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2008年3月26日
弥生の散財、JAZZの精神。
柄にもなく先月は出費をセーブして慎ましく生活していました。実はちょこっとお金を貯めたい(なかなか貯まらないのですが貯金してやりたいことがある)。ところが給料もいただいて、久し振りにCDショップに立ち寄ったところ、試聴しまくって散財癖が出ました(泣)。小遣いが・・・ほんとうに文字通り「小」さくしか遣えないものになってしまう。
でも久し振りに音楽を堪能しました。やはり音楽はいいですね。春のセンバツがはじまってサッカーもあって、スポーツの選手たちはたくさんの声援がいちばんのビタミンだったりするのかもしれませんが、音楽のビタミンもまたいいものです。うろうろとショップ内を放浪して、摂取したいビタミン系のアルバムが大量に出現してしまったのですが、悩みに悩んでまずは4枚を購入。
1枚目はJAZZです。ジョン・コルトレーンの「クル・セ・ママ」。インパルス40周年の企画もので生誕75周年の初回プレス完全限定版らしい。
クル・セ・ママ(紙ジャケット仕様) ジョン・コルトレーン ファラオ・サンダース エルヴィン・ジョーンズ ユニバーサル ミュージック クラシック 2001-06-27 by G-Tools |
そもそも、コメントで教えていただいたYouTubeでGiant Stepsを観て、コルトレーンが気になりました。さらに先週ぐらいに読み終えた「ジャズ喫茶 四谷「いーぐる」の100枚」という本で紹介されていて購入。ちなみに試聴していません。
ジャズ喫茶 四谷「いーぐる」の100枚 (集英社新書 421F) (集英社新書 421F) 後藤 雅洋 集英社 2007-12-14 by G-Tools |
しかし、もうちょっと初心者向けのやつを買えばよかったかもしれません。いきなりフリー・ジャズっぽい(苦笑)。あまりJAZZなんて聴いたことがないのに、最初からフリー・ジャズは敷居が高すぎ。そりゃあ、ジャズ喫茶のオーナーがすすめるアルバムだから、若葉マーク向けのおすすめではないでしょう。ちょっとひねくれたアルバムのチョイスだったりするはず。
ところがですね、ダメかなと思ったら、これが非常によかった!
ぼくはコルトレーンに詳しくないのですが、たぶん彼にとっては枠にはまった自分を壊そうとしていた時期のアルバムではないでしょうか。違うのかな。いや、ぼくにはそう聴こえた。音的というよりも、その精神的な何かが非常にリスナーであるぼくにびしばしと響きました。この音がわかるなどと言うこと自体、コルトレーン様に失礼なのだけれど、コルトレーンの縮小100万分の1だとしても、ぼくもいまそういう心境なのかもしれない。創作はもちろん、どこか人生のフレームを壊したい過渡期にあります。だからこの音はわかる。共感できる。
なんというかJAZZもエレクトロニカも同じだ、という乱暴な印象も持ちました。われながらこれはひどい感想ですね(苦笑)。アバウトにもほどがあります。しかしですね、きっちりと機械的に打ち込まれたテクノを始点として、逆回転や音の切り貼り、サビがない複雑な構成、ポリリズムや変拍子などを多用したエレクトロニカへの進化は、どこかジャズがフリージャズに向かった進化(なのか?)の流れに近いものを感じました。クラシックから現代音楽へ、という流れも同じかもしれない。というか、そんなことは偉いひとが音楽論で語っていることでしょうね、ぼくなんかがあえて語らなくても。
ついでに言うと、このアルバムの1曲目は17分もあるのだけれど、その1曲だけを取り出して聴くものではないと痛感しました。アルバム全体に流れがあります。2曲目、ドラムとサックスだけの「ヴィジル」で緊迫して、最後の美しいバラード「ウェルカム」の旋律を聴いたときには、涙が出そうになりました。混沌の水面からすーっと美しい何かが生まれる感じ。
そういえば今日。CDショップへ向かう道すがら、新宿の舗道でとても長身のカップルをみました。
髪の長いきれいな女性は、壁に寄りかかって泣いていた。ちょっとR&B風の(なんだそりゃ。苦笑)彼氏は、彼女の顎に手を触れながら、何か慰めている。慰めているのではないかもしれない。もしかしたら責めているのかもしれない。喧嘩したのでしょうか。それとも嬉しくて泣いているのか。話す言葉は聞き取れないし、立ち止まることもできないのですが、通りすがりのぼくには、なんとなく気になる風景でした。
喧嘩があるからこそ、愛も深まるのではないですかね。どうでしょう(照)。物語は危機と和解という起伏があるからこそ感動も生むのであって、そういう意味では「クル・セ・ママ」の一枚のなかには人生が凝縮されている。混沌があり、対立があり、緊張があり、和解がある。この構成は見事です。
その他の3枚がかすんでしまうのだけれど、あとは全部、日本人のアルバムです。いずれもなかなかよいです。クラブジャズあり、宅録系あり、そしてエレクトロニカあり。ほんとうに雑多ですけれども。
REALism indigo jam unit インディーズ・メーカー 2007-12-05 by G-Tools |
It could be done if it could be imagined folk squat & records 2008-03-19 by G-Tools |
Antwarps aus Preco Records 2008-03-12 by G-Tools |
indigo jam unitは昨年ぐらいから気になっていたのだけれどやっと購入しました。1曲目のぶっといベースラインが魅力的です。YouTubeにPVがありました。なかなか素敵です。
■indigo jam unit - AdrenaLine
最後のausは、きらきら感が好きなエレクトロニカです。そんなアルバムも購入しましたが、どちらかというとJAZZっぽい何か、精神的な高揚とかグルーヴに惹かれます。
さすがに3月はいろいろと慌しくて、読了した本も6冊ぐらい溜まっていて感想も滞っているのですが、のんびりゆっくりまったりと、書きたい気持ちが募ったときに更新していきたいと思います。
東京のサクラもそろそろ、いい感じになってまいりました。
投稿者 birdwing : 2008年3月26日 23:49
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