「ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則」ジェームズ・C. コリンズ , ジェリー・I. ポラス
▼book06-023:時代を超えて存続する企業の条件。
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則 James C. Collins 日経BP社 1995-09 by G-Tools |
1995年に初版の本ですが、書かれていることは現在でもまったく色あせない真理ばかりです。逆にいまだからこそ鮮やかな視点も多い。第一章では「時を告げるのではなく、時計をつくる」企業がビジョナリー・カンパニーであると書かれていますが、Googleなどの企業もテクノロジーによって時計をつくる企業ではないか、と思いました。カリスマ的な経営者によって時を告げるタイプの企業ではなく、ハードではないけれどもインターネットによるサービスという時計作りをする企業です。さらに第6章の「カルトのような文化」をもつこと、第7章の「大量のものを試して、うまくいったものを残す」という特長も該当します。さらに、BHAG(ビーハグ:Big Hairty Audacious Goals)という社運を賭けた大胆な目標を掲げるという点もぴったりです。Web2.0関連の企業であっても、基本的にはビジョナリー・カンパニーの法則の上で成り立っているような印象を受けました。
仕事の15%を自分で考えたプロジェクトに費やすという15%ルールも紹介されていました。けれどもそのプロジェクトには、不文律の規範のようなものがある。それが企業の価値観であったり、文化というものです。目先の利益も重要だけれど、愛社精神をもち仕事にのめりこめるような文化を創り出したときに、企業は創設者がいなくなってもその意思を存続することができる。そのためには、価値観を共有すること、自分たちの価値観とは何か、ひとつひとつ判断することが重要になります。いま自分が働く価値観とは何だろう、ということを考えさせられました。すばらしい本です。4月3日読了。
*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(23/100冊+26/100本)
投稿者: birdwing 日時: 00:00 | パーマリンク | トラックバック (0)