上がれないミステリー映画。

B0001X9D5Oスイミング・プール 無修正版
シャーロット・ランプリング リュディヴィーヌ・サニエ フランソワ・オゾン
東北新社 2005-01-21

by G-Tools

テーマ音楽が不安感をそそるいい感じで、フランスの避暑地の殺人事件という場面設定にも惹かれて借りてきました。イギリスの女流ミステリー作家サラは何となくスランプ気味で、出版社の社長からフランスにある彼の別荘で書いてみたらどうか、と薦められます。快適な別荘で、その社長の到着を待っているのだけれど、やってきたのは社長ではなく彼の娘と名乗るジュリーです。


このジュリーが奔放な女性で、毎日違う男を家に連れ込む。静かに創作活動に耽るはずだったサラは、すっかり調子を狂わされて彼女と対立するわけですが、やがて彼女の生い立ちなどに関心を持ちはじめる。そしてふたりをめぐる殺人事件が・・・。


ハレーションを起こしたような明るいリゾート地で進展する暗いストーリーという明暗のコントラストがよくて、わずかながらツイン・ピークス的な地方ゆえの人間関係のもつれと隠蔽された過去などが興味をそそるのですが、ぼくの感想をいえば、いまひとつ盛り上がれない感じがしました。ネタバレになってしまうので結末を述べるのは避けますが、ああそうですか、ぐらいの納得しかなかった。


とはいえ、なんとなく背徳というか後ろめたい文学的なトーンがよい。神経質で、凛としていて、それでいてどこかネジの外れたような中年の女流小説家サラを演じるシャーロット・ランプリングが、成熟した雰囲気を出していてよかったです。天候のはっきりしないイギリス的な空気を醸し出しています。3月12日観賞。


公式サイト(ENTERを押すと、音が出るのでご注意ください。でも、この音楽が好みなんですけど)
http://www.gaga.ne.jp/swimmingpool/


*年間映画50本プロジェクト(10/50本)

投稿者 birdwing : 2007年3月18日 00:00

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