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2008年8月16日

荘厳な、日常から放たれるような。

ここ数日、シガー・ロス (Sigur Rós)のアルバムをまとめて聴いています。シガー・ロスは北欧アイスランド出身の4人によるバンドです。今日は夕方になって、空を眺めながら歩いていたのですが、iPodで次のアルバムを聴いていたら、荘厳な、というか日常から意識が空に向けて放たれていくような、そんな気持ちになりました。

B00006JYMW( )
Sigur Ros
Fat Cat 2002-10-28

by G-Tools

ちなみに、眺めていたのはこんな空。

080816_sora.JPG

外出するときまでは曇っていたのですが再び天気が回復し、雲の切れ間を照らすように光った夕陽がきれいでした。デジカメを取りに家に戻るまでのあいだに雲のかたちは変わっていて、ぼくが残そうとした空が消えていたのが残念です。東京の夕焼けは淡い色のことが多いのですが、地方でみる夕焼けは空気も澄んでいるため、もっと美しいのではないかと思います。

シガー・ロスのアルバムは、タイトルが付けられないということで「()」になったらしいのだけれど、1曲目、繰り返される旋律の美しさが秀逸です。ピアノの音と混じりあう弦の響きや、独特のファルセットヴォイスも遠い北欧の空気を感じさせるものがあります。探してみたところ、YouTubeにその1曲目の映像がありました。2003年にMTVのヨーロッパ・ミュージック・アワードにて最優秀ビデオ賞を受賞した、というPVでしょうか。


■sigur ros - untitled #1 (vaka)


美しい旋律の向こう側で遊び戯れる純粋無垢な子供たち。反して環境汚染を示唆する棘のある映像がすばらしい。退廃的な風景と、せつない調べの対立にじーんと胸を打たれます。ちなみに、バンド名であるSigur Rósはアイスランド語で「勝利の薔薇」という意味だそうです。美しいものには棘がある。

アイスランド語で「ありがとう」を意味する「Takk…」を聴いたときには、背筋になにか電気が走りました。そのほか、2枚組の「Hvarf/Heim(消えた都) 」しか聴いたことがなかったのだけれど、次のアルバムもよかった。

B00005NYJYアゲイティス・ビリュン
シガー・ロス
カッティング・エッジ 2001-10-03

by G-Tools

そして、最新アルバムは1曲目からとっつきやすい音づくりになった気がします。左右に飛び交うアコギの音が新鮮です。どこか民族音楽風のパーカッション、ラジオから聴こえるようなノイズっぽい音など、さすがに音づくりが凝っています。

B0019LGASU残響
シガー・ロス
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M) 2008-07-02

by G-Tools

うーむ、あまりにも解放的なジャケットです。夏らしい。思わずこんな風に走りたくなっちゃいますね。いや、走りませんが。

10月には来日もするようです。ライブでどんな音を披露するのでしょう。とはいえ、iPodで聴くぼくの眼前にも、北欧のどこか厳かな風景がひろがります。それは現実とは異なるぼくの心象だけの風景かもしれませんが、その風景がひとときぼくを現実から解き放ち、癒してくれています。

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■Wikipedia シガー・ロス

■オフィシャルサイト
http://www.emimusic.jp/intl/sigurros/

■myspace
http://www.myspace.com/sigurros

投稿者 birdwing : 2008年8月16日 23:57

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