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2004年12月21日

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ブログ関連の動向

先日もブログ関連のセミナーに出席しましたが、最近のブログの動向で気になるものを「組み合わせ」という観点からピックアップしてみます。

○ブログ×検索

Googleなどの検索エンジンでは、一般サイトの検索とブログ検索を分離する方向に動くだろうという予測もありますが、これだけブログが増えてくると、ブログ専門の検索エンジンは重宝する気がします。

■デジタルガレージ、Technoratiと提携して日本版ブログ検索サイトを開設

デジタルガレージとテクノラティジャパンではまた、Technoratiの技術やコンテンツについてOEM提供や、ブログを中心にした広告ビジネスモデルの構築を図るほか、ブログを活用するノウハウを企業向けに提供するコンサルティングも実施していくという。

ブログを中心にした広告ビジネスモデルに興味があります。以下のような記事もありました。

■infoseek、検索結果に関連情報を表示する検索サービスやブログ検索機能

ブログサイト約2,000万件を対象にした検索サービス。楽天が運営するブログサービス「楽天広場」をはじめ、国内ブログサイトを対象に毎日約150万件を更新していくという。

楽天が運営しているだけに、infoseekのブログ検索機能では、楽天日記の方がもちろん上位に表示されるんだと思いますが。

○ブログ×動画

■gooブログ スタッフブログ 動画対応

gooブログでは、携帯電話で撮影した動画をブログに投稿できるようになったようです。携帯電話の動画機能自体がそれほど使われているのかな、と疑問ではありますが、何か面白いことができそうな気もします。

○ブログ×社長

別に組み合わせる必要もなくて社長ブログなわけですが、4割が社長ブログを読みたがっているという調査データもありました。

■実は期待されている?約4割が「社長 Blog を読みたい」

これは?(ハテナ)が付いていますが、逆に言うと、6割は読みたくない、どうでもいいと思っているということではないでしょうか。

確かに、あの有名な社長がどこそこの店に飲みに行った、など書き込みがあれば、へーっと親近感を抱くことは確かです。けれども、あまりにも飲んだり食ったりだけが書かれていると、仕事してるの?と思わずにはいられません。また、有名な社長だからこそ成立することであって、もし中小企業の社長が形から入って同じことを真似したら、社員としても、こんなに残業してるのに気楽なもんだな、と当然モチベーションが下がるでしょう。

社長だからこそ考えられるビジョンというか、業界を見渡した見解や、未来を予測する先見性とか、そういう重みのある言葉を読みたい。書きたいことを野放し的に書くのではなく「演出」もしくは戦略的な「情報加工」が必要なのではないでしょうか。つまりブログ向けにキャラクターを作る、ということです。個人的なブランディングともいえます。

発信するメッセージを、常にある規範によって制御する。襟を正す。組織において、社長は個人であっても個人ではないのですから。

SEOやランキングで上位を目指すだけの社長ブログもどうかな、と思います。それって志低くないですか? 社長ならではの考え方、社長ならではの言葉、そして社長ならではのコンテンツに期待したいところです。

それから全体の動向としては、「3B」がインターネットを牽引したというネットレイティングの調査もありました。3Bとは、「Blog」「ブロードバンドドラマ」「ベースボール」だそうです。

■今年のWebは「3B」がけん引

また「韓流ブーム」を反映し、「朝鮮日報」「ハンゲーム」「ペ・ヨンジュン公式サイト」など、韓国関連サイトの利用者が急増したほか、「冬のソナタ」をはじめとする韓国ドラマをけん引役として動画ポータル「A II」などが人気となり、ブロードバンド環境で韓国ドラマを楽しむ「ブロドラ族」の存在が注目されたという。

韓流はブームでしたからね。来年はどうなるのでしょうか。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2004年12月17日

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個メディアの可能性

MP3プレイヤーを使っている方が多くなってきました。ハードディスクではなくてフラッシュメモリのタイプは、ほんとうに小さい。会社の営業の方にもみせてもらいましたが、え?これで1ギガですか?と驚くほど小さい。

日本の企業は、こういう縮小化する技術が得意です。MP3とは別の規格を推進している会社の製品なので、マニュアルではMP3に関する解説が巻末にあって、ちょっとおざなりで、その製品を購入した営業の方は探すのに苦労されたようです。

きっとメーカーのマニュアル担当者がすねちゃったんでしょうね。なんでMP3の規格の製品なんか作るんだよ、むかーっ、MP3の解説なんて巻末に置いちゃうもんね、ふん、とかいう感じで。実際に見たわけではないので、あくまでも想像ですが。

この分野でひとり勝ちしているiPodですが、CMを見ていても、やっぱり洗練されています。かっこいい。シンプルで飾らなくて、とんがったひとたちに向けた表現は、Macintoshの頃からずっと変わらない。共感が持てます。製品とCM表現がびしっと同じ考え方で貫かれているので、とても気持ちがいいものです。

これがブランディングなんだなと思っていましたが、さらにすごいことが生まれているようです。ユーザーがCMを作ってしまった、とのこと。

■『iPod』ファンが自主制作したCM、ウェブで話題に

実際に見てみました。すごい。

メーカーが作ったCMは、音楽を聴く楽しさを表現していたと思うのですが、こちらはとにかくiPod miniのデザインを前面に出して表現している。制作したのは36歳の学校の先生なんですね。休み時間を使って単に練習として作った動画が、口コミでウィルスのように広がって評価されているとのこと。

ほんの数日間で3万7000件を超えるアクセスを記録した。CMの存在は現在もブログや電子メールで広まっている。

個メディアといえるかもしれません。そして、3万7000件を超えるようになれば、マスメディアにも遜色ない立派なメディアです。

専門家の中には、マスターズさん(写真)のCMは広告の未来を示唆するものだと見る向きもある。ちょうどウェブログ(ブログ)がニュース報道に変化をもたらしているように、個人制作の広告がマーケティングにおいて大きな役割を果たすようになるというのだ。

ブログは大統領選挙のときに注目された報道としての効果だけでなく、認知や購買に結びつく広告メディアとしての可能性もある、ということですね。もちろんマスターズさんが制作したのは動画のムービーですが、それを補足する形でメールやブログというものがあったと思います。

マスターズさんのCMにはマーケティング業界も注目している。業界関係者たちによれば、このCMはプロの作品に匹敵する出来映えで、またインターネット上で初めて目にした「純粋な」広告の1つだという。個人による広告制作は今に始まったことではないが、そうした広告のほとんどはパロディーか抗議、政治的な主張を目的としているからだ。

ありそうでなかったんですね。確かに「純粋な主張」は、なかなかできないものです。(なんちゃってね)とかカッコ付きの記述をしなければ表現できない。

マスターズさんのCMは、スタイン氏が初めて目にした「正真正銘の」消費者によるCMだという。広告代理店が企業顧客の関心を引く目的で特別に制作した広告や、プロが草の根を装ったキャンペーンをしかけ、口コミ的に広まるのを狙った例なら見たことがあるが、一般の製品愛好者がテレビ用CMを制作した例は初めて見た、とスタイン氏は話す。

ますます広告代理店などが広告を仕掛けにくい時代になってきました。消費者がどんどん情報発信をはじめると、どんなにマスメディアできれいなことを言っていても信用されなくなる。消費者の発言の重みには勝てない。

でも、いちばん重要なのは、計算しないで動いているということ。きっとマスターズさんはiPodが大好きで、音楽を聴いている時間、動画の制作に浸っている時間をとても大事にするひとなのでしょう。

「自分が楽しむためにやっただけだ。動画が好きで、ビジュアル作品を作るのが好きだから」とマスターズさん。

ますます共感できます。このひとがすすめるならiPod買っちゃいます。

そして、次の言葉に泣けました。

「私はいつも孤独の中で作業している。『この作品は本当にいいのだろうか?』と不安になる。それで作品を公開することにした。フィードバックを得るために」とマスターズさん。

発信したものに対してフィードバックが得られる。ブログにしてもSNSにしても、これが最も大きなインターネットの効果です。なかには批判もあるそうですが、その批判も歓迎しているとのこと

マスターズさんの姿勢に情報発信する個人の未来を感じました。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2004年12月16日

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地図を塗りかえる、そして動くこと

変化の激しい時代は、それがリスクにもなりますが、逆にビジネスチャンスも生むようです。オラクルのピープルソフト買収の決定はセンセーショナルでしたが、マイクロソフトの動きが報じられていました。

■マイクロソフト、はやくもピープルソフトの顧客に照準

米通信業界では、こんな動きもありました。

■米通信業界で大型買収--スプリントとネクステル、350億ドルで合併に合意

米国市場第3位と第5位の携帯通信事業者がひとつになり、系列企業の分を含めて約4000万人の顧客を抱える巨大企業が生まれることになった。

巨大企業への対抗策として、戦略的に動いているようです。「第1位のCingular Wirelessや第2位のVerizon Wirelessをはじめとする競合各社への対抗手段を探していた」とのことです。

買収という動きではありませんが、日本の動向では、12月の定例会でKDDIから「電気通信業界は大きな変革期を迎えている」というコメントを発信しています。ソフトバンクグループによる800MHz帯への参入なども注目していきたいところです。

■KDDI、今年最後の社長定例会見を開催――「電気通信業界は大きな変革期を迎えている」

さらに、こんなニュースも。

■シマンテック、ベリタス買収に動く--米紙報道

ある波紋が別の波紋を呼んでいく、ということもあるような気がします。業界の動きが激しくなってきましたが、ウォッチすると同時に、波紋を追うだけでなく、今後がどうなるのか、ということを考えていきたいと思います。

現時点の情報をキャッチするだけでは、あまり意味がありません。その情報の意味を解釈し、次の行動の指針とすることが大事です。つまり、情報に対して、自分はどういうスタンスを取るのか、ということでしょうか。

賛同するのか、反対するのか、中立の姿勢をとるのか。また、なぜそう考えるのか。そして自分はそのことに対して、どんなアクションを起こすのか。

すごく難しいことなんですけどね。欧米人に比べると日本人の最も弱い部分かもしれません。

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2004年12月14日

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PSPをめぐって

電車から降りるときに、ヘッドホンをしてPSPをやっている高校生ぐらいの男の子とすれちがいました。12日に発売。店頭では見たのですが、実際に街中で携帯している姿を見たのは、はじめてです。おっいう感じ。やはりデザインがいい。機能よりもまず物欲面で訴えるものがあります。

■任天堂の牙城を崩せ...「PSP」20万台完売

初日の出荷数20万を即日完売し、SCEの久多良木健社長(56)は「未来に向け、剛速球を投げたらド真ん中に当たった」とし、「増産の指示を出す」と話した。

すごい勢いですね。ビックカメラ池袋本店前には、徹夜組を含めて約1200人が列をつくったそうです。

ただ、一方でこんなニュースを発見。

■「PSPじゃない」 父親殴った息子を逮捕

調べによると、少年は12日発売の携帯ゲーム機「PSP(プレイステーション・ポータブル)」を買うよう父親(42)と約束していたが、早朝から行列に並びに行った父親が違うゲーム機を買って帰ってきたため激怒。朝食中だった少年は、テーブルの上においてあった果物ナイフの横にあったフランスパン(パン渡り30センチ)で、父親を何度も殴りつけた。

なんだか、かなしい。フランスパンで叩かれたくないものです。

とか思っていたら、これは嘘じゃないですか! 虚構新聞でした。

仕事に追われて、確認もせずに引用してしまいました。ちょっと感傷的なコメントも書いちゃったりして。あー気づいてよかった。某CEOが合成写真を講演で引用して騒ぎになったことから、情報は真偽を確かめるべきだ、とか自分で書いたくせに。

よくできてますねえ。でも、実際には40代といえば、まだまだ若い。話題になっているゲーム機の知識はあるし、一時期と違って、いまゲーム機といえばDSとPSPぐらいのものだから間違うわけがありませんね。

冷や汗を書きましたが、ちょっと楽しかった。

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2004年12月13日

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探しものは何ですか

みつけにくいものですか...というと、まるで歌詞のようですが、あるキャンペーンの分析報告書に取り掛かろうとしたところ、Excelのファイルが散在しているために目的のファイルがなかなかみつかりません。あれこれフォルダを開いているうちに、別の課題を発見して、あ、これもやらなきゃみたいに横道に反れてしまう。何探してたんだっけな?と、そもそもの目的すら見失うこともあります。

みなさんもファイル探しには苦労されていることでしょう。そんな状況を解決する「デスクトップ検索」の分野が熱くなりそうです。

■デスクトップ検索競争本格化--MSもまもなくテストバージョン発表へ

業界を2ヵ月ほどリードしているのはGoogleのようです。検索用語を推測してくれる新サービス「Google Suggest」のリリースもありましたが、検索全般に関しては圧倒的な力となっているようです。しかし、いちばんの脅威となるのがマイクロソフトの動向だとか。

この業界で最大の脅威と考えられているのはMicrosoftだ。同社は、2006年登場予定の次期Windowsオペレーティングシステム(OS)であるLonghornで、インターネットやPC、アプリケーションを検索する機能を完成させる計画だ。

GoogleのDesktop Searchのように、使い勝手のよいアプリケーションを自分で選ぶ、という方法もありかと思いますが、もともとOSに組み込んであれば、それを使ってしまう気がします。IEやOutlook Expressみたいに。ただ、ブラウザが選択の時代になってきましたが、ユーザーが機能を選んでいくようになるのかもしれません。

同社は今のところ、デスクトップ検索アプリケーションの開発に重点的に取り組むことで、この分野におけるライバル各社の攻撃をかわしている。アナリストや業界幹部は、Microsoftほどの流通網や資金力があれば、デスクトップ検索アプリケーションを利用してGoogleをはじめとするベンダ各社からビジネスを奪うことも可能だという。

ヤフーも動き始めています。

■ヤフー、デスクトップ検索のテストを1月スタートへ

将来はYahooが提供するインスタントメッセンジャーのアーカイブや、アドレス帳、無料電子メールサービスにまで検索範囲が広がる予定だ。

競争ですね。それぞれのサービスを拡充する形で動き始めているようです。以下のようなことも書かれています。

デスクトップ検索は、ユーザーの囲い込みやブランドロイヤルティの向上に役立つと考えられている。そのため、ウェブポータル企業各社は、デスクトップ検索の開発に力を入れている。ウェブやインターネットアプリケーションだけでなく、PCに保管されたファイルを簡単に検索する技術を持つ企業は、Googleを追い越し、検索業界のトップに躍り出ることもできると見られる。またデスクトップ検索は検索プロバイダ各社にとって、パーソナライズされた広告を個人に配信する新しいチャネルとなる可能性もある。

マーケティングツールとして期待されているわけです。

とはいえ、全般的に思うことですが、顧客の情報を収集して、顧客の趣向に合わせて情報発信をする、というロジックは、なんだか新しさが感じられません。One to Oneマーケティングとして言われ続けてきたことです。もちろん検索会社が自分のプライベートな引き出しをごそごそ漁ることについて、セキュリティの観点からネガティブな印象もあります。便利なんですけどね。

それから、個人的な感覚では、刺激がないような気もします。自分にぴったりの情報を配信してもらえば、ありがたいとは思うのですが、なるほどね(終わり)、知ってるよ(終わり)というような情報も多いのでは? 逆に自分の引き出しにないものをおすすめされた方が、新鮮な感じがする

金曜日に同僚から「マイセン幻影」の映画をおすすめされました。自分の引き出しにないものだったので、なんだかすごく気になっています(あまりにもジャンルが違うので、まだ観てないのですが)。

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