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2005年1月13日

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りんごの季節

Macworld Expoということもあるのですが、アップルの話題が賑やかです。

■米Appleの2004年10~12月期決算、売上高/純利益ともに過去最高

Apple社が同期に出荷した「Macintosh」は前年同期比26%増の104万6000台。また「iPod」の出荷台数が大幅に伸び、前年同期から525%増の458万台となった。

525%増!! すごいです。製品も次々と発表されています。
同社は、コンパクトな筐体が特徴のMac mini、フラッシュメモリを搭載した携帯型音楽プレーヤのiPod shuffle、iLife '05の機能をフル活用でき、書類やプレゼンテーションを作成するプロダクティビティ・ソフトウエア「iWork '05」のリリース予定を同月11日に明らかにしている。

iPod、iLife、iWork。「i」でブランドを統合している。一時期、インターネットのビジネスといえば「e」だったり「i」が必ず着いてうんざりすることもありましたが、いまや「i」といえばアップルのイメージが強い気がします。

フラッシュメモリ搭載モデルの発売ですが、やはりアップルらしいデザインというか、洗練されていますね。

■写真で見るiPod shuffleとMac mini

iPod shuffleがもっとも割り切った点は、液晶パネルを使った曲名表示はもちろんのこと、聞きたい曲のサーチなど考え方によっては音楽プレイヤーとして必須の機能をばっさりと切り捨てている部分だ。

正直なところ、持ち歩いて聞く曲は限られていると思います。お気に入りのなかでも特にお気に入りの曲で(僕の場合)、曲名なんかは表示されなくてかまわない。順序もどうでもいい。シャッフルして聞きたい。

洗練、というのは、ある意味、切り捨てることかもしれません。家にある全部のコレクションを持ち歩くのではなくて、外で聞く曲を選ぶ。あれもこれも、というのでは、洗練されていない。洋式のリビングに扇子や木彫りの熊が置いてある成金趣味の部屋のようなものです。すぱっと切り捨ててしまうことで、スタイルがみえてくる。好感がもてます。

そもそも、情報にしてもモノにしても、ゆたかさが過剰なのではないでしょうか。だから、このようなシンプル志向の製品は、かえって新鮮です。

Mac miniについては、以下の記事が面白いと思いました。

■最強のiPod周辺機器――その名は「Mac mini」

「最強のiPod周辺機器」ですか(笑)とてもわかりやすい。実感としてその通りだし、割り切り方が潔い。

周辺機器としては、iPodの弱点ともいえるヘッドホンに注目し、人気にあやかるメーカーも出てきているようです。

■sciiPod人気の御利益にあずかる音響機器メーカー--高級イヤフォンがバカ売れ

iWorkに対しては、マイクロソフトが正式にMac版Officeの提供を継続することを発表しました。

■マイクロソフト、Mac版Officeの提供継続を表明--iWork発表を受けて

Microsoftによると、同社はAppleと協力して、Office 2004がTigerで確実に動くようにするための作業に取り組んでおり、特にTigerに内蔵されるデスクトップ検索機能のSpotlightで、Officeのファイルを検索したり、リスト化もできるようにする。Appleは声明の中で、Microsoftのこうした動きを高く評価している。

正解だと思います。協調戦略をとることで活性化すると考えます。ひとつの製品が市場を独占するよりも、ライバルの製品があった方が活性化する。どちらの方がいいか、などと検討するのは、ユーザーとしても楽しいものです。ライバルでありつつ、一方では技術的にも手を組むという姿勢は、成熟した企業のような印象を持ちました。

りんごの季節に、たくさんの実りがありますように。

投稿者: birdwing 日時: 00:00 | | トラックバック (0)

2005年1月12日

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パソコンがなくなる日

パソコンの事業を分離したIBMですが、以下のようなニュースもありました。

■IBMが500件の特許をすべてのオープンソース・ソフトウエアに許諾

「従来のインダストリアル・エコノミーと異なり,イノベーティブ・エコノミーにおいては,知的財産権を単に所有者に自由と収入をもたらす以上のものとして適用することが要求される。世界中の開発者の協業に基づく革新,相互運用,オープン・スタンダード,オープンソース・ソフトウエアを促進することは,市場を明確に活性化する。IBMがオープンソース開発者に開放する特許は,継続的な革新を促進するために役立つと確信している。」(IBM senior vice president, Technology and Intellectual Property John E. Kelly氏)。

巨人に比喩される企業ですが、社内のリソースを開放することによって、しなやかに革新の道を歩んでいるようにみえます。競合というよりも共生というような感じでしょうか。使い古された言葉ですが。

また、プロセッサ関連では、以下のような明暗がリリースされています。

■Intel、売り上げ2けた増

第4四半期は、マイクロプロセッサ、チップセット、マザーボード、およびワイヤレス接続製品の出荷量が過去最高を記録。マイクロプロセッサは、平均販売価格はほぼ横ばいで、エンタープライズ用とモバイル用が好調だったという。

■AMD、フラッシュメモリ不振で業績に影響

NORフラッシュメモリ市場で「競争が激しく困難な」状況にある中、メモリ部門が減収となり営業赤字が予想されることが原因。売上高は第3四半期の12億3900万ドルから微増を見込んでいる。

とはいえ「プロセッサ事業を扱うコンピュテーションプロダクト部門は引き続き上昇基調」と書かれています。トランスメタが事業転換を模索している記事もありましたが、フラッシュメモリ市場ではAMDも苦戦しているようです。

そして、やはり今日いちばん話題となっているのは、Macの新製品「Mac mini」でしょう。

■アップル、1月29日からMac miniを国内販売

液晶のモニターはもちろん、キーボードやマウスも別売りのようですが(Windows用のものを使うことができる、とも書いてありました)、国内の販売は1月29日となり、40GBのモデルは5万8590円。上位モデルは7万円140円の価格。シンプルな筐体がMacらしく、ちょっとこれは購買意欲をそそります。

マーケティング的には、以下の記事に注目しました。3つのキーワードがあると思います。

■アップル、499ドルの「Mac mini」をまもなく発売へ--米国では22日から

「これは、いままでに登場したMacのなかで最も手ごろな価格の製品だ。(Windowsからの)乗り換えを考えている人にとっては、これでためらう理由がなくなる」(Jobs)

ひとつ目のキーワードは「乗り換え」 。これはそれほど新しくはない考え方ではありますが、時期としては面白い気がします。キーボードやマウスやディスプレイはWindowsのものそのままで、マシンだけMacというように乗り換える。IBMがパソコン事業を分離した現状において。

資産管理業務に携わるカリフォルニア州サンフランシスコ在住のRaymond HowardはMacworld Expoの会場で、「これは、新しいユーザーにMacベースのコンピュータを使ってもらう方法の1つだ。iPodを購入し、次はMacでも買おうかと考えている人たちにとって、最適の製品だ」と語った。

ふたつ目のキーワードは、「クロスセル(関連性のあるものを購入)」。勢いにのっているiPodユーザーに、じゃあ次はMacでも、というのはわかりやすい戦略な気がします。

Macファンは、iPodの影響でAppleの製品に関心を持ち始めている一般の人々も、Mac miniの発売を機会に、Appleのコンピューティング技術を本格的に利用するようになるものと確信している。

タイミング的にもばっちりですね。

そして最後は、「ライフスタイル」。ノートパソコンを持ち歩くのとは別に、例えばキーボードやマウスは会社に置いて、Mac miniを持ち運ぶ、というようなスタイルが考えられる気がしますね。あるいはキーボードに変わる何かも出てくるのかもしれない。

「しばらくすれば、Mac miniのユニークな利用方法を考え出す人が現れるだろう。ノートPCと変わらないサイズなので簡単に持ち運べるし、ポートもそろっているのでテレビなどのデバイスにも接続できる。これは、高いポテンシャルを秘めたデザインだ」(Baker)

情報家電というのはコンセプチュアルな感じがしていましたが、実際にパソコンというものがなくなるような予感があります。そういえば、そんな予感を抱かせるのが、アップルという会社でした。遠い20世紀にも。

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2005年1月11日

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継続は力なり、と言いますが。

織田氏のブログAd Innovatorで、オンラインブランデッドエンターテイメントとして、以下のような事例がありました。

■Dell Tech Force:Dellのオンラインブランデッドエンターテイメント

IT業界のキーマンに似せた登場人物が、サンダーバードのパロディで出演していて面白い。
と、思ったのですが、実はそれよりも気になったのは、以下のコメントです。

私事ですが土曜日に次男が生まれまして生活のリズムがかわるものですから、今週から来週にかけて多少ブログ、メルマガの更新が不定期にさせていただきます。通常業務はそのまま行っております。

ご誕生おめでとうございます。

織田氏はまったくお会いしたことがないですが、アメリカの最新動向といっしょにこういう記事を読むとなんだか嬉しいものです。

ブログやSNSでは、読み続けているとなんだかとても親しい仲であるような錯覚を起こすことがあります。私的なことが散りばめられているブログの方が、そういう感情になりやすいようです。コメントを投稿して、さらにコメントを返していただくと、さらに親密な感じになります。

私的な事情で不定期になる、というのもよいと思います。会社で情報配信する場合にはちょっと違うと思いますが、一度ファンになってしまうと、全面的にウェルカムで、再開するのを待ってますからどうぞどうぞ、という気持ちになります。

なかなか継続するのは難しいものです。僕は書くことが好きな方だと思っているのですが、それでもブログを見たくなくなるときがある。ただ長期的にみると、無理せず楽しく、ちょっとだけプライベートも書いてみて、というのがブログやSNSを続けていくコツかもしれません。*1


*1:実は仕事も詰まってきて、おまけに今日は寝不足&体調不調でいまひとつです。アタマが回転しません。でも、これは言い訳にはなりませんよね。美容院やお店は、まず休むことができないので偉いなあと思います。お客様あっての考え方ですね。

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2005年1月 7日

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方向転換

環境が大きく変わりつつあるように感じています。

居心地のよい状況から、一歩踏み出すのは勇気がいることであり、変わらなくてもいいんじゃないの?という風にも思うのですが、動かないことの方がリスクが高い場合もあります。

プロセッサ関連では、インテルとトランスメタに関する動きに注目しました。

まずはインテルから。

■インテル、Itaniumで悲喜こもごも

IntelはItanium 2プロセッサに関して、Hewlett-Packard(HP)とMicrosoftから、良いニュースと悪いニュースを1つずつ聞かされた。

この記事は別々に読んでいたのですが、こうして統合して読むと、動きがより明確に見えてきます。企業つながりで読む、テーマつながりで読むなど、情報は横断して読むことで、世のなかの動きが立体的に見えてくる気がします。
HPは、これまでで最速のItanium 2プロセッサを搭載したハイエンドのサーバを1月18日に発表すると、同製品に詳しい関係者が明らかにした。一方、Microsoftはワークステーション向けWindowsのItanium 2対応版の開発を中止した。

続いてトランスメタ。

■トランスメタ、ライセンス事業強化へ--赤字経営からの脱却目指す

このような方針転換は、Transmetaが直面している厳しい状況を反映したものといえる。チップの設計/製造/販売には、製造をアウトソーシングしたとしても、非常に多くのコストが必要とされる。またこのビジネスでは価格競争もめずらしくはない。それに対し、知的財産権のライセンス事業は人件費を抑えながら運営することが可能で、たとえば成功例の1社であるRambusには、わずか200名前後の従業員しかいない。

ビジネスモデル自体を見直した結果、撤退という選択を真剣に検討しはじめたようです。AMDの動きも気になります。

セキュリティ関連では、シマンテックがベリタスを買収というニュースがありましたが、トレンドマイクロでは新体制で臨むようです。

■新体制となったトレンドマイクロ、今後5年の戦略を読む

ライフサイクルを通してセキュリティ上の脅威を管理すること、アップデートを顧客企業にタイムリーに提供できるようにすること、ネットワーク上の情報フローの中にサービス、製品、技術を統合していくこと、という3つの戦略を軸にして組織やパートナーも再編するとのこと。

企業規模だけでなく、業種全体のニーズを考慮して顧客を分類し、それぞれの区分に最適な営業、技術、サポートの人員を配置する組織を作る。各組織に権限を持たせることで意思決定の迅速化を狙う。

上記の表現からはみえてこない感じもするのですが、これは「顧客重視」の姿勢に基づいている、という印象を受けました。

たとえば、ウィルス、情報漏えい、不正アクセス、というようなソリューションで部署を構成するのではなく、顧客をベースにして部署をつくり、テーマを横断して、営業×技術×サポートが一体となって提案する。まだ導入していない企業には、未導入企業向けの営業や技術提供を。導入済みの企業には、導入企業向けの営業やサポートを。要するに事業部制なのかもしれませんが。

とにかく、戦略があって戦術がある、という構図がきれいに見えています。

スティーブ・チャン氏は今後、"トレンドマイクロ・カルチャー"の継続、発展に注力する。

企業のリーダーとしての立場を明確にしているところに注目しました。社長のやることは決まってる、という印象もありますが、確かに変化に合わせて、リーダーシップのタイプを変えていく必要があるかもしれません。
チャン氏は「戦略を作り、実行するために組織を再編した。私自身の役割も変えた」と述べたうえで、「私の役割は会社の文化をみて、会社全体を(過去のセキュリティの脅威などから)学習する組織に変えること。そして正しい方向に戦略が実行されているかを確認することだ」と説明した。

「学習する組織」と方向性は見習いたいと思います。予測不能な脅威があったとしても、過去の経験から対策を練ることは重要です。それは、昨日の日記に書いた震災についても同じですね。

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2004年12月22日

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追跡されるサンタ

クリスマスが近づいてきました。年末の大きなイベントだけに、街を歩いていてもこれでもかという感じのイルミネーションが素敵です。

マーケティングやITなど、難しい理屈ばかりを考えがちな毎日ですが、この時期は子供に戻って、あたたかい気持ちで風景を眺めてみるのもいいかもしれません。そんな余裕も必要です。

理論や知識も大事ですが、いちばん大事なのはこころです。企画提案はもちろん、分析であっても、こころに訴えるようなものを心がけたいものです。

スラッシュドットの記事で以下をみつけました。

■2004年もサンタを追え!

NORAD(北米航空宇宙防衛司令部)のサンタ追跡プロジェクトが今年も展開されているようです。

KAMUI 曰く、 "ウェブでの情報公開は 1997年からですが NORAD が毎年この時期に彼の追跡を開始してから 50年目を迎えるとの事で,今年はサンタ追跡の「名誉メンバー」として元ビートルズのリンゴ・スターを招き,リンゴ自らサンタカムを操作してイギリス上空を飛ぶサンタを撮影するそうです。クリスマスイブが楽しみですね :)"

リンゴ・スターというのが、なんだかぴったりな気がします。

以下は、NORADの日本語サイトです。1997年に作ったサイトのままなんじゃないかな、とちょっと思うのですが。

■ノーラッド第50回サンタ追跡プログラム

サイトにはこんな風に書かれていました。

毎年、サンタさんの旅行はノーラッドで働くお兄さん、お姉さん達に目撃されます。今年も例外ではありません。2004年12月24日の朝早くから、サンタさんの居場所を探し始めます。何年も前から保存されている綿密な記録、そして高度な技術を身に付けたレーダー・サテライト技師の力を借りて、サンタさんがクリスマスイヴに訪れる場所は大体見当がついています。

夢なんだけど、科学的に解説されていていいですね。「大体見当がついています」という微妙に言い切っていないところも。ほんとうに見つかるのかな、というワクワクした感じを持たせる言葉です。

サンタ追跡の準備をしてください!
世界中から送られるサンタカム・ビデオを見たり聞いたりするには、無料リアルプレーヤーの8ベーシックが必要です。無料のリアルワンプレーヤーのダウンロードは、ここをクリックして下さい。他のフォーマットでサンタ追跡の映像を見る為の、ダウンロード可能なMPEGもクリスマスイヴの日にお使いいただけます。

これもなんだかほのぼのとしました。サンタを追跡したくなる。「無料リアルプレーヤーの8ベーシック」というのは、どうかなとも思いますが。

ところでうちの息子は「サンタを見たことがある」とのこと。どんなだった?と訊くと、自慢そうに「ふつーのおじさんだった」。

ばれてはいないのですが、こちらも微妙です。

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