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2005年3月24日

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1億9500万台

戦略立案の資料をまとめています。といっても自社のものではありませんが。

データを収集、引用して加工するのは問題ないけれど、何が面倒かといって、予測ほどしんどいものはありません。5年後がどうなるか、どんな技術動向が影響を及ぼすか、業界はどうなっているかなど、予言者じゃないからわかりません。ほりえもん、じゃなくてドラえもんに頼んでくれ(そういえば声優さんが変わったようですが)、という感じです。とはいえ、シンクタンクやコンサルティングの会社では、その予測をお仕事にしているわけですから尊敬します。

IDGからPC出荷台数の予測が発表されました。

■IDC、PC出荷台数予測を下方修正--2005年は全世界で約1億9500万台

これは前年比9.7%増にあたる数値。IDCは2004年11月時点では、2005年の世界PC出荷台数が前年より10.1%増加すると予測していた。IDCは、成長予測値の下方修正を行った理由として、日本の景気回復が遅れ、米国経済の先行きも不透明であることを挙げている。なお、2005年の出荷額総計は、前年比5.3%増の2090億ドルになると見られる。

いろいろな情報を収集して、その結果を考察するのでしょう。とはいえ、1億9500万台という数字が僕には具体的にぴんとこない。コンサルティング業界の方は、数字というものを重視して、すらすら出てくるひとが多いようです。100万台増えたか減ったかが重要で、その背景を考える。そんな風にアタマよくなれるといいのですが。

「米国のITバイヤーは、2005年に購入の具体的な計画があると口を揃えるが、複数のリスク要因が存在していることから、われわれは米国に関して控えめな予測を発表した」と、IDCのクライアントコンピューティング部門バイスプレジデントRoger Kayは、報告書の中で述べている。「リスク要因には、景気回復の遅れや雇用の伸び悩み、貿易赤字の増大、原油価格の継続的な高騰、国庫に深刻な打撃を与える対外戦争、金利の上昇、依然として安定しない株式市場、家計貯蓄率の記録的な低下などが含まれる」(Kay)

自分の身の回りを見渡すことでせいいっぱいで、世界がどうなっているかなんて意識が及ばない。とはいえ、遠くを眺めると目が癒されるように、大きな世界のことを考えると少しゆったりした気分になります。つらいのは自分ひとりじゃなくて、いま世界が不安定でつらい状態にあるのかもしれません。

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2005年3月23日

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写真でコミュニケーション

写真関連サービスを展開する企業を買収する動きが2件ありました。

まず、ヤフー。新サービス「Yahoo! 360°」の発表がありましたが、ブログやソーシャルネットワーキングサイトの領域にも進出。そこで写真によるコミュニケーションを重視しているのかもしれません。

■ヤフー、写真共有サービスサイトのフリッカーを買収

Flickrは、カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーに拠点を置く企業。同社が提供するサービスでは、例えば、コンピュータやカメラ付き携帯電話からデジタル写真をアップロードして、それらの写真を編集してフォトアルバムを作成し、さらに、それをブログに掲載することができる。

確かにテキストだけでも楽しいのですが、写真が入ると文字では表せない和み効果があります。飼っている猫や犬の何気ない写真であっても、掲載されているだけで癒される。このブログは意識的に写真を排除して、テキストばかりでごりごり書いているブログですが、もう少しビジュアルにも凝るべきかもしれません。もうすぐ半年になるので(と書きながら、びっくりしました)、リニューアルしてもよい頃かも。

もうひとつは、HP。

■HP がオンライン写真サービスの Snapfish を買収へ

Snapfish は、無料オンライン写真共有サービスのほか、写真の保存/管理、無料編集ツール/ソフトウェア、オンラインでのプリント注文、カメラ付き携帯電話向けのワイヤレスイメージングなどのサービスを手がけている。また、カレンダーやマウスパッドなど、好きな写真をプリントできる商品を70種以上扱っている。

こうした動きの背景には、以前の日記にも書きましたが、カメラ付き携帯電話の米国における普及が影響しているのでしょうか。

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2005年3月22日

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オープンソースの哲学

連休明けです。いろいろとニュースを見ていて、あらためてひっかかってきたのは「オープンソース」という言葉でした。少し前に、サンにしてもIBMにしてもオープンソースに関する話題が続きましたが、なぜなんだろう、という素朴な疑問です。とはいえ、やはりきっかけとなったのはグーグルの記事ですが。

■グーグル、オープンソース開発者向けに「Google Code」 を開始

「Google Code」というこのウェブページでは、Google関連の各プロジェクトに取り組む開発者を支援するために、ソースコードやAPIをはじめとする各種のツールを提供していくと、このプロジェクトに携わるChris DiBonaは米国時間17日付けの歓迎メッセージに記している。

機能的には、ツールの提供かもしれませんが、それ以上のものがあります。というのは、デベロッパー向けのコミュニティなどを作ってしまえば、同じようなことができるわけです。オープンソースにするということは、開発者向けサイトとは違って、次のような意図があると思いました。

「Google Codeで何としてもやりたかったのは、われわれのAPIや、われわれがリリースしたコードを利用してプログラムを開発した人々やグループを認知してもらうことだ」(DiBona)

味方を増やす、ということでしょうか。ファンを増やす、と考えることもできます。あるいはLinuxであれば、信奉者を増やす、ということもあるかもしれません。

一方で企業側のメリットとしては、開発コストを低減できるということがあります。また、ブランド化すれば、口コミのような形で参加者が参加者を呼ぶ仕組みを回転させて、さらにコミュニティを大きくできるかもしれない。

とはいえ、公開することによって脅威もあると思います。ナレッジの部分が流動的になります。運営にも手がかかりそうです。知的財産の所有権についてもはっきりさせておかないと、訴訟なども生じる可能性があります。

企業としては、オープンソース戦略をとる場合には、それだけの企業体力があることと、覚悟が必要かもしれません。

Googleは絶えず外部から開発者を獲得し、検索広告やデスクトップ検索などの分野への進出を進めている。同社の最新の取り組みでは、古いプログラミングツールを復活させ、GmailやGoogle Mapsなどの新サービスを活用できるようにしている。

グーグル自体には、それを育む土壌があるようですね。

ちょっと古くなりますが、以下のような記事もありました。

■InnoTech Conference:オープンソース戦略はなぜ誰にでも必要なのか

オープンソースについては一時的な流行であり、バブルがはじけたらなくなってしまうのではないか、という疑問に対して、以下のように書かれていました。

「それは違います。(オープンソースは)実は哲学なのです――たとえ自分の独自のプラットフォームが広く利用可能な透明なコードになるとしても、オープンなプラットフォームを構築すれば驚くほどの利益につながる、という認識です」

哲学と言及しながら、結局のところ利益に落ちていくところが、どうかとは思います。利益を追いかけている姿勢がみえたときに、離れていくひとたちもいるのでは? もちろん、そいつで儲けてやろう、というベンチャースピリッツがエンジンになることもあります。しかし、ひとを惹きつけるのは、技術にしても哲学にしても金儲けにしても、未来を感じさせるビジョンがあるかどうかのように思うのですが。

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2005年3月17日

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Googleはやっぱり面白い

社内文化(いわゆる社風ですか)は、見過ごされそうですが結構重要です。

朝はきちんと出社して、朝礼と体操をしたあとで仕事をはじめる。社内の年中行事には必ず出席しなければならなくて、出席しない社員は吊るし上げられる。ネクタイはきちんと締めなければならない。ヒゲもダメだし、茶髪も禁止。そんながんじがらめの状態に縛ることが、日本的な企業は大好きな気がします。もちろんそれだからこそ管理ができて統制されるのかもしれませんが、新しいものを生み出す文化はないのかもしれないなあ、と思います。だからこそソニーのように、学歴不問という常識破りの人事方針を打ち出したことが注目されたのかもしれません。

社内に娯楽のスペースまで作ってしまうようなAppleやGoogleは、自由な雰囲気とクールなものを求める空気があるからこそ、新しいものを生み出し続ける創造的な文化を持っている気がします。

話題のGoogleデスクトップ検索の日本語版をダウンロードしてみましたが、なかなかよさそうです。インデックス作成にちょっと時間がかかるのですが。

Googleでは、インターフェースもちょっとMac OS X風のものを公開したようです。かなり話題になっていました。

■グーグル、Mac OS X風の新インターフェースを公開

Google Xでは、通常検索バーの上にテキストで表示される「Web」「Images」「News」といった検索の選択肢が、画像で表示される。画像にマウスをあてると、Mac OS XのDockのように拡大される。使い方は通常の検索ページと全く同じで、検索結果も従来通り。公開されているのは英語版だが、日本語での検索も可能だ。

ところがすぐに行方不明(アクセス不可能)になっちゃいました。

■「Google X」ページ、さっそく行方不明に

この「Google X」を開発したGoogleのソフトウェアエンジニア、Chikai Ohazamaは米国時間15日、同社のブログを使って自分の作品を大々的に売り込んだ。GoogleのテストサイトにあったGoogle Xは、各種のサービスにリンクする代替手段となっており、Apple製OSのある機能に刺激を受けた形でグラフィックアイコンが並び、これをクリックする仕組みになっていた。

ところが、米国時間16日午後の時点では、このウェブページにアクセスすることができなっている。

国内でもバルーンヘルプで一太郎2005が訴えられた事件がありましたが「これ、大丈夫なの?Appleに訴えられちゃったりしないの」という指摘があったのかもしれません。

GoogleとAppleのビジネスは大きく異なるが、両社とも、技術分野では概して話題に上がらないクールなイメージを競い合っている。それでも、ブランド調査会社はこれを数値などで立証しようと試みている。Interbrandによると、両社ともに米国の消費者ブランド認知度のトップ争いを演じており、Googleは2003年にトップに輝いたが、2004年にはAppleにその座を譲ったという。

サービス自体は競合しないけれど、ブランドという面では確かにどちらもクールで、ステータスがあります。あるイベントでGoogleの紙袋をいただいたのですが、いまだに大事にしていて時々使っています。持っていると、ちょっと誇らしい感じがします。

脇道にそれましたが、登場してすぐにGoogle Xのページは消えてしまったものの、この見切り発車的な試みが僕は好きだなあと思いました。かっこいいものはかっこいい、これいいじゃん、やっちゃえ!というノリがあったんでしょうね。

Google関連では以下のような記事もあります。

■「グーグル、アドセンスに新機能を追加
■「GoogleがGmail提供拡大、20人に1人の割合で登録可能に

とにかく勢いに乗っている気がします。企業が注目を集めるためには、じっとしていてもダメで、何か話題づくりに動くことが必要です。動くことによってリスクも生じるわけです。ただ、そのリスクを考慮しつつ、最大の効果を上げることが重要。見切り発車が多いのはどうかと思いますが、動かないことには結果も出ない*1。

最近ある本で「判断」と「決断」の違いを読んでなるほどと思いました。

情報が十分にあるなかで結果を選ぶのが「判断」であり、情報が不十分な状態において結果を選ぶのが「決断」とのこと。経営においても人生においても、決断が必要なのかもしれません。

+++++

*1:そういう意味ではライブドアの堀江さんを僕は評価します。とにかく動いている。いくらお金があるといっても、動かないひとは動かないでしょう。

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2005年3月15日

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統合で競合

マイクロソフトが買収により獲得した4つのERP製品を統合する計画「Project Green」を進めているという記事は以前読んだのですが、さらにビジネス分析ツールの買収を行ったようです。

■MS、ビジネス分析ツールを買収--「Great Plains 8.0」を強化

Microsoftが取得したのは「Analysis Cubes for Excel」というツール。同ツールは、Microsoftの「Great Plains 8.0」の拡張モジュールの1つとなる。これらの拡張モジュールは、ユーザーがデータをさまざまな観点から調査/分析して、情報をより多角的にとらえるのを支援する目的で設計されている。

BI(Business Intelligence)の分野ですね。多くのベンダーからERPとBIは統合された形で提供されていますが、マイクロソフトも、エンタープライズにおけるこの分野への参入を狙っています。不勉強なので、経営情報の多角的な分析がそこまで求められているのか、というのがアタマではわかっていても、いまひとつ感覚的にぴんとこないのですが、ただひとつ言えることは、情報をひと目でわかる状態に加工できるツールというのは必要性が高いだろうな、ということです。

たとえば、まったく話は変わりますが、今日、グーグルデスクトップ検索の日本語版が登場しました。これも混沌とした情報を「ひと目でわかる状態に加工できる」ツールのひとつともいえます。その背景には情報の流通のスピードと量が増えた、ということがあるかもしれません。

話が横にそれましたが、「Project Green」では4つのビジネスアプリケーションを統合していくようです。

同分野へ進出しようという試みは、「Project Green」という計画の下、数年来行われてきた。この計画では、4つの重複するビジネスアプリケーションセットを1つのコードベースに統合することになる。

統合というテーマでは、以下のニュースも気になりました。

■IBM、データ統合ツールベンダーを11億ドルで買収へ

同社によると、今回の買収は2004年に3桁成長を記録した情報統合分野の事業を補完するものになるという。

この分野に焦点をあてて、買収による強化を行ってきたようです。

IBMが情報管理分野の製品を開発する企業を買収するのは、2001年以来これで8社めとなる。

IBMの競合相手はMicrosoft、Oracle、SAPとのこと。ひとことで統合といっても、それぞれ方法も違うと思います。きちんと情報を理解していないのですが、技術的な背景を知りたいと思いました。

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