09.public visionカテゴリーに投稿されたすべての記事です。

2005年2月 3日

a000739

行列のできる法律相談所(技術系)

連日の残業と休日出勤に疲れ果てて、朦朧としたアタマでピックアップした昨日のジャストシステムと松下の争いですが、かなり波紋をよんでいるようです。

■「一太郎ショック」で鳴り響くソフトウェア産業への警鐘

世間的には"寝耳に水"といった感が強かったが、ソフトウェアの特許権侵害問題を受けて2月2日には各方面で「一太郎ショック」が走った。

株価も下がって、ストップ安の前日比100円安500円となったとのこと。しかし、2月10日発売予定の「一太郎2005」「花子2005」は予定通り発売されるそうです。

記事によると、ジャストシステムと松下はConceptBaseなどでパートナーシップを結んでいるほか、一太郎の関連製品も発売している。なぜだろう?と思うのですが、次のページを読んでなるほどと思いました。

「たしかに直接収益的なメリットはないかもしれない。しかし、我々は『知財立社』を目指しており、今回の件もその戦略の一環だ」

知財に対する意識が高まり、ビジネスチャンスになるだろう、ということは昨年さまざまな場面で聞いてきたような気がします。松下は全面的にそれを戦略に掲げている。

知財立社については、2005年1月11日に松下の社長である中村邦夫氏が発表した「2005年度経営方針」で説明されている。成長戦略を加速させるために「他社と明確に差別化された強い製品のみが顧客から支持される時代。いくつものブラックボックス技術をもつ技術立社と知財立社を実現していく」と言う。

なるほど。経営戦略の一環として、ジャストシステムに対する訴訟があるわけですね。バルーンヘルプが絵かアイコンか、というレベルで記事を読んでいたときには、あまりぴんとこないというか、言い方は失礼かもしれませんが、重箱の隅をつつくような話というか、そんなネガティブな印象もあったのですが、企業戦略の一環としてある、ということを知って、イメージが変わりました。

松下としては成長戦略を加速させて競争力を向上させる源泉が「技術と知的財産」と考えており、これをないがしろにされては今後の成長は見込めないというわけだ。

CNETの記事の最後にも補足されていますが、オープンソースとは逆の動きかもしれません。一方で、ナレッジを開放する動きがあるとともに、一方では知財を守ろうとする動きもある。これは大丈夫だと思っていると特許をシンガイして、シンガイにも訴えられたりする可能性があります

技術系の「行列ができる法律相談所」みたいなものが必要になるのでは? もう既に有名な方がいるのかもしれませんが、この世界でタレント弁護士が現れたりして。

現在、MOT関連の本なども読んでいる途中なのですが、経営者は技術と法律を横断して考える必要もありそうです。今後の人材育成も必要になる。大学などの教育機関では、理系・文系と分けるのではなくて、ますます学問を横断する実学的な分野が必要になってくる。

単なる訴訟といってしまうとそれまでなのですが、そんなことを考えました。

++++++

さて、仕事が一段落して疲れもたまってきましたので、リフレッシュするために、ブログとお仕事を、金曜日、月曜日とお休みいたします。ちょっとアタマを切り替えて、来週また頑張ります。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年2月 2日

a000738

バルーンヘルプ

やっと一段落しそうなお仕事ですが、ちょっと限界です。ヘルプ!な気分でいたところ、ヘルプについての記事をみつけました。

■「一太郎」「花子」の販売禁止、東京地裁が松下の主張認める判決

ジャストシステムのワープロ・ソフト「一太郎」と画像処理ソフト「花子」が特許権を侵害しているとして、松下電器産業がジャストシステムを相手取って起こしていた裁判で、東京地方裁判所は2005年2月1日、松下電器産業の主張を認め、両ソフトの製造と販売の禁止、および製品在庫の廃棄を命ずる判決を言い渡した。ジャストシステムは判決後の記者会見で、「判決は大変不服で、直ちに控訴する」との意向を示した。

非常に細部のような気がするのですが、マウスカーソルと「?」を一緒に表示するかどうか、というのが問題となっているようです。

両ソフトではこのバルーン・ヘルプのウインドウを表示する際に、「?」マークとマウス・カーソルを併せて表示する設計となっている。この「?」マークとマウス・カーソルを表示するという方法について、松下電器産業は自社の特許(特許番号2803236)をジャストシステムが侵害していると指摘した。

確かにマウスカーソルとともに?が表示される機能があったような気がします。これも特許だったんですか。

ジャストシステムは「?」マークとマウス・カーソルの組み合わせを「絵だけの問題」(同社 取締役 経営企画室長 兼 広報IR室長の鍋田毅氏)との立場を取る。これに対し松下電器産業は、この組み合わせは同社の特許の構成要件である「アイコン」に当たると主張したもよう。

うーむ。ちょっと仕事に疲れすぎて朦朧としているのですが、組み合わせ全体を意図的なアイコンとするか、ただ組み合わさった絵だとするか、ということでしょうか。・・・すみません。どうでもいいんじゃないか、という気がしてきました。ほんとうは大事なことなのでしょうが、何しろ疲れて。。。

とはいえ、もうすぐ一太郎2005の発売だったかと思いますが、こんなことで発売停止になったら損害ですよね。それこそ、ヘルプ!です。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年1月31日

a000736

こだわり。

忙しさのトンネルからもう少しで抜け出しそうなのですが、土曜日出勤、日曜日も自宅で仕事という毎日です。さすがにモチベーションも下がって、もう仕事やりたくないなあ、という気持ちになるのですが、いざ始めてしまうとテンションが高くなって結構集中しています。あれ?面白いかも、と思うのもしばしば。

午後からの打ち合わせのために急ピッチで分析報告書を仕上げたのですが(打ち合わせ5分前に完成)、打ち合わせのなかで、この数字はどういう意味だ、このグラフは何を意図するのか、ということを詰めていきます。もう、それぐらいでいいでしょ、と投げ出したくなるのですが、そこを突き抜けると、もっとこだわりたくなる。2時間じっくりと討論しました。まだまだ分析の甘い部分もみつかって有意義でした。とはいえ、明日までにやり直しなわけですが。。。

こだわりといえば、こんなニュースが目にとまりました。

■草かんむり、3画に 4画派・大修館書店が「決断」

3画か4画か――漢和辞典で長い間、揺れていた「草かんむり」の画数が、大修館書店が出した「新・漢語林」で3画に変わった。同書店は世界最大の漢和辞典、諸橋轍次の「大漢和辞典」(1960年)を発行している老舗(しにせ)。中国の古い文書を読もうとする専門家が頼りにする「大漢和」では4画だ。常用漢字や人名用漢字の3画に追随するのは、「大きな決断」だった。

草かんむりなんて、当然のように3画だと思っていたのですが、4画派もあったんですね。そして変更するのは「大きな決断」だったと。

プロのこだわりだなあと思いました。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年1月17日

a000726

未来に対する洞察

IBMがPC事業を分離したことに引き続き、HPではPCとプリンタを統合する動きがあるようです。

■HP、PC事業をプリンタ部門に統合

両部門はすでに、家電製品などのプロジェクトにおいて広範な協力を行ってきている。両者はこれまで、リビングルーム向けに設計されたPCやテレビ、デジタルカメラ、プリンタ、そしてApple Computer製iPodのHP版を含む携帯音楽プレイヤーなどの家電製品を販売してきており、今回の部門統合でこれらの製品ラインが1つに組み合わされることとなった。

ここでも携帯音楽プレイヤーが出てきますが、デジタル関連の製品は互いに連携したり機能を共有するものが多くなってきています。だから、ひとまとめにするというのは、非常にわかりやすい

これは前向きな見解なのですが、アナリストとしては、HPの事業がうまくいっていないのでは?と懸念する考え方もあるようです

「この組織改編で、HPのPC事業の業績が上向くかどうかは疑問だ。この部門統合は、PC事業がHPの期待していたような利益を生み出していないことを示唆しており、それが一番重要な点かも知れない」と、Argus ResearchアナリストのWendy Abramowitzは述べている。

余談を挟みますが、現在データ分析の仕事を進めています。データを分析するときに、多いデータに注目するのか、少ないデータに注目するのかによっても、判断が変わってくる。同様に、ポジティブな情報に注目するのか、ネガティブな情報に注目するのかによっても、考察の方向がまったく変わります。

しかし、リスクを回避するのであれば、ネガティブな情報に注目して対策を練った方が賢明かもしれません。

HPのPC部門は黒字だが、PCビジネス全体は今後数年にわたってさらに厳しい状況が続くとみられている。市場調査会社Gartnerの予想によると、PC市場は2005年に比較的活況となるものの、2006年から2008年にかけては成長率が鈍化するという。こうした圧力から、有力PCメーカーは事業の縮小や、あるいは撤退までをも視野に入れているとGartnerは述べている。

いま、PC関連業界の動きは、この数年後を見据えたものかもしれません。

ところで、分析の仕事以外には、部門の業務案内を制作する仕事にも携わっているのですが、こちらも5年間使い続けられるものを作るためには、未来に対する洞察が必要になります。まだ、はっきりと見ることはできないのですが、見ようと努力することによって見えてくるものもあるようです。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年1月14日

a000725

満足とお金の関係

仕事が結構忙しくなってまいりました。分析2本、社内案件2本、提案2本、そしていろいろ。長期的な視点でやらなければならない自主的な課題もあり、こちらに注力しようとも思っていたのですが、延期することになりそうです。エンジンの回転数を上げなくては。頭脳というCPUがデュアルだったらいいのに。

さて、手がけている仕事のなかに顧客満足度調査についての分析もあるのですが、満足について考えていると自然と満足というタイトルが目に入ってきます。

FPNに次のような投稿がありました。

■職場の満足度が高いと、成果は下がる!?

環境が整備されすぎていても、成果がよくなるとは限らない。それはよくわかるような気がします。

通常言われる金銭的報酬や職場の人間関係などは、離職率や欠勤率を良好にする要因にはなっても、仕事を熱心に行わせる要因には結びつかない。このため、仲良しクラブ的組織ができることが普通にある。

まったく違う考え方をする人材がいるからこそ、組織は活性化する。別に仲が悪くなる必要はないと思うのですが、仲がいいと「そこ違うんじゃないの?」ということも言えなくなる気がする。

人々を熱心に仕事への向かわせるのは、仕事の達成感、仕事の成果に対する組織内での評価、仕事に付随する責任の大きさなど、仕事自身から生まれるものである。

そりゃ当然ですね。仕事をするために会社に来ているわけですから。仕事の満足度をあげるためには、きちんと仕事について考えることが大事。当たり前ですが、飲んだからといって不満は解消できたとしてもマイナスがゼロになっただけで、プラスに転じて満足できるわけではない。

給料と仕事のやりがいの天秤について、ときどき考えることがありますが絶対というわけではない。仕事の価値をはかるものは、お金だけじゃありません。

商品の購買行動についても、そうだと思います。

■「Mac miniはお買い得」は本当か

問題は、消費者がこの新しいハードウェアに殺到するのか、それとも価格に尻込みするのかだ。

コンセプトPCがいずれも成功していないことなども書かれています。やっぱりいまのところはPCというカテゴリーでしか考えられないのでしょか。

購入するのはモノだけじゃないはずです。Mac miniを買うひとは、ハードウェアを含めた未来を買うのだと思います。ライフスタイル、といってしまうと、ちょっと陳腐になりますが。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)