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2006年2月12日

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ステルス

▽cinema06-016:人工知能との戦いと和解。

B0022F6LSGステルス [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2009-06-03

by G-Tools

ヒューマンタッチなドラマ系の映画ばかり観ていたので、ちょっとアクション系のエンターテイメント作品を観たいと思いました。ステルスという最新鋭の戦闘機に乗り込む3人のエリートパイロットが主人公ですが、チームに4人目として加わったのが人口頭脳を搭載した無人ステルス戦闘機。人間の飛行や話から学習する戦闘機なのですが、カミナリの直撃を受けてプログラムが突然変異をする。そして、暴走をはじめて仮想のミッションを現実に実行しようとします。3Dの映像がものすごい迫力でした。ぼくはやったことがないのですが、ゲームなどではフライトシミュレーターはかなりリアルだそうですが、ぐいぐい引き込まれます。なんとなくやんちゃ坊主っぽい人口頭脳「E.D.I.(エディ。おサイフになるICカードじゃありません)」に親近感が持てました。2月12日鑑賞。

公式サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/stealth/site/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(14/100冊+16/100本)

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2006年2月11日

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2046

▽cinema06-015:オトナの男のかっこよさ。

B00067HCWQ2046 [DVD]
レントラックジャパン 2005-04-27

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新聞記者に勤めたのち、さまざまな女性と関係をもちながら「2046」という近未来小説を書く主人公をトニー・レオンが演じています。かっこよすぎ、です。ウォン・カーアイ監督の映画では「恋する惑星」や「花様年華」も観たことがあるのですが、「花様年華」でもオトナの恋愛が描かれていたのですが、確か主人公は小説を書いていた気がします。きちんとスーツを着て襟だけは解けている紳士ぶり、放蕩な生活、女性を口説くときのかけひき、拒まれても深追いしないのだけど決して彼女を忘れないこと、その気にさせるのだが冷たい、何を考えているのか謎である、などなど、もてる男はこうなんだなというエピソードがこれでもかというぐらい描かれています。ぜったいになれません(きっぱり)。しかしながら負け惜しみを言ってしまうと、そういうかっこいいやつはひとりの女性と結婚して子供を育てるような平凡な生活などできないだろう、というのも感じました。チャイナドレスと赤・黒・緑などの映像美が官能的です。そうそう、木村拓哉さんも小説のなかの主人公、トニー・レオンが泊まっている宿の長女に恋する日本人役として出演しています。とはいえ、トニー・レオンと比べてしまうとなあ。かなりかっこいいんですけどね、木村拓哉さんも。2月11日鑑賞。

公式サイト
http://www.2046.jp/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(14/100冊+15/100本)

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誰も知らない

▽cinema06-014:絵本のような、けれども痛みのある現実のような。

B0002PPXQY誰も知らない [DVD]
バンダイビジュアル 2005-03-11

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レンタル屋さんで映画を選ぶとき、ぼくは観る前になるべく余計な知識を入れないようにしています。映画監督や俳優は目に入ってしまうことが多いけれど、ほとんどの映画はジャケットのあらすじを読んで、ぴんときた映画を借りるようにしています。もちろん話題になっている映画を借りることはあるのですが。

この「誰も知らない」は話題になっていたことを知っていたため、実はあらすじも見ないで借りてしまいました。そんなわけで、最初の展開でおおっ?と思い、ぐいぐい引き込まれていった。やさしかったひとが実は自己中心的だったり、純真だった少年が身体的にも心も汚れてきたり、それが日常生活のなかで淡々と繰り返されるところに、静かなざわざわ感がありました。と、そこで思い出したのは、先日、茂木健一郎さんの引用から観た小津安二郎監督の「東京物語」です。静かな映像で緊張感のある人間関係を描くという意味では、近いものを感じました。4人の子供をひとりで育てる(というか学校にも行かせないでお金だけ与えている)母親役のYOUさんに明(柳楽優弥くん)が「母さんは勝手だ」というと「なによ、あんたのお父さんは出て行っちゃったのよ。どっちが勝手よ」というところなど、その台詞がいつ出てくるのかと思っていたのですが、なかなかうまいところで使っていると思います。

映像は生活の臭いがするような映像で、床やどろんこの足など、低い位置からの映像が印象に残りました。ちょっとぶれたりかすんだ感じの映像は、どこか絵本的という感じもした。あさのあつこさんの「いえでででんしゃはこしょうちゅう」という本を子供に買ってあげたことがあったのですが、そんな児童小説っぽいイメージもあります。切ない、けれどもとてもいい映画でした。2月11日鑑賞。

公式サイト
http://www.kore-eda.com/daremoshiranai/

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(14/100冊+14/100本)

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2006年2月10日

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砂と霧の家

▽cinema06-013:静かな、けれども深い哀しみ。

B000758XUW砂と霧の家 特別版 [DVD]
ヴァディム・パールマン
ジェネオン エンタテインメント 2005-03-04

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淡々としたはじまりですが、次第に深い哀しみに満ちた展開になっていきます。ストーリーは、夫と別れたあとに税金を滞納したばっかりに家を競売に出されてしまったキャシー(ジェニファー・コネリー)と、イランから妻と息子3人でアメリカに亡命して家を転売することで生計を立てているベラーニ(ベン・キングズレー)が、キャシーの家を買ってしまうことからトラブルがはじまるドラマです。やさしさが臆病だったり、冷たさが実は家族を思うための厳しさだったり、人間の感情を両側面から考えさせられました。「失って、初めて気付いた。/求めていたのは、家(ハウス)ではなく/家庭(ホーム)だったと...。」が劇場公開時のコピーらしいのですが、確かにモノよりもつながりかもしれない。

この映画のベン・キングズレーは、亡くなったうちの親父にそっくりです。クライマックスのシーンは泣けました。「自慢の息子だ」「息子が命です」ということを、ぼくも言ってみたい。2月10日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(14/100冊+13/100本)

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2006年2月 4日

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ビッグ・フィッシュ

▽cinema06-012:おとぎ話が必要かもしれない。

B000OPOB9Cビッグ・フィッシュ コレクターズ・エディション [DVD]
ダニエル・ウォレス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2007-05-30

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ぼくには、小学生の息子と今年幼稚園に入る息子と、ふたりの息子がいます。彼等となるべく話すことができる時間をつくろうと思うのだけど、趣味や仕事にかまけていて、なかなか時間もできない。そんな風に断絶した時間が長くなると、パパは忙しいから、と思うようで、話しかけてくれなくなる。でも、こちらから「将棋やろうか」というと、やっぱり息子の顔つきがぱあっと変わるのがわかる。親に話しかけられたくない子供はいません。もう少し大きくなったらまた違うだろうけれど、話せるときに話しておきたい。ぼくの父親は脳梗塞で亡くなったのですが、もっと彼と話したいことがいっぱいありました。けれども、いつでも話せるだろうと思っていたら、話すことができなくなってしまった。だから、話せるときに話しておくべきだと思っています。話しかけられるのを待っているのではなくて、こちらから話しかけることが大事なのかもしれません。

「ビッグ・フィッシュ」は空想の話が好きな父親と、ジャーナリストで現実的な息子を描いた物語です。結婚式の日に得意のほら話を得意気にされて、自分の晴れ舞台をめちゃめちゃにされて頭にきた息子は、以後父親と3年も話をしていない。断絶状態にあった。しかし、その父親が病に倒れて、彼のほんとうの姿を知ろうとしたときに、息子の気持ちも変わっていきます。

そもそも有能なセールスマンはトークがうまい。経営者もそうだと思います。話す言葉に力がなければ、ひとを動かすことはできない。全部がほら話だと信用できませんが、力のある言葉には脚色や演出や、ときには空想も必要になる。そして、何度もブログで書きつづけてきたのですが、語られたことばかりが真実ではない。語られたことの背後には、広大な語られなかった現実があります。

「ビッグ・フィッシュ」という映画のなかでも、おとぎ話だと思っていた大男が現実に存在していたり、人情味に厚くて人気のあった父のほんとうの姿を知ることにもなる。しかし、それに気付くのが余命あとわずかというときというのがかなしいです。そういえば、ぼくも父の亡くなる寸前に、かつて父には好きな女性がいて、彼女が帰省か何かをするときに途中まで電車で送っていった、という話を聞いたことがありました。ちなみに父と母は見合いだったのですが、突然そんな話をはじめる真面目な親父にちょっと面食らってしまい、どう答えていいものか沈黙したことを覚えています。ただ、ぼくはそういうことを話してくれた父を、ものすごく身近に感じました。感謝しています。

ぼくは、たまに奥さんとの出会いを息子に話すことがあります。まだ長男が幼稚園の頃、ママと結婚したいと思っていた長男は、パパと結婚してしまったママとはもう結婚できないのだということを知ってショックを受けたようですが(残念だったな。ははは)、結婚のことはもちろん彼が生まれたときのことなど脚色を加えて、おとぎ話にしちゃおうかな、とちょっと思いました。

創造する力、というのは、こういうときのためにもあるような気がしました。小説を書いたり、音楽を創ることだけがクリエイティブではありません。文字に残さなくても、何度も語ったことは、息子たちの心に永遠に残るのではないでしょうか。それが生活知としてのクリエイティブかもしれません。そういえば、この映画はティム・バートン監督なのですが、ティム・バートン監督らしいちょっと暗めのファンタジックな映像が素敵でした。2月4日鑑賞。

*年間本100冊/映画100本プロジェクト進行中(12/100冊+12/100本)

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