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2006年1月29日

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モディリアーニ 真実の愛

▽cinema06-011:芸術の原動力となるのは。

B000BX4D5Oモディリアーニ 真実の愛 [DVD]
ミック・デイヴィス
アルバトロス 2006-01-07

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絵画のことはよくわからないのですが、通俗的な生活と美しい芸術というふたつの世界に生きなければならないアーティストの激しい人生について考えてしまう映画でした。タイトル通り主人公はモディリアーニなのですが、ピカソとの確執、妻であるジャンヌとの関係を中心に描かれています。とはいえ、冒頭でテロップが入るように、脚色された部分も多いのではないでしょうか。奔放に生きているモディリアーニは業界の異端児であり、だからこそ貧困にもあえいでいる。病んでもいる。破壊、というか破滅的な人生を歩んでいた彼なのですが、芸術の原動力になったのは妻への愛であり、子供への思いだった。コンペ(展覧会)の出品に取り組むときに、ユトリロやピカソなどが作品に没頭するシーンがあるのですが、妻をモデルにして絵に没頭するモディリアーニ(アンディ・ガルシア)の笑顔が印象的でした。もちろんお金や名誉も大切なのですが、ほんとうに大切なのはかたちのない何かなのでしょう。1月29日鑑賞。

公式サイト
http://www.modi-movie.com/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(10/100冊+11/100本)

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2006年1月28日

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ターミナル

▽cinema06-010:待つことの美学。

B0002U8NPMターミナル DTSスペシャル・エディション [DVD]
アンドリュー・ニコル
角川エンタテインメント 2005-04-28

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「おしん」なんてドラマもその昔にはありましたが、そもそも日本人は耐えることを美徳としてきた文化があるように思います。いまはどうか、ということはありますが、ひたすら入国許可が出ることを待つこの映画は、日本人的なドラマを感じました。最初はコメディっぽくて、どうも演技が過剰な気もしましたが、ヒューマンなあったかい気持ちになれます。ナポレオンのエピソードが挿入されていますが、そういえば彼は3時間しか寝ないひとだったとか言われていたな、ということを思い出しました。トム・ハンクスが演じるビクターがなぜ待ちつづけていたか、という理由も泣けた。どうでもいいことですが、キャサリン・ゼタ=ジョーンズは美しいなあ。素敵です。1月28日鑑賞。

公式サイト
http://www.terminal-movie.jp/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(10/100冊+10/100本)

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マシニスト

▽cinema06-009:痩せすぎです。

B000A2I7L2マシニスト [DVD]
スコット・コーサー
アミューズソフトエンタテインメント 2005-09-22

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まず何よりも、ぎょっとするような肉体でした。痩せすぎです。この俳優は誰だろうと思ったら、クリスチャン・ベイルだった。ひえー、カラテカの矢部太郎かと思った。不眠症の機械工の話です。1年間眠れない機械工トレヴァーのまわりで、奇妙な出来事が起こる。眠れないための幻覚なのか、現実なのか。謎のようなポストイットが冷蔵庫に貼られていて、6文字の最後は「ER」。その文字から、さまざまな謎解きをしようとするサイコ・サスペンスです。映画っぽい映画というのも変な表現ですが、深みのある渋い映像で、旋盤のアップとか、クルマのなかとか、部屋とか、漂っている雰囲気がいいと思いました。クルマのなかにいると雨が降ってきて窓ガラスに雨粒が流れる映像なんて、一瞬だけなのですが雨の匂いが感じられたような気がしました。好みです(でも、旋盤で指が切り取られるようなシーンは苦手です。)。以下、映画の公式サイトからの引用ですが、眠らなかった最高記録は「264時間12分(約11日間)」とのこと。睡眠不足は、健康にも美容にもよろしくありません。結局これを観終わったのは明け方の5時だったのですが、やっぱりきちんとした生活しなきゃなあ、ちゃんと眠ろう、と思ったものでした。1月28日鑑賞

公式サイト
http://www.365sleepless.com/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(10/100冊+9/100本)

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2006年1月26日

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ALWAYS 三丁目の夕日

▽cinema06-008:夕日はいまも同じ。

B000EPE77SALWAYS 三丁目の夕日 通常版 [DVD]
山崎貴
バップ 2006-06-09

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「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画です。数えてみたら現在、細かい仕事が7本ぐらい進行中なのですが、たぶん来週頭にかけて忙しくなりそうなので、えいやーという気分で今日は午後半休にして、劇場でみました。今週で上映はおしまいだったので、行ってみようかという気にもなった。それから仕事関連でCGやVFXを担当している白組さんのお話も聞いていたので、ぜひこれは観ておいた方がよい、と。

ちなみにCGに関していうと(ぼくのDTMのVocaloidじゃないのですが)、やはりCGで作成したところは、どうしてもおや?という違和感があります。ものすごくうまくできています。事前にきいていなかったらCGとは思わなかったぐらいにすごい。でも、実写をどれだけシミュレーションしても、やっぱり現状の技術では、完全にリアルを再現することは難しいんでしょうね。しかしながら、そんなことはどうでもいい気がしました。まずは、何を描くか、ということだと思いました。現実ではない仮想の昭和33年と考えると、すんなりと入ってくる。だからちょっとぐらいおかしくてもいいんです。そういう意味でCGの表現力は、現実ではない現実を創り出すということから、ものすごいことになってきていると感じました。

昭和33年、ひとびとにはインターネットもパソコンもなかったけれども、豊かに楽しく暮らしていた。そして、熱かったんだと思います。小説家をめざしながら駄菓子屋を開く一方で少年向けの冒険小説の原稿なんかで食っている茶川(吉岡秀隆さん)。このキャラクターが秀逸でした。あと、怒りっぽい鈴木オートの主人を演じる堤真一さんもいい。茶川は、ヒロミ(小雪さん)から頼まれて、まったくの他人を自分の家に預かる。貧乏だけれども、実の父親よりもあったかい気持ちでその子供に接する。その子は、実は茶川の書く冒険小説の熱烈なファンだったりするわけです。自分でも、ノートに小説を書き溜めている。いいですねえ。そして、やっぱり小説家といえば万年筆ですよね。ぼくもほしかったなあ。

ものに溢れている21世紀ですが、ほんとうに大切なものは何か、ということを考えました。けれども、この映画のなかで描かれているような、家と家の隔たりがなく他人がプライベートに介入してくる昭和33年の風景は、ある意味、いまのインターネットの世界にも似ているんじゃないだろうか。結局ですね、あったかい人間の心のあり方というのは、リアルだろうとインターネットだろうと、変わらないような気がしました。インターネットではあるけれど、ブログなどのコミュニケーションのあり方は、十分に昭和33年的なアットホーム感があるのではないでしょうか。夕暮れに寄り添うようなあったかい気持ちは、いまも変わらない。ひょっとしたらあと50年後には、ブログについて、三丁目の夕日のようにノスタルジックに語られるようになるかもしれない。

とはいえ、ぼくはやはり劇場に行って映画を観るべきではないなあ、と痛感しました。最初から最後まで、涙流しっぱなしのおかしなひとになってしまうので。泣けました。いや、泣きました。そして、大切なものを取り戻したような気がしました。まだまだたくさん書きたいことはあるのですが、書いているといろんな過去の記憶をずるずる引き出してしまいそうです。そんな映画です。1月26日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(9/100冊+8/100本)

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2006年1月22日

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バッド・エデュケーション

▽cinema06-007:耽美的で重層的で。

B000BH4C42バッド・エデュケーション [DVD]
ペドロ・アルモドバル
アミューズソフトエンタテインメント 2005-11-25

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ホモの映画です。と言い切ってしまうとそれまでであり、念のため、そういう趣味はないのですが、何かを思いっきり求めることはせつないものだなあ、ということ考えました。映画監督の主人公に、その幼馴染みである売れない俳優が脚本を持ち込むことからはじまる物語なのですが、実際の体験と、映画の映像と、妄想的な世界などが錯綜して、非常に耽美的です。実はその幼馴染とは...というさらに重層的な仕掛けもある。ところで回想のシーンで修道院で少年が歌うのですが、「コーラス」という映画を観たことも思い出しつつ、ボーイソプラノって美しいな、と思いました。そこで趣味のDTMに飛躍してしまって、ボーイソプラノを再現するシンセサイザーってないのかなあ、サンプリングすればできるかも?とちょっと考えてしまいました。そういえば、冒頭の赤と黒のイントロも美しかったです。1月22日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(8/100冊+7/100本)

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