あの夏、後悔と夕暮れ。
あっちー。東京もようやく夏真っ盛りという感じになってまいりました。積乱雲系の雲と、高度が感じられる高い青空が素敵です。でも、あんまり見上げすぎると、ちょっとくらくら眩暈がしてしまうのですが。思いっきり体調不調の日々を過ごしていたところ、急激に暑く夏がどーんとやってきた本日、どういうわけか体調も絶好調になってしまいました。ものすごく元気です。なんでしょうか、このアマノジャクな自分は。
この眩暈がしそうな夏の日に、ぼくがどういう格好をしているかというと、長袖のワイシャツにネクタイをびしっと締めて、紺のスーツでございます。傍から見ていても暑っ苦しい。学生の頃のぼくは、まさかおじさんになった自分がこんな格好をしているとは夢にも思いませんでしたが(しかも茶髪で)、これがまたどういうわけか、暑いのを我慢していて着ているとこの格好に慣れてしまうんですよね。
よくイタリア映画とかで、ハレーションを起こすような夏真っ盛りのビーチをスーツで歩いていたりするじゃないですか。もちろん薄い素材の麻のスーツだったりすると思うのですが、なーんであんな暑いところでそんな格好してるんだっ!もっと涼しい格好をすればいいのに、と率直な感想を抱いたものでした。でも、いまならわかる。ポリシーまたはテツガクのもとに、その紳士な格好を強いていると、いつしかその格好もへっちゃらになってしまうんですね。
たとえばそれは、ものすごく寒い冬の日。女性がミニスカートで、上着を着ているけれどもノースリーブの服だったりするのと似ているかもしれません。やせ我慢といえばそうかもしれませんが、自分の美学を守るための必死のスタイルだと思います。そのストイックなまでに美を追求する姿勢が、かっこいいし、美しい。
と、そういう考えもあるのですが、一方でパンツ一丁で海辺でのほほ~んとしていたい、というのもまた心理のひとつです。
そんな夏(どんな夏?)の海辺のバケーションに似合うような曲を、去年の7月に作ったことを思い出しました。そこでブログで再掲載してみることにします。
■あの夏、後悔と夕暮れ。(Summer,regret,and sunset)
4分33秒 6.3MB 192Kbps
曲・プログラミング BirdWingいま借りているレンタルサーバーでは、ブログでポッドキャスティングができるようで、その配信用Flashをここで使えないかな?と試みてみたところ、どうやら使えるようです。やった!某ココログの配信ソフトと比べて洗練されたインターフェースなので、いいですね。某はてなのものも、シンプルで気に入っていましたが。
この曲には歌声が入っていますが、これは歌うソフトウェアVocaloid MEIKOを使用しています。拝郷メイコさんという実在のシンガー(読売新聞のCMソングなどを歌っていたかと思います)の声を解析、データベース化して、ソフトウェア上で歌詞や音程を入力すると、なんとパソコンが歌い出すというすごいソフトで、これが2万円弱でした。一時期はそのソフトを使って曲を作りまくっていました。
なんとなく夏になると開放的になってしまうのですが、そんな暑い夏も終わる頃にはちょっと後悔したり、寂しい気持ちになったりするものです。でも、秋に向かってフェードアウトしていく暑さ、グラデーションのかかった寂しさがよいのですけどね。
今年の夏、みなさんが何か熱い思い出を残せますように。ぼくは、急にハイテンションになった反動の夏バテが心配です(苦笑)。
投稿者: birdwing 日時: 23:09 | パーマリンク | トラックバック (0)
2007年7月 7日
[DTM作品] AME-FURU(maybe blue)
■■AME-FURU (maybe blue)
Vocal:sheep (Lotuslounge)
詞・曲・AG・プログラミング:BirdWing
"あめ ふる そら きらい"
"かさ さす てが おもい"
遠ざかる恋が 色あせてみえる
銀色の街を 歩く 黙る こころの影
"あめ ふる ごご ひとり"
"いま すぐ きて ほしい"
アスファルト道路に 水溜りひとつ
逆さまの世界を 映す しずく こぼれそうで
あなたを 忘れられなくて
明日を 信じ切れなくて だから・・・
"あめ ふる そら きらい"
"なか ない めを つぶる"
maybe blue
AME-FURU
・・・
2007年7月7日。7が3つ並んで、それだけでどことなくしあわせな梅雨の今日、念願のボーカル入り曲「AME-FURU」を公開することができました。
ヴォーカルのコラボレーションをしていただいたのは、LotuslougeのSheepさんです。Lotuslougeは2年ほど前にネットで知ったインディーズのユニットで、浮遊感のあるSheepさんのボーカルと詩の世界、現在は旦那さんでもあるK.Kさんの緻密な音作りがすばらしくて、一枚目のアルバム「Contrast」を購入。以後、思い出したように聴いています。ひそかなファンです。
そもそもの発端は、時間ができたのでLotuslougeとは別の活動をしてみたい、ということをSheepさんが書かれていて、チャーーンス!!と思ったぼくが即効で手を挙げ、(たぶん1週間以内で)AME-FURUのデモを完成させました。つまりこの曲は最初から、Lotuslougeのイメージがあり、Sheepさんに歌っていただくことを前提としていたわけです。
ちなみに、ぼくはネットコラボで曲を作りたいと考えていますが、前提としてすべてネット経由オンリーで進行する、ということを条件としています。バンドやスタジオで録音する余裕はないし、会って曲を練るような時間合わせは不可能です。なので、オケをぽーんと投げてボーカルトラックを返してもらって、メッセージでお互いの認識を共有しながら作り上げていく協働がしたかった。これが実はうまく意図が伝わらなかったりしてなかなか難しいのですが(何度か失敗経験あり)、今回はぼくがそもそもLotuslougeのファンであったこと、そしてSheepさんのスキルのおかげで非常に順調でした。
最初、nomal/unnui/wisper/ohnuki(最後は大貫妙子さん風)という4本のバリエーションで歌のファイルをいただいたのですが(1ファイル30MB程度。ストレージサービスを利用)、その表現力にびっくりしました。Lotusloungeのイメージで楽曲を作ったのですが、イメージにはない声があった。ええっ?これがSheepさんの歌?というような驚きがありました。率直な感想を言わせていただくと、そのときに感じたことは「女性は変わるもんだなあ」と(ごめんなさい)。
いやいや、そうじゃなくてそれはシンガーの表現力なんですが。とにかく、wisperのトラックには、ぞくぞくしましたね。これは凄い!ということで、落ち着いて編集作業ができない感じ。別トラックと重ねてダブルボイスにしても音声にやさしさが付加されていい感じになりますが、囁き系に弱いわたくしのツボにはまり、最終的に囁き系を前面に出しています。
その後、さらに追加で3ファイルをいただき、合計7ファイルをDAWに読み込んで音声の切り貼りをしています。だから、「あめ」の「あ」はnomalトラック、「め」はunnuiトラックのようなことになっている。一発取りのバンド系であれば許しがたい制作方法かもしれませんが、そもそもぼくはエレクトロニカ志向なので(と、言ってみる)。波形を睨みつつ、この編集作業にものすごい時間をかけました。これが楽しい。
Sheepさんは現役の看護婦さんでもあるのですが、まさに天使の歌声ですね。そしていま、赤ちゃん(息子さん)を育てるのに忙しい母親でもあります。働きつつ子育てもしている状態で、限界ぎりぎりまで7本の音声ファイルを作っていただきました。頭が下がります。
ところで、最終的な詰めを金曜日の夜、残業して帰宅後に徹夜で行ったのですが、最後の部分に何か足りないぞ、と。制作中に思いついていたことがあり、それをやるかーということで、恥ずかしながら自分の声でコーラスを入れました。しかしですね、明け方の5時に「Don't cry. Don't baby cry.」と、隣室で眠っている妻と息子を気にしながらマイクの前でぼそぼそ呟いていたのだけれど(しかも何気なく2声でハモっていたりする)、どーんとクライのはオレか?(苦笑)と思いました。ははは。
翌朝7時過ぎに完成したときは、意識はモーローでした。でも、いまじわじわと達成感に浸っています。諦めずにつづけていると、夢って実現できるもんだなあ、と。
Sheepさん、ほんとうにありがとうございました。感謝しています。
歌詞について自分で分析したことがあるのですが、それはまた後日に。なんだかいつもと違うノリでブログを書いているのだけれど、まあそんな日もあります。
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2007年7月 3日
梅雨の終わりに間に合うように。
ティザー広告という言葉が広告用語にあります。これは何かというと、商品やサービスが登場する前に、なんとなく思わせぶりな「おや?」と思うようなCMを公開して興味を惹くことです。たとえばシルエットだけみせて、その実体は明らかにしないとか。あるいはネーミングだけ公開して詳細は○月○日に店頭にて!のように告知するとか。英語のtease(じらす)から名付けられているようです。
うまい例がないかな、と思って探していたら、さすがWikipedia。「ティザー広告」の解説に、1966年から2007年までの主なティザー広告が列記されていました。そういえばWiiも最初は何だろう?という感じの告知でしたね。本体を出さずにリモコンからみせるところがにくい。YouTubeからCMを。
■Nintendo Wii CM - October 14,2006
さて、いきなり話は変わりますが、趣味のDTMですが、以前作った「AME−FURU」という曲にボーカルを追加しています。
これが自分の才能のなさに凹む凹む(泣)。素人なのでよくわからないのですが、ボーカル入りの曲って、インストとは別の発想で作らなきゃだめなのかもしれないですね(そんなの基本かー)。さらに日記を書くように曲を作るというコンセプトで、時間を優先して1週間に1本のペースで小品を発表していたので、作り方が非常に雑です。あまりにもいい加減な楽曲の組み立て方に、あらためて落ち込みました。リズムのWAVEファイルの波形をみながら微妙に位置を合わせたりして、修正しています。ちゃんとやろう、ちゃんと!という感じでしょうか。ただ、ちゃんとやったからといってよい曲にならないところが辛いんですよね。こればかりは才能かもしれない。
時間をかけて(ぽんこつマシンが動かなくなって困惑しながら)こつこつと組み立てているところですが、イントロの前にちょっとした声のコラージュを作ろうと思いました。そこで、ボーカルトラックの音を刻んでサンプラーに読み込ませて、20秒ほどの小品を作ってみました。fieldという無料のソフト(VSTi)も使って、雨のノイズを背景に流しています。
ティザー風に公開してみましょう。実は、ボーカルはとある方にご協力いただいています。
■ame-fu.mp3 (24秒 192Kbps 580KB)
VOCAL:??? 曲・プログラミング:BirdWing
こんな風に声を切り貼りされて、ボーカルやっていただいた方には怒られるかもしれません・・・すみません。このコラージュを完成版で使うかどうかは今のところ未定です。
梅雨の終わりに間に合うように、曲を完成させたいと思っています。それにしてもプロのような完成度の高い曲ができないものだ。というか、簡単にできてしまったら、プロだって困る。趣味だけれども妥協を許さずに作り込みたいのですが、なにせVAIOノートだけで制作しているので、限界があります。よい機材がほしいものだなあ(と、呟いてみる)。
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2007年6月24日
通りは光で溢れているか。
明日も晴れでしょうか・・・・・・と日記に書いたら思いっきり雨降りになってしまいました(苦笑)。東京の日曜日は雨模様。ようやく梅雨らしい天候ともいえます。晴天と雨天がめまぐるしく変わって、暑かったり寒かったりする。うっかりすると体調崩しそうなので、みなさん気をつけましょう。
それにしても、望んだようにはならないものです。晴天を望んでいるときには雨が降り、雨を待ちわびていると乾いた天気になる。人生も似たようなものかもしれません。
しかしながら、天気を人生に結びつけるのはどうでしょうか(と、自分に突っ込んでみる)。天気は天気であって、地上のぼくらの人生とは関係ありません。脳内の機能がそうなっているせいか、人間はあらゆるものを結び付けたがります。一匹の蝶が羽ばたいたから台風が起きた、というようなことも言ったりする。けれども、あまりにもいい訳が過ぎるのもどうかと思う。ほどほどにしておいたほうがよい気もします。
さて。あまのじゃくなぼくは、晴天の日には雨の歌を公開したのですが、雨降りの日に光に溢れた風景の曲を公開してみます。タイトルは、「Street ray(通りの光線)」としました。縮めると「Stray(彷徨う)」になります。眩しくて目がくらんで、通りを彷徨う感じでしょうか。
そういえばアズテック・カメラにそんなアルバムがありましたっけ。
ストレイ アズテック・カメラ ワーナーミュージック・ジャパン 2007-04-25 by G-Tools |
まさに先週の出来事なのですが、眼科に行ったときに瞳孔を開く目薬を差していただいた。そのとき、ぼんやりと視界が滲むとともに、外に出た途端に光が眩しくて仕方なかった。その体験がきっかけになっています。そんなものをきっかけに曲を作るのもどうかと思いますが、趣味のDTMでは完成度よりも日常のきっかけから即行で音にする試みをしているので、公開してみます。
■070624_street_ray(2分50秒 192Kbps 3.9MB)
AG+曲・プログラミング:BirdWing
表現したいのはストレートなロックでした。10代の頃(遠すぎる目)の気持ちでしょうか。不器用なんだけれど、なんでもできそうな気がして夢と現実の境界が曖昧で、それこそハレーションを起こしている。世界が自分の手のなかにある感じ。ヘタだとか上手いとか、技術があるとかないとか、知識が豊富だとかバランスが取れているとか、そんな常識をぶっとばすイメージでしょうか。とにかくお金も地位も名声もないけど(ついでに彼女もいないけど)、気持ちだけはあるぞ、どうだ、という(笑)
うーむ。常識にがんじがらめにされている現在の自分とは遠い世界ですね。だからこそきっとそんな曲を作りたかったんでしょう。音的にまず確保したかったのは、高めのカンっというようなスネアドラムの音でした。リズムのリバーブだけは時間をかけて調整しました。あとはざらざら感を残しつつ、きらきらしたギターの音でしょうか。ギターの録音はものすごくおそまつな状態で行っているので、いろいろと改善したいところです。
眼科から外に出て、薬で瞳孔開いちゃっているぼくには、世界がものすごく眩しく見えました。その過剰な光はひょっとすると目を潰してしまう危険もあるのだけれど、そんな光に限りなく近づいてみたい好奇心があります(闇のほうではなくて)。そして、そこから得たインスピレーションで自分を変えて行きたい。音楽に取り組む姿勢、スタイルのようなものも変えられるといいですね。ポップなんだけど過激、抱えてるのはエレキではなくてアコギ+ラップトップコンピュータ。で、服装はとげとげの服ではなくてネクタイにスーツ。それでも気持ちはどこかパンクみたいな。
そんなスタイルを模索中です。とはいえやっぱり、おじさんなんですが(涙)。ほんとうに外見はどうにもならないので、せめて気持ちだけでも。
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Aztec Cameraの「Stray」をむしょうに聴きたくなったのですが、YouTubeのほうでみつからないので、アルバムの5曲目「Good morning Britain」を。元クラッシュのミック・ジョーンズとのコラボです。
■Good morning Britain
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2007年5月20日
フォーゲット&リメンバー。
五月晴れってこういう空を言うんだろうなあ、という東京の今日の空でした。完璧な青空だ。いい感じの雲が流れていて、写真を撮ろうとしたのですが刻々とカタチを変えてしまって間に合いませんでした。それでも何となく撮ってみた今日の空の写真です。
週明けの慌しさに備えて、今日はゆっくり本を読んだり曲を作ったりして過ごしました。昨日のブログを見直してみたところ、飛べない鳥の記述にカンガルーが入っていた(笑)。あわてて修正しました。カンガルーは跳ぶけど、鳥じゃないだろう。疲れていると、とんでもない間違いがあって自分に苦笑です。
さて、昨日夜更かししながら浮かんだ音があったのですが、今日の青空を見ていたら音の輪郭がはっきりしはじめて、久し振りに趣味のDTMモードに突入しました。3時間ぐらいの制作時間でしょうか。細部は詰めていません。きちんとした曲に仕上げたい気もするのですが、いまひとつインスピレーションが足りない感じ。ただ以前にも書いた通り、ぼくは日記を書くように音を創りたいと考えています。そんなわけで公開してみます。
■070520_forget_remember(1分26秒 192Kbps 1.98MB)
AG+曲・プログラミング:BirdWing
5月20日の気分はこんな音、という感じでしょうかね。アコギ(アコースティック・ギター)も弾いてみました。晴れた日にアコギを弾くと気持ちいいなあ(しみじみ)。とはいえ、短いフレーズを弾いてコピー&ペーストしています。そんなずるい作り方もできてしまうのがデジタル制作のよさです。ぼくの持っているTakamineのアコギにはピックアップがふたつ付いているのですが、これはブリッジ近くに埋め込まれたピックアップの方の音を強めにしています。そんなわけで硬めの音です。
タイトルは仮に「Forget/Remember」としてみました。忘却と記憶。忘れることと憶えていること。いずれも自然の流れに従ったほうがよいのかもしれません。忘れなければならないことを憶えているとか、憶えていなければならないことを忘れてしまうとか、そういうときにひとは哀しくなるものです。
ぼくが思うのは、後になって振りかえってみると、たとえば感情のピークレベルを超えるような悲しみ、喜び、怒り、憎しみよりも、今日の五月晴れのようななんでもない日のことを思い出すのではないか。それはまったく意味がないありふれたふつうの日常なのだけれど、そんな刹那の時間をいつか思い出せることができればいいな、と思ったりしています。
そもそも生活のすべてに意味がなきゃいけないのか、とも思います。意味がなくて、まったりとぼーっと過ごす休日もまた価値がある。
明るいうちから飲むビールは、ほんとに美味いですね。夕方の6時、そろそろ夏時間になるせいか外はまだ明るい。素敵な青空が広がっています。日曜日の夕方、自宅でビールちびちびと飲みながら、妙にしあわせだったりしています。
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