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2007年10月21日
ディパーテッド
▼リメイクとして観なければ・・・。解釈の違いに疑問。
ディパーテッド ウィリアム・モナハン ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-06-08 by G-Tools |
昨年までは年間100本の映画を観るのだ、と鼻息を荒くしていました。結局のところ毎週末にレンタルビデオショップに足繁く通い90本ぐらい観て挫折する、という一年間だったように記憶しています。
今年も下方修正した目標があったのですが、ブログの引越しやら何やらで忘却(苦笑)。とはいえ、放っておくと映画を観たい気持ちがぽつぽつと湧きあがってくるもので(このあたりの表現で、ふつふつと、ではないところに注意。それほどじゃないんですよね。ぽつぽつ。ぽそぽそ、というか)、久し振りに映画を借りにいったのですが、店頭に並ぶ作品はすっかり様変わりしていて困惑。
リハビリもかねて最初からあんまり重いのはいかがなものかと思い、よくわからないのですがレオナルド・ディカプリオとマット・デイモンがジャケットに並んでいる本作品を借りてきました。
ふんふん、マフィアに潜入する警察官の話ね、と思いながら観ていたのですが、途中から、まてよ?これどこかで観たことがある気がする・・・という一抹の不安が。映画を観ない時間が長かったからそんなデジャ・ヴ的な気持ちになるんだろうと思っていたのですが、途中で、これはもしや・・・とインターネットで調べてみたところ、なあんだと納得しました。
「インファナル・アフェア」という香港映画のリメイクなんですね。最初から調べて借りなさい、という感じですけれども。苦笑。
トニー・レオンが好きで観ていたのですが(続編と続々編はいまひとつだった気がする)、うーん、「インファナル・アフェア」をリメイクした「ディパーテッド」、どうでしょうこれは。マーティン・スコセッシ監督であり、レオナルド・ディカプリオは非常に暗い表情でよいし、マット・デイモンも体調悪くて小心ものの警察官を演じていて、申し分ない感じがする。第79回アカデミー賞監督賞・作品賞だそうです。けれども正直なところ、「インファナル・アフェア」を観てしまったぼくには、なんとなく物足りなさを感じました。
やっぱりこれはですね、バター臭いアメリカ映画というよりも、アジア系のごちゃごちゃした雰囲気と、行き場のない「業」のようなものを感じさせる雰囲気のほうが合っているのではないでしょうか。監督や配役が悪いわけでなく、文化という背景の違いだと思う。
あくまでもぼくの感じた印象ですが、内向的で何考えているかわからないが任務としてやることはきちんと遂行する、表情には出ないけれども忍耐強いトニー・レオンのようなアジア系の人間が演じたほうが、映画の深みが出せるような気がしました。こいつは永遠に苦しみにじっと耐えちゃうんだろうな、という切なさが伝わってくる。レオナルド・ディカプリオの場合には、潜入警察の辛さを薬に逃げて、途中でやめちゃいそうな気がした(すみません、勝手な印象です)。
精神科医とのやりとりも、なんとなく違う。いっしょにベッドに入っちゃったらダメでしょう(苦笑)。トニー・レオンが演じているほうでは、ストイックだけれども、ほんわりと愛情の漂うような関係があり、それがよかったのに(と、観ていない方には何のことやらわかりませんね)。潜入警察としての偽りの自分に疲れながらも、その女医の部屋を訪れるとなんとなく安らかに眠れてしまう。ハードボイルドな男が羽を休める場所としてのカウンセリングルームの設定がよかったんですけどね、レオナルド・ディカプリオの場合には、彼女をなじったり薬を貪り飲んだり神経質すぎる。脚本の解釈の違いなのかもしれませんが、これは違う気がするなあ。欧米的ではあるけれども。
そんなわけで、アジアの作品を米国でリメイクするのはどんなものだろうという疑問を感じています。したがって、「イル・マーレ」も手に取りながらどうしようかと迷っています・・・。10月20日鑑賞。
投稿者 birdwing : 2007年10月21日 23:17
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