子役や声優のお仕事をされている春名風花さんは、ツイッター界隈では、はるかぜちゃんとして知られています。彼女はまだ12歳。小学校6年生にもかかわらず、ツイッター上の発言には既に大人たちを越えた余裕があります。利発さを発揮した彼女のツイッターを読んでいると、これからの成長が楽しみです。
はるかぜちゃんのツイッターはこちら。
https://twitter.com/harukazechan
プロフィール。
http://www.smile-monkey.com/profile/haruna_fuuka.html
はるかぜちゃんは本を出されています。ご紹介です。
「ついったの妖精」と自己紹介の欄に書き込み、ツイッター大好きなはるかぜちゃんですが、「ひみつの嵐ちゃん」に出演したとき嵐に物怖じせずに発言したため、ジャニーズの嵐のファンを敵にまわしたことがありました。「むかつくわぁ」や「クソガキ」などの暴言を直接ぶつけられただけでなく、殺人予告のようなものまで言い出すツイッタラーが登場した。簡単に言ってしまえば炎上したわけです。
ところが、最近、彼女のツイッターは 炎上しなくなった と感じているのは、ぼくだけでしょうか。もちろん周囲の大人たち(なのかよくわかりません。大人であれば12歳の子供にあんなに絡むのは大人気ない)が変わってきたのかもしれません。また、精神的あるいは情報リテラシーの上では既に大人たちの上をいくはるかぜちゃんが、自分の発言を慎んでいるのかもしれません。しかし、ぼくはもうひとつ大きな要因があると考えています。
彼女のアイコンがご本人の写真から、彼女の描いたイラストに代わった。つまり 「アイコンが変わったからだ」 と、ぼくは分析します。さすがアタマいいなあ、はるかぜちゃんは、と感心しました。
どういうことか分析を解説していきましょう。
■「アイコン5タイプ」の法則
まず下記の5枚を眺めていただけますでしょうか。
左から以下のような内容を並べています。
01:実像-笑顔のアイコン(以前ツイッターで利用。現在は不使用)
02:実像-証明写真のアイコン
03:イラスト-ネコのアイコン
04:イラスト-眠っているネコのアイコン
05:抽象的な空のアイコン
イラストのアイコンは、ぼくが無料のペイントソフトを使ってマウスで描きました。ネコのアイコンをねずみ(マウス)で書くのは面白いなあと考えながら作りましたが、おじさんギャグみたいですね。目を開いているバーションだけでは寂しいので、目を開いているイラストを修正して、目を閉じてみた。このふたつのアイコンは現在、ぼくのツイッターで利用中です。抽象的な空のアイコンは今回試験的に作ってみました。
見ている側から、5種類のアイコンのうち好感触なものはどれでしょうか。
リサーチやグループインタビューを行っていないので裏づけはありませんが、直感的に「実像-笑顔のアイコン」の好感度が高いと感じます。一方で、主体が不快な感情を抱くのも「実像-笑顔のアイコン」かもしれない。おれがこんなに不愉快なのに何おまえは笑っているんだ、みたいに。
「02:実像-証明写真のアイコン」では、堅苦しい雰囲気だから話しかけにくいかも。実際の人間は話しやすいフランクな人間かもしれないのですが、この写真ではフォーマルすぎて話しかけられない。
さらに「05:抽象的な空のアイコン」は花にしてもいいのですが、自然のアイコンに暴言はできない。というのは、空や花に暴言を放ったことがないし(ありますか?)空や花の感情は読めないからです。
発言者側から自分が楽になるアイコンはどれでしょう。これもまた直感的な分析ですが「03:イラスト-ネコのアイコン」「04:イラスト-眠っているネコのアイコン」そして「05:抽象的な空のアイコン」と考えます。
自分の写真を表示して何かを語るのは責任が重く負荷がかかります。一方で、イラストであれば責任が軽減する。自由に語れます。「05:抽象的な空のアイコン」であれば、もっと言いやすくなる。
そしてもうひとつ、重要なポイントがあります。それは「視線」です。
■あなたはそんなに見られてない。
「05:抽象的な空のアイコン」は生物ではなく「視線」がないので別としますが、「01:実像-笑顔のアイコン」~「04:イラスト-眠っているネコのアイコン」には「視線」があります。視線があるときには「相手はこちらを見ていてくれている」と、見ている側では錯覚が起きるのではないでしょうか。
アイコンの視線がこちらを向いていると、根拠がないのに「見ていてくれている」と錯覚する。見守っているレベルではいいのですが、「話を聞いてくれている」という誤解は問題かもしれません。というのは(当たり前ですが)アイコンは偶像であり、実際の人物とは違う。リアルの本人はアイコンがあなたの方を向いているときに、眠ったり食事をしていることがある。あなたを見ているわけじゃないんです。それはただの写真です。
目を閉じた状態になると、見られている側の負荷が減ります。これも直感的分析ですが「03:イラスト-ネコのアイコン」と「04:イラスト-眠っているネコのアイコン」を比べてどちらがほっとするかといえば、「04:イラスト-眠っているネコのアイコン」。
フェイスブックが登場したときに、ザッカーバーグって単純だなあとおもったのが、そもそもあれが同窓会名簿だったことでした。『ソーシャルネットワーク』という映画も観ましたが(彼の人生そのものだとはいえず虚構だとおもいますが)、まずは同窓会名簿だった。同窓会名簿のプロフィールに空や花の写真を載せる学生はいないわけで、必然的に「こちらに視線を向けた」実像の写真になる。笑っているかもしれないし、証明写真かもしれないのですが。
ただ、ぼくがフェイスブックの問題だとおもうのは「友達」の写真を右側に並べて表示し、それがランダムに入れ替わるようにしたことです。その規則性については公開されていないし、ぼくらの印象に任せている。想像の範囲で予測すると、こちらを向いた視線の写真が表示されているとき、あっ××さんが観にきてくれた、と錯覚します。規則性が公開されない限り、実際にそうであるかどうかは不明なわけで、視線がこちらを向いているからといってあなたを見ているとは限りません。
ということで遠回りして最初に戻るのですが、はるかぜちゃんの周囲の炎上が収束したのは、はるかぜちゃんのアイコンが「実像-視線がこちらを向いている」から「イラスト-視線が横を向いている(というかない?)」ものになったからだと分析しています。
以下がはるかぜちゃんの現在のアイコンです。
なにものなのかよくわかりません。ネコと、はるかぜちゃんのツイートに表示される(ω)を合体させたキャラクターでしょうか。ただ、工夫しているのは下書きの白紙アイコンをひとつ作って、ハンバーガーやフライドチキンのように、さまざまに落書きをして増やしているところです。そうして時々アイコンを切り替えている。遊び心がありますね。
「実像-視線がこちらを向いている」アイコンは、語りかければ答えてくれそうだ、という誤解を抱かせます。そうしてメンションを送るのだけれど、相手が答えないので苛立つ。やがて自分のなかではるかぜちゃんに対する憎しみを煮えたぎらせて、酷い言葉をぶつける。ぼくはこうしたアイコンの虚偽にとらわれて、勝手に自分のなかで怨念を煮えたぎらせてしまうひとを「構ってちゃん」と呼ぶようにしました。
子供であればとにかく、大人がそんなこともわからない構ってちゃんでは、ほんとうに困るでしょう。日本のソーシャルネットワーク社会の未熟さを露呈しているといえるかもしれません。
■象徴的なネコとしての坂本美雨さん。
がらりと話題を変えて、ネコが出てきたので、ネコ好きのアーティスト坂本美雨さんの曲から、坂本美雨 Miu Sakamoto 「I'm yours」(Miu x KREVA) Music Video [公式]。
ヴァーチャルなネコが出てくるPV。ベッドの上でもそもそと身体を動かす坂本美雨さんは、象徴的にネコだとおもいます。
■ソーシャルメディアウィーク開催。
ツイッターやフェイスブックを取り上げましたが、明日2月18日~2月22日までソーシャルメディアウィークが開催されます。
http://socialmediaweek.org/tokyo/
これからもフェイスブックやツイッターの動向や気付いたことに関して、ぼくはこのブログでこれからも考察および紹介していくつもりです。ソーシャルネットワークを企業で活用したりマーケティングコミュニケーションのひとつとして考える方法はもちろん 「個人がメディアになる時代」 のこれからを追求したい。
はるかぜちゃんのフォロワー数は現在16万7,008人。びっくりしましたが、彼女は既に12歳で自分のフォロワーたちのどんな情報を拾い、自分を介してどのように発信しているかわかっているように感じられます。メディアリテラシーをわきまえている。
プロブロガーとして明日登壇するイケダハヤト氏のツイッターフォロワー数は2万8,586人。若者の支持を集めているようで、どのような発言をされるのか注目しています。
投稿者: birdwing 日時: 14:55 | パーマリンク
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