サクラのスイッチを入れる。
ずいぶんと春らしくなりましたが、まだ肌寒い毎日がつづいています。晴れたかと思うと曇ったり、雨が降ったりの繰り返し。コートが手放せません。うちの近くでは、来週あたりがサクラのピークだとか。入学式には満開のサクラをみることができるといいですね。
短命なサクラは、咲いたかと思うとあっという間に散ってしまう。あわただしい毎日を送っていると見逃してしまうことも多いのだけれど、天気がよければ近所のサクラを眺めながら春を楽しみたい。通勤時に電車の窓から眺めるサクラも、なかなかよいものです。
そういえば、サクラ前線という言葉もありました。この時期にはよく耳にする言葉です。Wikipediaで調べてみると(詳細はこちら)、60年代からマスコミで使われはじめた言葉らしい。もっと古くから言われていたのかと思ったのだけれど、意外に新しい。
桜前線(さくらぜんせん)とは、日本各地の桜(主にソメイヨシノ)の開花予想日を結んだ線のこと。「桜前線」という言葉はマスコミによる造語で、1967年(昭和42年)頃から用いられている。
南のほうから北上してくるものだと思っていたところ、最近ではランダムに開花するようで、前線も複雑に動くようです。暖冬であることによる「休眠打破」という現象が原因のようですが、環境問題にも関係があるのでしょうか。以下のウエザーニュースのページでは、サクラの開花情報が伝えられています。
■weathernews
http://weathernews.jp/sakura/
確かに全国を俯瞰すると、九州方面は満開の赤い色が濃くなっています。けれども、その他の地域ではいまのところまだ赤い点は少ない。このウエザーニュースのページではサクラシミュレーターもあって面白い。ちなみに本日の3月28日はこんな感じ。
来週の土曜日、4月4日になると、満開の地域が本州の中央あたりに移動して、九州では圧倒的に葉桜であることを示す緑が多くなります。ちょっと寂しい。
左端の再生ボタンを押すと、ピンク色が次第に北上していく様子が動画でシミュレーションされ、時間と空間を俯瞰して楽しめます。こんな風に地上を眺めるのは、神様の視点でしかあり得ないのですが。
卒業と入学、ドラマティックな別れと出会いが交錯するこの時期、KDDIでサクラスイッチというブログパーツを配信していることを知りました。そのキャンペーンサイトにアクセスしてみたのですが、これも面白かった。
■サクラスイッチ
http://www.kddi.com/sakura2009/main.html
「サクラが咲くころ、心のスイッチを切り替えよう。」というイントロダクションのあと、4つのメニューが表示されます。「卒業」「新生活」は、Flashムービー。静止画のスライドショーかと思っていたのですが、動画も取り入れられていて、こういう贅沢なコンテンツもふつうに観ることができるようになったのだなあ、と感動しました。「新生活」のほうの自転車に乗っている視点からの映像は、ちょっと目がくらくらしましたけれども。
ナレーションといっしょにバックグラウンドに聞こえる公園や学校の自然なノイズがいい。ナマロクしたくなりました(笑)。春の音を、街に出て。プロモーションのためのきれいすぎるドラマなので、けっ・・・と思う気持ちもなきにしもあらずですが、こういうピュアなものもいいなあ。汚れちまったからなあ、ぼくのこころは。
一方で「サクラコトバ」は、このサイトの訪問者が短いメッセージを投稿して、それが蝶や花のかたちとなって表示されます。
一覧でみることもできるのですが、ふつーのひとが書いた、ちょっと照れくさいようなふつーのメッセージになぜか泣けた(涙)。要するに色紙に書かれた寄せ書きのようなものですが、一覧表示にすると縦書きでみることができるのも贅沢です。日本語はやはり縦書きですね。
前向きなコトバばかりではありません。うまくいかない現実をぼそっと愚痴っていたり、テストで書き込んだと思われる適当な文字列もある。けれども、そういうところがいい。ブログもそうだと思うけれど、ホンネがそのまま書き込まれているのがいい。ただ、キャンペーンサイトだけに表示させてはいけないコトバを書くようなひともいるかもしれないわけで、きっとそのメンテナンスが大変そうです。というようなことを指摘してしまうと、夢も醒めてしまいますが。
そしてブログパーツとして、サクラスイッチ。
音が出るので気をつけてほしいのですが、スイッチを押してみてください。なかなか素敵なことになります。もとに戻す場合は、右上のスイッチを押せば止まります。サクラが散ってしまうように、期間限定のコンテンツだと思うのだけれど、なかなか叙情的です。
「サクラが咲くころ、心のスイッチを切り替えよう。」か。そろそろ切り替えなきゃな、ぼくも。心のスイッチがどこにあるのかわかりませんが、スイッチの在り処を探りながら。
新生活をはじめるひとたちが、新たな一歩を踏み出せること、その一歩が大きな一歩になりますように。やや近い場所から、そんなことを願っています。
投稿者: birdwing 日時: 08:37 | パーマリンク | トラックバック (0)