レディ・イン・ザ・ウォーター
▼Cinema07-014:人間の役割、つながっている世界。
レディ・イン・ザ・ウォーター ポール・ジアマッティ ブライス・ダラス・ハワード ジェフリー・ライト ワーナー・ホーム・ビデオ 2007-04-06 by G-Tools |
「アンブレイカブル」「ヴィレッジ」「サイン」など、M・ナイト・シャマラン監督の作品に共通していえるのは、謎の答えを出さないことではないでしょうか。不思議を不思議として認める、ということかもしれません。たいてい多くのサスペンスであるとか、SFの映画では、最後に種明かしをして終わります。もちろん、M・ナイト・シャマラン監督の作品にも種明かしはありますが、それでも大きなレベルで不思議な雰囲気が薄い霧のように残る。それがいい。
「レディ・イン・ザ・ウォーター」は、とあるアパートのプールに住む海の妖精が、妖精の世界に帰ろうとしている。ところが彼女が水からあがったとき襲ってくる悪いけだものがいて、彼女は傷を負う。アパートの管理人クリーブランドが中心となって、彼女を助けようとする物語です。はたして彼女は、おおきな鳥に連れられて、妖精の世界に帰ることができるのか・・・。
おとぎ話のなかに彼女のことが出てくるということから、おとぎ話を参考にしてアパートの個性的な住人たちが知恵を絞って考えます。そして、それぞれがおとぎ話のなかの役割を担おうとする。人間は、ひとりで生きている存在ではなくて、大きな全体のなかで個々の役割がある。彼女を救うのは「記号論者(シンボリスト)・守護者(ガーディアン)・職人(ギルド)・治癒者(ヒーラー)」だそうです。が、いままでふつうの生活をしてきて、あなたは守護神だろう、と言われたとしても、え、いやーぼくはふつうのひとですよ、そんな超能力ないですって(苦笑)と戸惑う気持ちはすごくわかる。現実と非現実が奇妙に交差する世界のなかで、誰もが戸惑いながらそれでも海の妖精を救うために力を合わせる。
つらい過去のためにどもりながら寡黙な生活をしている管理人クリーブランドが、封印していた言葉を涙ながらに語りはじめるシーンでは泣けた。妖精ストーリー(ブライス・ダラス・ハワード)のこの世のものとは思えない、はかなげな顔、容姿が印象に残りました。4月22日鑑賞。
公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/ladyinthewater/
*年間映画50本プロジェクト(14/50本)
投稿者: birdwing 日時: 00:00 | パーマリンク | トラックバック (0)